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ルプスの噛み痕




きらきら光る指輪の色は、黒かった。

夢の中で、ジゼルがつけている指輪のガラスの色は、黒だ。それを、眺めていると、とても悲しい気持ちになって、そして、赤だったらよかったのに、そこまで思って目が覚めた。


飛び起きるようにして、ジゼルはベッドの上で目覚めた。

悪い夢を見ていたかのように汗が出て、髪が額に張り付いている。確か、昨日、エマニュエルに婚約破棄を伝え、そして、今日、ジゼルはオレールに会う。

自分で自分を檻に入れるためだ。

ジゼルは今日すべき、人生で最も憂鬱なことを思い出して、ため息をつきながら、ベッドサイドのベルに右手を伸ばした。




「っ!」




手を伸ばすと、嫌な痛みが体に走った。思わず引っ込めて、そのまま首筋から肩の中間点に手を当てた。

包帯の独特な肌触りが、肩口を覆っていた。




「……これ」




あれは、夢じゃなかった。おそらくは、エマニュエルに噛まれた傷だ。この意味が、ジゼルには分からなかったが、なんだか、嫌な予感がした。

反対の手を伸ばして、ベルを持つ。早く、終わらせなくては。

どうしてか、ジゼルの心の中を焦りが埋め尽くしていった。








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