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第26話 ギドナ組討伐 マチルダvsクリマ 前編

マチルダはケイリーと同じく、暗い倉庫のような場所に連れられた。


 高く、そして厚い壁。地面に書かれた魔法陣、そして鉄格子。しかし、ケイリーの連れられた場所と大きく違う点があった。とてつもなく広いのだ…



 私は今、双剣使いのクリマと向かい合った。変な所に連れられたな。でも、私に不安は無い。


「【死召喚魔法】骸骨騎士団」


 仲間を呼べばいいから。


 私を中心に9体の骸骨騎士が召喚される。クリマは驚いたからか、それとも私の力が強大だと気づいたからか動きをピタッと止めてこっちを伺ってくる。


 ぷぷ、銅像みたいで面白い。


 私は昔、ケイリーと一緒に住んでいた村の神殿にこっそり入った。その時、変な本を見つけた。そこからの記憶はあやふやだ。


 でも、気づいたらこの魔法を使えるようになってた。ただ、みんな骸骨さんだから気持ち悪がられるかも、と思ってケイリーの前では使ってこなかった。


 ただ、今は私一人だ。


 いくらでもこの魔法を使える。


 戦う興奮で血が滾る。そうは見えないかも知れないけど、私は戦うのが結構好きだ。


 今までは魔物としか戦ってこなかった。でも、命の取り合いをする緊張感、剣で相手を斬る感覚、生き残ったという安心感、全て大好きだ。


 お母さんに前この話をしたら「さすが家の子ね。ただ、女の子なんだから隠しときなさいよ。」って言われた。


 マチルダ、戦う乙女なんて名前を付けた位だからその気しか無かったと思うけど。


《御主人様よ!今回はどうするかい?》


 そう言えばこの話方って魔王と話した時と同じだなー。まぁ、どうだって良いけど。


 この子は骸骨騎士のリーダーで、ケルトと私が名付けた。他の子はまだ話せないけどケルトみたいに進化したら話せるって言ってたから話せるようになるのが楽しみだ。


《…じゃあ、双剣の機動力を殺すために囲む。》


《ガッテン承知だい!相変わらず戦闘前だと少し饒舌になるな。》


 うーん。無自覚だった。


 普段は何かを言う前に実行する。それに自分で言うのもあれだが冷静に周りを観察している。


 ただ、今は戦いの前。その興奮で少し饒舌になったのだと思う。


「どんな術を使ったか知らねぇが、雑魚の骨が9体居たって俺様の双剣に掛かれば瞬殺だぜ!」


 うわー、1人称が俺様とかどれだけ自分に酔ってるの?正直「気持ち悪い」という感想しか抱かない。


 ただ、面倒臭いのが少し実力がある。そんな自信私がへし折って1人称を変えてやる。


 そして、


「…雑魚?私の騎士達を舐めるな。」


 私のその一言で、俺様野郎…


 じゃ無くてクリマも戦闘モードになった。


 しかし、クリマが戦闘モードになる前に私の騎士達で囲んである。


 これで、この大きい部屋の意味も殺したし、双剣のメリットである機動力も潰した。


 喋れない子達は剣で戦い、私は騎士達を魔法で強化してケルトは私を守る。私達は普段そういう戦い方をする。


 簡単に言うと騎士達が前衛、ケルトが中衛、私が後衛だ。


 クリマが動き出す。


《動き出した!3人で引き付けて残りの5人は背後から切り刻む!》


 私は後衛として、指示を出す。


 …え!?


 指示を出した後、私が見たのは骸骨騎士達がバラバラになっている姿だった。


 作戦は間違って無かったのだろう。ただ、骸骨騎士とクリマには圧倒的な実力差があった。


《御主人様お逃げ下さい…》


 ケルトも2太刀交える頃には倒されていた。


 クリマが一歩、また一歩と近付いて来る。



 こ、怖いっ。



 いつもは士気を上げて恐怖心も吹き飛ばしていたけど、本当の〝死〟を感じると、心の中では「怖い」しか考えられなくなる。

 


《…はぁ、貴方達って本当に分かってないわね。ケイリーも死にかけてたし。〝死の禁書〟を見た様だけど扱えるのがその程度とはね。


 今のままじゃ騎士達が殺されて終わるだけよ。〝死の禁書〟を扱える様になるくらいになりなさい。》


 むむ?また、魔王が話しかけて来たのと同じ感じだ。でも、前の魔王達とは違って安心感がある。


 そして、私が分かるのは、この声が言っていることを信じたくないけど、心の中では理解してしまっていると言う事だ。


 騎士達はバラバラにされているだけでまだ死んでいる訳では無い。私が近付いて魔力を上げれば元に戻る。


 しっかし、


 〝死の禁書〟か。


 多分神殿で私が読んだ奴だな。思い出してみようかな?もう、私はそれに賭けるしか道は無い。


 確か私の髪みたいに真っ黒で、物過ごす大きくて、でも落ち着くような魔力が放たれていて.........


 あ、そう言えば...!確かこう書いてあった。


《我を求み、資格を持ちし者、その欲望を我の力で叶えてやろう。》


 求める、か。私が思い出した途端、何故か分からないけど頭の中に〝呪文〟がスラスラと出てくる。


「死を司る神よ、その知識、力を我に与えたまえ。神書【死の禁書】よ。対価として我の血を与えよう。そして、お前は我の糧となるのだ!」



「【神書召喚】死の禁書」



 複雑な魔法陣が展開されている。そして、そこから懐かしい本が現れた。〝死の禁書〟だ。


 死の禁書は私の手に収まる。


「お、おい、お前!何をした!お前から強大な魔力を感じるぞ!」


 俺様くんは今度はただただ驚いて止まっている。


 私の魔力が増えたのは、私が〝死の禁書〟を手にしたからだろう。


《正確に言うと「死を認識」した事に、「死の禁書を手に入れた」事が加わり、大きく魔力を増やしたのよ。》


 まぁ、詳しい事は別にどうだっていい。


 骸骨騎士達の恨みで俺様野郎をぶっ倒してやる!


《口悪くない!?》


 






「むー、見ないで。」


「あ、マチルダねぇねどうしたの?」


「今日はちょっと恥ずかしかった。」


「えー!マチルダねぇねかっこよかったの!レア、マチルダねぇねの事凄いと思うの!」


「むー、唐突の褒め殺し!はぁ、この地獄早く終わらせる。」


「おー!どうしたのー?」


「え、えっと。今日も楽しんでくれた?そうだと私は嬉しい。それで、楽しんでもらえたならブックマークしてくれると嬉しいな。」


「そーなの!レアからもお願いなの!あとー下にすくろーるして評価してくれると嬉しいの!後、感想とレビューも欲しいの!」


「むー!また取られた!」

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