表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/44

第23話 ギドナ組討伐 ライリーvsウィンピア

 外も大分暗くなり、夜空が俺達を包み込む。表通りの賑やかな声からも切り離された裏路地には「ポツン、ポツン」という水の滴る音しか聞こえない。


 しーんとした静けさが緊張感を高めていく。今回、負けるつもりは無いが不安要素は1つだけある。


 それは、フッドが語ってくれたギドナ組の基本戦術だ。出発前、フッドは俺達にこう語った。



「俺達ギドナ組は個々の高い戦闘能力を売りにしている。だから、集団戦法を嫌うから敵は各個撃破を狙うんだ。その為に相手と一対一になるよう【空間魔法陣】を大量に用意してある。つまり、必ず別々に戦う事になると思う」



 まぁ、不安要素と言ったが、レア達はそれに目を輝かせて「ライリーさまにレアの実力を見せつけるの!」とか言ってたからもしかしたら期待要素なのかも知れない。




 そして、少し開けた広場が見えてくる。夜の闇のせいで前がよく見えないが、人影がある気がする。


 冒険者達の情報ではここに幹部達が居るとの事だ。俺達が魔王と遊んでいた最中に必死に逃げていたらしい。


 俺達はギドナ組の幹部達に近付いていった。顔には疲労の色が見え、すこし息も上がっているようだ。



 1人目は、黒髪の男でひょろっとしている。フッドと一緒に戦っていた奴でロックスと言う名前だそうだ【岩魔法】の使い手で、遠隔援助も、近接戦闘もこなすそうだ。



 2人目は、栗色の髪で小柄だ。細剣(レイピア)の使い手で、【風魔法】の使い手でもあるらしい。名前はウィンピアで、ギドナ組幹部唯一の女だ。



 3人目は、黒髪でガッチリしている。身長が少し低いバージョンのフッドみたいだ。双剣使いで、あと一歩で剣聖の実力があるらしい。名前はクリマだ。



 4人目は、紅葉色の髪に、細いが芯があるような感じだ。槍使いで、こいつもあと一歩で剣聖の実力があるらしい。槍だけど。名前はアウターだ。




 俺はロックス達に向けて、笑みを浮かべながら問いかける。


「随分と好き勝手言っているようだけど、俺達に倒さる準備出来てる?」


 我ながら随分とうざいと思う。しかし、これに関しては向こうのほうが一枚上手だった。


「うるせぇ! 俺はなぁ、地面っていう大切な女房とイチャイチャしてんだよ!」


「ロックス! そんな事よりもバラけるぞ! 【空間魔法陣】転移!」


 そして、俺達は【空間魔法】を使う時と同じ感覚に襲われる…




____________________________________________________________


 俺は転移した先を確認する。よし、上手く行ってる。



 俺が行ったのは、【空間魔法陣】転移を【空間魔法】転移で上書きして、別の場所に飛ばしたのだ。


 今、俺がいる場所はさっきまで居た豪魔地帯の草原だ。


 どうやら俺の相手はウィンピアのようだ。コイツは細剣と【風魔法】を使う奴だった筈だ。俺は一応フッドを倒したが相手はBランク冒険者レベルの強さだ。


 Bランクの冒険者とはこの王国にも数百人程しか居ない。かなりの実力者なので油断は出来ない。


「ど、どこだいここは! あたいをどこに飛ばしたんだい?」


「ああ、ここか? 俺の庭だ」


「へー、お前の庭か。ってアホかぁ!」


 なんかノリツッコミしてきた。始めたの俺だけど。まぁ、午後はいつも居るから庭と言っても過言では無いとだけ主張したい。



「まぁ良いわ。フッドの洗脳を解くためにもあんたを殺さないと、ね。フッドはあんたを捕獲しようとしたから不覚を取っただけで本気で殺しに来たあたいに勝てると思うなよ?」



 どうやらフッドが自分達に牙を向こうとしてるのは洗脳のせいと思っているらしい。


 残念な事に自分の意思でやっている。


 むしろ、生き生きとやっている。


「そんな事、どうだって良い。とっとと始めようぜ」


 そう。とっとと始めて、とっとと終わらせたいのだ。理由は簡単で、レア達の戦いを早く見たいからだ。


 俺は倒せると思うが3人は倒せるか分からない。レアは実戦経験があるが、ケイリーとマチルダは実戦経験も無いし戦えるとも思えない。


「ああ、そうだな。あたいに勝とうっていうその自信へし折ってやるわ!」



 そして、ウィンピアは細剣を抜いた。


「へっ、その自信をへし折ってやる!」



 俺は剣を抜こうとする。

 


 しかし、その時にはウィンピアはもう動いていた。


「はぁぁぁ!」



 俺の心臓部に細剣が向かってくる。



 剣は……間に合わないか!



 「【魔動】」


 

 俺は【魔動】を使って距離を取る。



 あっぶね、もう少しで一発アウトだった。



 心臓の辺りの服に細剣が刺さった跡がある。後少しでライリーの串刺しになる所だ。


 うへー、美味しくなさそう。


「へー。初撃を躱すとは少しはやるねぇ。ただ、あたいと打ち合いをしようって腹なら無駄だよ!」


 そう、これがウィンピアの強みだ。本来、細剣使いは、打ち合いを嫌い、初撃で回避不可能の攻撃をして一発で仕留める事に重きを置く。


 打ち合いをしたら細剣自体が折れてしまうからだ。



 しかし、ウィンピアは違う。【風魔法】を駆使して、相手の攻撃を避け、いざとなったら【風魔法】を纏った細剣で対応するため、細剣の軽くて早いと言うメリットを何十倍にし、デメリットを完全に消しているのだ。



 正直な感想として、「え? 強くね?」と思う。



 恐らく気を緩めたら、その瞬間にこの世とおさらばだろう。恐ろしやー。



「【風魔法】風の衣」



 ウィンピアがそう唱えた瞬間に動き、そして雰囲気が変わる。



 俺の【魔闘】に風属性が加わったような感じか?



《大方その認識で合っています。しかし、マスターの方が身体能力の上昇率は上です。そして、【魔導書】により、【魔闘】に風属性が、そして【風魔法】の使用が可能になりました》



 なんか、苦労して習得したであろうウィンピアに申し訳無い。



 ウィンピアが俺の方へ切り込んでくる。



 地面すれすれに体を走らせ、くるっと体の向きを変えて俺に切り込んできた。


 

 早い、だがまだ対応出来る。



 俺は剣に【武器強化】をかけて、細剣を叩き切らんと剣と剣をぶつける。



 細剣に纏っている風属性の魔力とぶつかり合い、違和感に襲われる。



 ぶつかり合った瞬間、魔力と魔力が反発し合い空気が震える。



 魔力を纏った細剣と同じく魔力を纏った魔剣。



 この武器同士の戦いの勝負を勝つのに必要なのは〝武器性能〟と〝纏った魔力〟だ。



 キィーン



 そして、一人の剣が叩き切られる…

「皆ー!私よー!覚えてない?私!私だって!


 え?詐欺?違うって!ルーよ!ムーンの町の冒険者ギルドの受付嬢のルー!


 今回はね、ライリーちゃんにブックマークと評価を増やして来いって無茶振りされたから来たのよ。


 正直、私の事覚えてなかった人居るでしょ?その人はお詫びとして思う評価を入れなさい!面白かったらブックマークもするのよ!


 え、あのー私の時だけ増えるの少なかったら泣くわよ?お願いだからね?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 戦闘シーンが楽しいです。それに続く会話の流れや雰囲気。 [一言] 書き専で我流なもので、まだ右も左もわからない初心者ですが、応援してます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ