第27話 ギドナ組討伐 マチルダvsクリマ 後編
「なんで魔力が増えたか?お前が知る必要は無い!」
もう、私は怒った!私の仲間を雑魚って呼んだのは許せないし、殺されかけたのも腹が立つ!
「【神書魔法】死の禁書 死騎士団 強化!」
私は死の禁書に書かれた強化魔法を唱える。骸骨騎士達は強い死の魔力を貰い受け〝進化〟を果たす。
骸骨騎士団などと言う脆弱な物では無くなった。言うなれば死騎士団だろう。以前と比べて別人の様な魔力をそれぞれが放っている。
そして、それに私も続こうとする。
「【神書魔法】死の禁書 肉体昇華」
うっ、意識が飛びそうだ。
《今すぐ魔法を止めなさい!まだ、あなたの実力じゃその魔法は扱えない!》
私の周りには真っ黒な魔力が吹き出していく。
「目、目ぇ!お、お前!あ、悪魔だなぁ!何で悪魔が居るんだよぉ!」
悪魔?ああ、あの冥神の下僕か。
目?なんの事だろう。
《身体スキル⋮死の魔眼を獲得しました。
スキル効果・・・死魔法の使用効率化・威力増強・???・???
備考・・・死の魔眼とは、冥神・死神・悪魔などの死の魔力性質を持つ、神・魔族が手に入れることが出来ます。
眼色はルビーの様に美しく、貴族の中にはコレクションにする者も居ますが、民間では恐怖の眼として恐れられています。》
スキル?そんな事、よりも、早く、解除しなきゃ…
自分の魔法で気絶とか笑えない。
と言うか、魔族?魔王と同じ私達人類の敵だった筈だ。
《おりゃ!俺達の姫様、しっかりしてくれよ!》
そう言って、ケルトが頭にチョップを入れてきた。
「はぁ、はぁ、はぁ、ケルト!姫様は辞めてって言った!」
ただ、ケルトのお陰で解除することが出来た。
《黒髪ショートにルビーの目、そしてドス黒い魔力を出してるなんてまさに悪魔だな!死神様にも見えるぜ姫様!俺達の姫なだけある!》
え?今ケルト以外が喋った?
「…みんな話せるの?」
《ああ、勿論だ!なにせ俺達は進化したからな!》
これで皆とお話出来るようになったんだ。嬉しい。
「みんな、舐められた分お返ししよう。」
《ああ、ガッテン承知だい!行くぜ!進化した俺達の力を見せつけてやる!》
騎士達はクリマを囲む。
前と同じ作戦で前回との差を見せつけようとしてるのかも。可愛いヤツらだ。
今回はよっぽど悔しかったのかケルトも戦いに参加している。
私は強化を途切れさせないように魔法に意識を集中させる。
クリマは私を目掛けて突進してきた。
私は一歩も動かない。
ケルト達が必ず守ってくれるから。
「死ねぇ!悪魔!」
私の首筋を目掛けて剣が飛んでくる。
ケルトが間に入り、剣を止める。
「骸骨ぅ!テメェは脳みそ空っぽだから分かんなかったかも知れねぇが双剣の剣は〝2本〟なんだよ!」
ケルトが止めた剣の反対側からもう一本の剣が飛んだ。
俺様君はいい気になってるのか有頂天だ。
ケルトがニヤリとしてるとも知らずに。
ボキッ!コロコロコロ…
ケルトの首が飛ぶ。
次の瞬間…
ズバッ!ボキッ!
私の騎士達がクリマの背中を斬りつける。クリマの肉体を斬る事は出来なかった様だが、骨を折ることは出来たようだ。
〝8本〟の剣に斬りつけられたため、意識を失ってしまったようだ。
「…バカな男。そっちが〝2本〟ならこっちは〝9本〟ある。数字も数えられないなんて可哀想。」
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暗いのぉ!レアは暗い倉庫みたいな場所に連れられたの。
おー!壁が高いのぉ!あ、これはてつごうしってやつなの!これは囚人レアちゃんが誕生しちゃうの!
それと何か知らないけど地面からちっちゃい壁が生えてきてるの!でも、レアの方だけ無いの!
むむむ、何でなの?
あ、おじちゃん!じゃなくて名前は...あ、そうだ!なの!
「サックス!サックスしゃん!何で壁生えてるの?」
「サックス?俺は楽器じゃねぇ!ロックスだ!これはな魔防壁だよ。魔法使いに魔防壁。その意味は分かるよなぁ?」
「何言ってるの?サクソフォンさん?意味わからないの。」
「おーい!ちょっとマニアックなの出してくるな!ロックス!てかお前、ゴブリンの癖に良く楽器何て知ってるな。」
今、何て言ったの?何でレアがゴブリンって知ってるの?
「まぁ、芸術の国なだけあるのか?」
「何で、レアがゴブリンって知ってるの?レアはレアは!」
「お前らの跡を付けてたからな。へっ、バラされたくなければ俺を倒すんだな。」
バラされたくないの!レアがゴブリンってバレたらライリーさまが困るって知ってるの!
レアを連れてこようとしなかったのもこれが理由に決まってるの。だからレアはライリーさまのためにもロックスを倒すの!
レアはお友達と一緒に集落に居ないで、アニクにぃと一緒に仲間を探していたの。
その理由を見せつけてやるの!
「【魔神の加護】開放1」
「...また?」
《...はぁ。つべこべ言わずにとっととやりなさいよ!》
「...分かった。みんな、私の祝勝として気に入ったらブックマークと評価よろしく。」