第3話ゴブリンとの遭遇
「【憑依】支配」
ゴブリンリーダーを支配する。 自分の魔力とゴブリンリーダーの魔力がぶつかり合うのが分かる。 しかし俺は魔力量で圧倒していた。
「俺に勝てると思うなぁ!」
《ゴブリンリーダーの支配に成功しました。ゴブリンリーダーがマスターの配下となりました。その事により称号ゴブリンリーダーがマスターに譲渡されました》
なんか成り行きでゴブリンのリーダーになってしまった。正直こんな雑魚のリーダーなんて嫌なんだが。
《【憑依】支配 の効果により元ゴブリンリーダーの能力を習得。特殊スキルゴブリンリーダーを獲得》
ゴブリンリーダー・・・ゴブリンの群れを率いる者。
解放済みスキル【統率者】【古代語理解】
統率者・・・統率力が上がり、配下の力を上げる。また配下の力を取得できる。
古代語理解・・・古代の文字を理解出来るようになる
ふむ。スキルを取得できるのも驚きだが古代語理解?なんだこれは? ゴブリンからこんな良さげなスキルを取得出来るなんて驚きだ。
まあこの森で生き残る位の実力なだけあるのか?見た目はただの雑魚だが。
《ゴブリンは古代語で話をしていた模様。そのため取得することが出来ました》
なるほどな。というかかなり魔力が増えた気がしたのだが気のせいか?
《マスターの魔力は上がっております。元ゴブリンリーダーが持っていた魔力分増えています。しかし、元ゴブリンリーダーの魔力が無くなっていないことから考えると【憑依】支配 をした分魔力を扱う器が増したのだと考えられます》
てことは俺は【憑依】支配をする度に強くなれるってことか。それなら冒険のしがいがあるな!
あと【統率者】の効果で配下を増やすと俺の力と配下の力両方あげられるのか。
《ゴブリンの能力の取得、統合が終了しました。また魔力量が上昇。技能スキル近接戦闘Lv1を獲得》
近接戦闘Lv1・・・近接戦闘時に魔力が1.5倍になる。また近接戦闘技の取得が早くなる。
結構便利なスキルを手に入れられたな。
そういえばゴブリンはどうしようか。こいつらを倒してランクアップしてもいいが、正直気が乗らないな。
それにただの雑魚と思っていたが割と俺自身も強化された。いやー、ゴブリン様々だ。そんなことを考えてるのを気が付いたのか.........
「「「「我々の忠誠をお受け取り下い!!!」」」」
と言ってた。まあ殺すつもりもさらさらなかったしちょうどいい。
それに命懸けで忠誠を誓ったヤツらを「ヒャッハーランクアップだぜー!」とかいいながら殺す趣味もない。
どんなサイコ野郎だ。
「ああ、良いだろう。お前らは今日から俺の配下だ」
俺は微笑みながらそう言った。そうだせっかく配下になったんだ。死なれるのは嫌だから少しばかり強くしてやるか。
「【憑依】加護付与」
そう言って俺はゴブリン達に加護を与えた。すると、
《ゴブリンの進化が確認されました。種族ゴブリンから種族ホブゴブリンに進化しました。また、元ゴブリンリーダーはハイゴブリンに進化しました》
《進化の影響でマスターの能力も進化しました》
能力が進化したのだ! なんという棚ぼただ。
それに貧相な体だったゴブリン達は見違えるほど成長し、上位の冒険者と言われても疑われないくらいになっている。
ちょっと前までは貧民と言われたら納得するくらいだったし。
まあその前にステータス確認しよう。
「【天啓】ステータスを見せてくれ」
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【種族】付喪神
【称号】神・Fランク冒険者・ホブゴブリンマスター・ゴーレムマスター
【名前】ライリー
【魔力】600・600
【スキル】
固有スキル付喪神
神専用スキル神の末席
ゴーレムマスター
スキルホブゴブリンマスター
技能スキル近接戦闘Lv3
付喪神・・・付喪神に与えられる専用スキル
解放済みスキル【憑依】【念動】 【ゴーレム憑依】
【魔物憑依】
【憑依】・・・憑依して加護をあたえる。 また支配する。 ただし自分より魔力が多い場合支配は出来ない。
【念動】・・・魔力を消費し体を動かす
【ゴーレム憑依】・・・ゴーレムへ与える加護や支配力が増える。
【魔物憑依】・・・魔物に与える加護や支配力が増える。
神の末席・・・神に与えられるスキル。 神格が上がるとその分スキルは強力になる
解放済みスキル【天啓】
【天啓】・・・森羅万象を読み解き、 知識を授ける
ゴーレムマスター・・・ゴーレムの支配者に与えられるスキル。 魔力量によって支配出来る数や強さが変わる。
解放済みスキル【肉体増強】
【肉体増強】・・・魔力量によって、 自分のスピード、 パワー、 防御力などを上げる。 このスキルは自分、 そして配下のゴーレムにも適用される。
ホブゴブリンマスター・・・ホブゴブリンの支配者に与えられるスキル。 相手が忠誠を誓うことによって支配する。
解放済みスキル【古代文字活用】【統率者】
【古代文字活用】・・・古代文字を活用出来るようになる。
【統率者】・・・統率力が上がる。 配下に力を与え、 また配下から力を取得することが出来る。 魔力は配下の持つ魔力の2分の1得ることが出来る
近接戦闘Lv3・・・近接戦闘時に魔力が2倍になる。 また近接戦闘技の取得が見るだけで出来る。
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ふむふむ。全体的に上がっているな。だが魔力の600・600って言うのが気になるな。
まあ、それは後でいいか。まずはホブゴブリン達だ。
こいつら名前はあるのだろうか?名前が無いと不便なのだが?
「お前ら名前はあるのか?」
「は、はい! 俺はアニクって言います!」
ハイゴブリンはアニクと言う名前か。
「レ、レアって言うの!ますたーはおなまえなにー?」
「こら!レア、失礼だぞ!」
こいつはレアか、この集団には珍しくちっちゃい女の子だ。
しかも小さい頃に進化したからかゴブリンの要素がエメラルドグリーンの綺麗な髪しかない。身長は小ささや、ミディアムヘアの髪型の髪型が顔のキュートさを引き立てている。
「礼など気にしなくて良い。 俺はライリーと言う」
「ご配慮感謝します」
アニクはとことん硬いな。 ミスリルなんじゃないかってくらい硬い。
「ねーねー!ますたーライリー様って呼んでもいいー?」
それと比べてレアは可愛いな。別にロリコンって訳じゃないがこの笑顔は癒される。まあ、アニクの硬さは忠誠心の高さから来てるので悪い気はしない。
「ああレア、いいぞ。お前らもライリーと呼んでくれ」
俺はホブゴブリン達に言った。
「「「「よろしくお願いします! ライリー様!!!」」」」
しかし、だ。俺は学園に行くからこいつらを引き連れて行く訳にはいかない。
確実に目立つ。目立つどころか牢屋にぶち込まれてもおかしくないな。とう考えたって怪しい。
また暇になるのは嫌だから流石に連れて行くのは辞めておこう。と言う事で、今後どうするかホブゴブリン達と話し合うか。
「お前ら。今後の行動について話したい。お前らには目標などはあるのか?」
その質問にアニクが答える。
「我々はゴブリンの国を建国するのが目標です。 大昔我々は大鬼族という魔族の中でもトップクラスの力を持っていました。その力で傲慢にも神に挑み神罰を喰らい最弱のゴブリンという種族にされてしまいました。そして国は壊滅し、何個もの集団に別れ今に至ります」
ゴブリン達にはそんな事情があるんだな。ただただ弱くて、繁殖力が強いだけのゴミみたいな種族では無いのか。
おっと、俺のゴブリンに対する本音が出てしまった。
魔族の中でもトップクラス、か。魔族とは魔王側の陣営で人類の敵対者だった筈だ。
そんな中のトップクラスって相当の実力を持っていた筈だ。
「神罰には必ず救いがあります。とても厳しい道ですが確実にあります。そして、我々が救われるにはゴブリンの国を建国する必要があるのです」
なるほどな。ならばそれを解決すればいい話だ。しかし、随分厳しい罰だな。
最強だったのを最弱にされるなんて俺だったら発狂してたかもしれない。
「なるほどな。お前らの状況を理解した。簡単に言えばゴブリン達を1つに纏めて国を作るって事だな?」
「はい。そうです」
ならば、目の前にある障害を木っ端微塵にするだけだな。
しかし、国造りとは簡単に成功するものでもない。必要な人材、必要な物が沢山ある。
しかし、士気1つで変わることもある。普段しない事でかなり恥ずかしいが少し演説をしてみるか。
「お前らはホブゴブリンとなり強くなった! お前らだけの力でゴブリンを集めることは出来るだろう! ならば残る問題は国造りのみだ! まずは自分の出来ることをやれ! 残った問題はホブゴブリンマスターの俺の仕事だ!」
俺はそう宣言した。
だが俺の考えは甘かったのだろう……それはまだ後の話。
……恥ずかしさで死にそうなのは今の話。