表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/44

第29話 戦後 前編

「ふう。全員、無事に終わったか」


 俺は結界の上の天井辺りになんちゃってロフトを作って全員の戦いを見ていた。天井に張り付く様に作ったのでバレてない筈だ。


 結果としては全員勝ったが、かなりギリギリだった。


 勝ったからこそツッコみたい。「全員強すぎない!?」と。


 ケイリーの剣が斬られた時は、結界を突き破って入ろうとしたのだが、何故か急に動きが変わり【治癒魔法】などと言う面白い物を使って倒してしまった。


 しかし、なぜ急に動きが変わったのだろう? 良く分からない。


 俺は能力を手に入れる為と、戦いを補助する為に【賢者】をケイリー達に付与していたので【治癒魔法】は美味しく頂いた。



 楽して手に入れるスキルは最高だ。



 次にマチルダだ。まず、【死召喚魔法】などと言う面白い魔法を使ったのも驚きだが、【神書魔法】だって?


 【賢者】も《習得不可能》と言ってお手上げだと意思表示していた。


 正直、3人の中で一番驚いた。そして、「マチルダだけは絶対に怒らせない」と俺は心に誓った。


 恐ろしやぁ……



 最後にレアだ。まず、【魔神の加護】だって? 俺より先にレアの魅力に気付き加護を与えるとは魔神もやるなぁ。ただ、猛烈に悔しいぞ!


《そんな問題ではありません。これは暗に魔神の存在を仄めかす物です。このまま魔神を放置していては太古の時代のように大破滅が起こります》


 少々怒っている様な感じで【賢者】に忠告された。


 たださぁ、魔神とか言われても良く分からないのだ。分からない物は対応の仕様が無いと思うんだ。



 まぁ、そんな事はどうだって良くてレア達を迎えに行く事が今は1番大切だ。


 最初はレアから行こうと思う。今にもロックスが死にそうだし。


 レアはロックスの事を「亀なのー!」とか言っていたが、今では陸に打ち上げられた魚状態だ。


 一応仲間になる予定だし、とっとと助けに行く。丁度【治癒魔法】も手に入れたし。


「ロックスの事を治しに行ってくれるかい? しかし、あいつ6歳の女の子相手に無様に負けたわねぇ!」


 ウィンピアはそう言って笑い出した。コイツとは全員の戦いを一緒に観戦した。


 観戦している内に全員の強さを目の当たりにして警戒も無駄だと思ったのか、それとも信用してくれたのかは分からないが、途中からはかなり仲良くなった。


 さっさと行くとするか。


 俺は結界を叩き割り、レアの元へジャンプする。俺の作ったロフトは地面からかなりの距離があるので結構スリリングで楽しい。


「レア、怪我は無いか?」


「ライリーさま! お空から登場するなんてカッコいいの! レアには怪我は無いの!」


 良かった。もし、レアに怪我があったらロックスはこのまま永遠に起きる事が無かったろう。


「【治癒魔法】治癒」


 俺が魔法をかけると、ロックスの切り傷はまるで元々無かったかのように綺麗に無くなった。


 もう少し魔力を使ったら意識も戻せるが面倒臭いから放置だ。


「凄いの! あ、ライリーさま! ねぇね達は大丈夫なの?」


「ああ、ケイリーもマチルダも2人とも無事だ。むしろ相手が生きてるか心配だ。」


 これは切実に思う。


 マチルダの相手は【神書魔法】死の禁書などという物騒な物で強化された死騎士達の八本もの剣でボッコボコにされてた。


 ケイリーに関しては、相手の意識を朦朧とさせ、皮膚も火傷したみたいにブヨブヨにさせていた。


 2人とも生きてるのかな? 


 ウィンピアは「アイツらは生命力だけが取り柄みたいなもんだから大丈夫」とか言いながら仲間の無様な姿を大爆笑していた。


「あ、そう言えばライリーさま! レアね、ホブゴブリンから鬼巫女に進化したの! ライリーさま、ほめてなのー」


「ああ、レア凄いぞ! さすがレアだ!」


 レアは可愛いなぁ。今も「えへへなの〜」とか言って口元を緩めてる。



 しかし、それは次の瞬間にかき消されてしまった。


「きゃぁぁぁぁぁぁあ!!」


 え!? 待ってくれ? 上からウィンピアが降ってきたのだが!? 


 え? 今日の天気は晴れのちウィンピアですか!?


 俺は、上から降ってくるウィンピアを助ける為に俺が降りてきた時のように【風魔法】で全力の減速を試みる。


 しかし、始めたタイミングが遅かったようだ。


 ガッシャーン!



 ウィンピアはたまたまロックスの上に落ちた為、そして俺の減速のお陰で怪我は無い。


 しかし、ロックスはそうはいかない。言い方が悪いが、上空から何十キロもの物が落ちてきたのだ。


 グスッ、可哀想に……


 最後にこれだけは言わないと……



「えー、21時38分。ギドナ組のロックスさん。ご臨終です。」



「勝手に殺すなぁぁぁあ!」


 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ