三編
休憩?
いや、ここいいとこだからな。
そうして彼女は彼を受け入れて、一晩をひとつになって越した。
彼女には、ドラゴンと繋がるという覚悟も、同時にできていた。
それは、この先で彼女を待つ、険しい運命への覚悟でもあっただろうな。
だが、彼女にも両親が居る。
帰りが遅いのを心配して、村の知り合い総出で彼女を探して回った。
その内の一人がようやく彼女を見つけた頃には、もう
彼女はドラゴンを受け入れてしまっていた。
確かにドラゴンは人間より遥かに強力だし、空だって飛べる。
しかし世の中のひとたちは、ドラゴンとひととの間の愛を、
好ましいものとは思わないらしいな。
君はどうだい?
僕はアリだと思ってるが。
その村のひとたちも好ましいものとは思わない内の一部だった。
しかし、善意の欠片を分けてくれたということだろうな。
娘を見つけたひとは、彼女に対して仕打ちや何やはしなかった。
代わりに、村にはもう二度と足を踏み入れるな。
きっとあなたは酷く叱られて、ドラゴンとは居られない、、、
と書いた手紙を彼女の近くに残して、村には何も
伝えなかったんだと。
こうして彼女はひととの繋がりを絶って、夫との暮らしを始めた。
大変だったが、愛を誓った彼女には、さして大変とも思われなかった
、、、かもしれないな。
数週間が過ぎた頃のことだ。
彼女は妊娠を確信した。
普通は異種間では受精や着床はしないはずなんだが、
幻竜類だからか分からないけれども、
生理不順で彼女はすぐに察知したらしい。
夫も本能で理解したのか、より彼女を守ろうとする
行動が増えていったようだ。
しかし、
突然だった、と聞く。
夫は子どもを見ることなく短い幻竜の一生を終えてしまった。
彼女には悲しい別れだったろう。
何せ早すぎた。
分かっていたことかもしれないが。
だって子どもができた矢先のことだものな。
彼女は途方もない悲しみに暮れたが、残された母親は強かった。
悲しいながらも、明朝には亡骸を丁重に埋葬して、
彼の遺した命を、大切に継いでいこうと誓った。
二つ目の誓いとなった。
ここまで同日に書き上げ。
ここからは一睡の後のもの。




