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寵愛昂じて  作者: 初雁
3/4

三編

休憩?

いや、ここいいとこだからな。




そうして彼女は彼を受け入れて、一晩をひとつになって越した。

彼女には、ドラゴンと繋がるという覚悟も、同時にできていた。

それは、この先で彼女を待つ、険しい運命への覚悟でもあっただろうな。

だが、彼女にも両親が居る。

帰りが遅いのを心配して、村の知り合い総出で彼女を探して回った。

その内の一人がようやく彼女を見つけた頃には、もう

彼女はドラゴンを受け入れてしまっていた。


確かにドラゴンは人間より遥かに強力だし、空だって飛べる。

しかし世の中のひとたちは、ドラゴンとひととの間の愛を、

好ましいものとは思わないらしいな。

君はどうだい?

僕はアリだと思ってるが。


その村のひとたちも好ましいものとは思わない内の一部だった。

しかし、善意の欠片を分けてくれたということだろうな。

娘を見つけたひとは、彼女に対して仕打ちや何やはしなかった。

代わりに、村にはもう二度と足を踏み入れるな。

きっとあなたは酷く叱られて、ドラゴンとは居られない、、、

と書いた手紙を彼女の近くに残して、村には何も

伝えなかったんだと。


こうして彼女はひととの繋がりを絶って、夫との暮らしを始めた。

大変だったが、愛を誓った彼女には、さして大変とも思われなかった

、、、かもしれないな。


数週間が過ぎた頃のことだ。

彼女は妊娠を確信した。

普通は異種間では受精や着床はしないはずなんだが、

幻竜類だからか分からないけれども、

生理不順で彼女はすぐに察知したらしい。

夫も本能で理解したのか、より彼女を守ろうとする

行動が増えていったようだ。


しかし、


突然だった、と聞く。

夫は子どもを見ることなく短い幻竜の一生を終えてしまった。

彼女には悲しい別れだったろう。

何せ早すぎた。

分かっていたことかもしれないが。

だって子どもができた矢先のことだものな。

彼女は途方もない悲しみに暮れたが、残された母親は強かった。

悲しいながらも、明朝には亡骸を丁重に埋葬して、

彼の遺した命を、大切に継いでいこうと誓った。

二つ目の誓いとなった。


ここまで同日に書き上げ。

ここからは一睡の後のもの。

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