第6話学園生活の始まり
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そこには大きな城壁があった。そして威圧感のある大門がある。その雰囲気は始めて見た者は息を呑むようなものだった。現に見物している人は誰一人として言葉を発さない。その城壁が言葉を発することを許さないのだ。
しかしライリー達は……
「す、すごい! 王都ってこんなに大きいんだ!!」
「すごいの! レアこんなに大きいもの見たの始めてなの!」
完全にはしゃいでいた。
「2人とも、王都に始めて入るのには列に並ぶと言っただろう? だが、列に並ぶのは面倒臭いだから俺と一緒に王都カード持ち専用の方に行くぞ」
なんだ? 王都カードって?
「分かった。ところで、王都カードってなんだ?」
「まあ、簡単に言えばVIP専用の入口から入るためのカードだ」
へーそんな物があるのか。俺も欲しいな。ネーミングセンスを問いただしたいがな。
やっぱ、リーカスはVIP待遇されるほどこの国にとっては重要人物なんだな。
て言うか、とっとと入りたいなら【空間魔法】で1発じゃ無いのか?
「リーカス【空間魔法】転移を使って中に入れば、わざわざそんな列に並ばなくてもいいんじゃないか?」
「外からの侵入を防ぐための結界が貼られてるんだよ。それに、そんな簡単に入れたら警備している意味なんてないし、城壁だって不必要になるだろう?」
確かにな。敵に攻撃を受けた時に簡単に入られては意味が無い。
「ああ確かにそうだな」
「それに王都はこの国の最重要都市だ。だから出入りの管理も厳重なんだ。まあ、俺達は関係ないがな」
そこには小さな門と2人の門番がいた。
「俺だ。リーカスだ」
リーカスが門番にそう声をかけた。
「これはリーカス様。王都に来て下さり感謝します」
「いい。それよりこれで入れるか? 勿論後ろの2人もだ」
カードを見せながら言った。
「ええ。勿論」
そう言いながら門番は門を開けた。
そこは小さな家の庭だった。小さいが綺麗な花など誰が見ても〝趣味が良い〟物が並んでいた。
「ここは王宮の隠し部屋だ。出ると王都の中心地に出られる」
そして俺達は王都の中心地に出た。そこには色々なものがあった。魔導具屋に武器屋、冒険者ギルドに魔導ギルド、魔道具ギルド。もう色々ある。
「「す、すごい!(の!)」」
俺とレアは驚いた。だって、こんなに賑わっている町は人生で初めて見た。
人じゃ無いけど。
ずっと家を守っていた俺としてはこんな賑わっている場所は全然見たことがない。
べっ、別に引きこもりってわけじゃ無いからな!
「王都を案内してやりたいが今日はもう遅い。とっとと冒険者学園に行くぞ」
そこには特別大きな建物があった。大きな門、月白の壁。それは周りの建物と違う雰囲気を放っていた。
冒険者学園だ。
そこは数多くの有名冒険者を排出してきた。しかし、謎が多いという1面もある。
ライリー達は守衛に学生証を見せて通してもらった。
そして守衛から、もう校内を歩いていい時間では無いので寮に連れて行くと説明を受けた。
そして寮に入ると2人の人影があった。
「あーーーん! あなた達は私のルームメイトねぇ! 来るの遅いから心配したのよぉ?」
「ケイリーうるさい。私はマチルダ。よろしく」
俺達は2人の女の子に熱烈な歓迎を受けた。この人達が俺達のルームメイトか。
「ああ。よろしく。ライリーだ」
「レアって言うのー!」
まず、来るのが遅くて心配していたケイリーはアガパンサスのような綺麗な水色のロングヘアーだ。高身長で、まさにお姉さん!という感じの見た目だ。
そして、クールな対応をして来たマチルダは、吸い込まれる様な黒髪で、ショートヘアだ。身長は少し小さめでクールなのだが可愛さを残す様な感じだ。
その後色んな話をした。ケイリーとマチルダは幼馴染で遠くの村から冒険者としてお金を稼ぐ為に来たそうだ。
俺達がC+ランク冒険者と言っても全然信じてくれなかったな。まぁギルドカードを見せたら信じたがな。でもその時の反応は面白かった。
「ええええ! もしかして本当なのぉ!? 嘘でしょ? えっ? 嘘と言ってぇ」
「……え!?」
マチルダに関しては言葉を失っていた。
てかC+なんて凄いのだろうか? そんな疑問を2人に投げかけると……
「ば、バカじゃないのぉ? あんた冒険者の人数に対する上位ランカーの比率しってるのぉ!?」
「……常識知らず」
そんな反応された。
あとマチルダ、気にしてる事言わないでれ……俺のガラスのハートが傷つく……
え? 気持ち悪い? ご、ごめんよ? 許してくれ。
俺達はそんな会話をしながら気が付いたら寝ていた。
そして朝、俺たちは大きなホールに招集された。
そこに居る人は全員〝制服〟という物を着ていた。
白を基調とし、青のラインが入っている。左肩の所には校章があしらってある。
そして1段上げられた所に人が立つ。
「新入生諸君! 入学おめでとう! しかし、入学なら誰だって出来る!」
その一言で周りの空気がピンッと張り詰めたものになった。
うへぇ、息苦しい。ちょっとお水飲みたいな。
「ここにいる生徒の半分以上は落第するだろう! しかし! この学園から卒業した者の殆どが今有名冒険者、騎士、傭兵として活躍している! お前らもその様になれる事を期待している!」
「新入生に光あれ!」
そして司会が喋り出す。
「続きまして、新入生代表の言葉です」
へー、代表の言葉なんてあるのか。随分面倒くさそうな仕事だな。
「ライリーさん前に来てください」
ブッ! ゲホンゲホン……理解出来なさ過ぎて水を吹いてしまった。
「……え、え!? ど、どういうこと!?」
え? 俺が? 前で? 演説とか苦手なんだけど……
結果は最悪だった。とだけ言っとこう。
そして式が終わった後、俺達は〝教室〟という場所に案内された。
因みに俺、レア、ケイリー、マチルダは同じクラスだ。
すると、赤髪のゴツイ男が入ってくる。
「よぉ! お前ら! 俺がお前らの担任のリアムだぁ! よろしく頼むぜ!」
俺にはカツアゲしに来た不良の様にしか見えない。てか顔怖すぎるでしょ! なんで切り傷があるんですか!
驚きすぎて口調すらもおかしくなってしまった。
「って言っても、全てを教える訳じゃねえ」
その発言にクラスの全員が胸を撫で下ろした。
「俺が教えるのは剣だ。安心しろちゃーんと撫でてやるよ」
そう言ってリアムはニヤッとした。 クラスメイトは違う意味で撫でられることに戦々恐々し、顔を青ざめさせた。
「最初っから剣の訓練で心を真っ二つにしようと思ったが、今日は最初にお前らの魔力性質を調べにゃなんねえ」
そう言ってリアムは俺達の前に水晶を置いた。 と言うかさっき怖いこといってませんでしたかね!?
「その水晶に魔力を込めろ。赤だったら火、緑だったら風、黄色だったら土、青だったら水だ。まあ他にもレア属性があるが大体はこれだ」
へー、俺は何だろうな?
「まあ、俺は魔法に詳しくない。だから魔法の先生を呼んできた」
「諸君よろしく頼むよ。私はシャルルというよ。君達に面白い素質があるこを願うよ」
そして皆の水晶が光り輝く……