閑話 50000PV感謝ss(バレンタイン版)
レアの期待に無事答えることができたライリー達には、冒険者ギルドという場に似合わず穏やかな空気が流れていた。
にんまり笑顔でお菓子を頬張るレア。心労から解放され、胸を撫でおろしているマチルダ。準備が功を奏し、ドヤ顔のケイリー。レアと一緒に目を輝かせながらお菓子を頬張るライリー。
そんな可愛らしい光景に、周りの冒険者たちの顔はゆるゆるだ。実に汚らしい。
「ライリー。これ、私から」
「おー! マチルダありがとう!」
「ううん。全然いいの。それよりも早く食べて」
「いいのか!?」
「うん。そのために作ったもの」
ライリーは嬉しそうに小包を受け取る。今にも小躍りしそうなほどだ。そんなライリーの様子を見て、マチルダはニヤリとほくそ笑む。
ライリーが小包を開けていく。包装を外し、中身を確認する。そこには、一つのシュークリームがちょこんと入っていた。
「マチルダ。これってなんだ?」
「シュークリーム。とってもおいしい。最近流行ってる」
「へー。こんな丸っこいのがおいしいのか?」
「おいしい。なんなら超高級品」
「た、た、高いのか!? 俺がそんなの貰ってもいいのか?」
ライリーはシュークリームが高級品とは知らず、「こんなものがお高いのか」と驚く。そして、同時に自分のためにこんなものまでマチルダが用意してくれたことをうれしく思った。
そんなことをライリーが思っているのをお構いなしで、マチルダはぐいぐいとシュークリームを進めた。
「そんなこと気にせず。早く食べて」
「お、おう? じゃあいただきます」
マチルダはライリーの口にシュークリームをぶち込んだ。ライリーはどんどんと顔が赤くなっていく。それはあーんされたから……では断じてない。そうそれは。
「からあああああああああああああ! マチルダああああああああ!」
そう、シュークリームは激辛だったのである!
「てへッ?」
「可愛くしたって許さんからなああああああ」