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大将首は自分で守れ  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
プロローグ~……と言えども~
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守護大名と言えども

 将軍の生殺与奪を左右しながら自身の権力基盤の強化に奔走していた守護大名。幕府から与えられた権限は当初。国内の軍事や警察に限定されていたのでありましたが、国内統治を安定化させるため裁判と強制執行の権利が付与されることにより守護大名の領国に対する権限が強化。更には幕府の権限が及ばない朝廷や貴族が治めていた荘園・国衙領にも侵出。その組織を吸収。家臣とすることにより直轄化。経済基盤を確立。その基盤を持って軍事力を強め、国内の国人領主も家臣とすることにより領国全体を守護大名のものとするのでありました。かれらの勢いはそれだけに留まらず他国へも侵出し、複数の国を持つものも現れるのでありました。傀儡と化した将軍の大義名分を背景に。

 そんな彼らのエゴとエゴとがぶつかり合った応仁の乱。勝者なく終わったこの戦いの後も京のある山城の国で同族争いを続けていた畠山氏に対し山城の国人が蜂起。管領家細川氏の後援があったにせよ。これまで手も足も出なかった守護大名を山城の国人が退去に追い込み、北陸加賀では応仁の乱から戻って来た守護大名を一向宗の御旗に集結した国人領主により自害に追い込まれる事案が発生。背景には基本。守護大名は京在中のため、領国の支配はほかの人間が担っていた。中央集権では無いこの時代。徴税請負などの仕事を担いながら上手に……。と言うモノも居たと思われますし、領国民との繋がりを持つのも勿論、在国の人間。10年以上に及ぶ戦乱の費用を賄うため度重なる税を課せられたこともあったと思われます。その結果。成果を得ることが出来ず。京は荒廃。居ても仕方ないので領国へと向かう守護大名。定年退職したあとずっとテレビの番をしている年金が振り込まれる以外価値を失った旦那を見る奥さんの空気が国内に充満する中、

(……守護大名って大したことねえじゃん。)

となるのは自然な流れ。守護大名も守護大名で過去の栄光を再びと幕府の政変に首を突っ込むばかりで、今の自分の位置づけを理解することが出来ず。元家臣やその国の有力者に地位をおわれることになるのでありました。

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