読めなければ意味がない②想像で補足していく展開
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読み手の方は、読み手の方で、より楽しみ方を知っています。楽しみ方とは、想像をすることによってより展開に肉付けをしていき、より楽しく目の前の世界にのめりこもうとする遊戯方法です。目を覚まさずに酔った状態でそれをより深めて引き延ばすことが出来る、それが、読み手の方が発揮される想像力であり、楽しみ方であると私は思います。
読み手の方がより『読み込みたい』と思われた時、読み手の方は、楽しいという海へずっぷりと安心して浸かることが出来るのです。その深淵に、足を沈めることが出来るのです。
……それは、感想覧で戯れに遊び、書き散らすこととは別の深い深い深淵。本当に感動した読者様こそ、おいそれと感想なんぞ書けないのですよ。……だって、心が震えて、言葉にならない程、読み手の方は沈んでしまっているのだから。
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私は、想定します。私は、想像します。書き手の安心感は、積み上げられていく、指先から生まれたそれらが、より形になっていく様に安心感を覚え、読み手の方の安心感は、感想を忘れる程に、物語に沈み込み、『きちんと読めた』時に生まれるものではないかと思うのです。