第22話 ギドナ組討伐 準備中
俺達はまず、冒険者達の所に戻った。理由は簡単でギドナ組を囲い込む為だ。
今回の作戦は簡単に言うと、まず人数の多い冒険者達で裏路地を囲んで、見つけた瞬間に【通信魔法】念話で連絡をして、俺達が【空間魔法】転移を使って決戦と言う訳だ。
「そう言えば、ライリーの見た目について冒険者達にどう説明するんだ?案がなかったら俺がどうにかするけど?」
《ヤッホー!超絶美少女の魔王様のおでましだよ!》
「また来たの?シッシ」
どうせ暇なんだろこいつ。と言うかこんなにフランクなやつが本当に魔王なのか?威厳のいの字も感じない。
《ちょっとー!あんたが考えてる事読めるんだからね!何か威厳のいの字も感じないよ!それを言うならあんただって神なのに威厳のいの字も無いじゃない!!》
ぐぬぬ、言い返せないのが悔しい。
ま、まぁ俺は雑魚神だから別に良いんだ。その辺は始まりの大神とかに何とかしてもらいたい。
え?責任転嫁はいけない?
チッチッチ、分かってないな。責任ってのはいかに堂々と擦り付けるかなんだよ。
堂々と擦りつければ無罪なのだ。
《ちょっとー!うちら舐めてるの?デウスだったら殺しに来てたかもなのに》
「ら、ら、ら、ライリーちょっと良いか?」
リーカスがぷるぷる震えながら聞いてきた。何かスライムみたいだな。
「ん?どうした?」
「この声って、魔王だったりしないか?」
何だ、そんな事か。
ん?なんの音だ?まぁいいや。
トイレに行きたいとか言い出すんじゃないかと思って心配してたが拍子抜けだ。
流石に開けた草原でトイレは勘弁だからな。レア達の目に毒だし。
《そうよぉ!正真正銘の魔王よ!》
「…ケイリー私のほっぺつねって」
「私のもお願いするわぁ」
何かマチルダとケイリーは夢じゃないか確かめ始めた。
二人は、「イテテ。」とか言いながらこっちをジト目で見てきた。
むむむ、理解に苦しむ。
《って!そんな事はどうでも良くて【創造】ゴーレム!》
すると、目の前にはご主人様の姿をしたゴーレムが今までそこにあったかのように現れた。
以前のゴーレムと見た目は全く変わらないな。
「【憑依】」
ご主人様の姿を取り戻せて嬉しいけどなんで魔王がそんな事をするんだろう?
魔王が人のために動くとも思えないし。
「魔王さま!ライリーさまを食べるなら先にレアを食べなきゃ嫌なの!ライリーさまはレアが守るの!!」
可愛いなぁ、そしてレアは本当に優しい。
《ガオー!》
「むー!駄目なの!ライリーしゃまぁにげるのぉ!レアのしかばねを超えてゆけなの!」
「待て、レア。ここはAランク冒険者の俺に任せろ」
《なーんてね!まず、魔王だからって人も魔物も神も食べないわよ。美味しくないしね!魔王はもう少しマシな殺し方するから安心しな!》
うん、全然安心できない。結局殺してるじゃん。
リーカスなんて青い顔しながら「ライリー心配」と連呼してる。
でも、レアもリーカスも俺の為に戦おうとしてくれるなんて優しいな。
「心読めるから言いたい事分かってると思うが声に出して言うぞ。こんな事して、何が狙いだ?」
俺は冷静で、クールな男だからこういう事も確認するのだ。
《それはねヒ・ミ・ツ!まぁ、私達の言う事を聞いてれば痛いことは少ししか無いわよ。まぁ、ノーヒントってのもあれだからね…》
すると、魔王は急に声を落として耳元に(気分的に)囁いて来た。
《有名になりなさい。何としても、ね。そして、迷宮の奥に全ての答えがあるわ。せいぜい死ななようにね。》
そして、魔王の気配は元々居なかったかのように消え去っていった。
何だったんだろうな?
まぁ、魔王は暇なんだろう。なにせ話では千年以上も生きている。
すると、レア達は緊張していたのか、尻もちをついている。
「本当、心臓に悪いわぁ。なんでライリーは魔王を煽る様な事をするのぉ?気が気じゃ無かったわよぉ」
「…同意。」
んー、それは俺も分からないんだよな。まぁ、強いていうならこれかな。
「何か安心感って言うか、この人なら大丈夫って気持ちがあったんだよな。正直俺も良く分からないんだ」
「皆、もう諦めよう。ライリーに今何言っても無駄だ。それよりも【通信魔法】念話でギドナ組の幹部残党達を見つけたって連絡が入った」
酷いなぁ。何言っても無駄ってそもそも俺はただ魔王と話してただけなのに。
でも、レア達は「今は、諦めるのぉ〜」とか言ってる。もしかしたら、俺が死んだと言う共通の特別な体験をする事で仲良くなったのかもな。
ずるい。
この気持ちをギドナ組にぶつけてやる。
「よし、じゃあぶっ倒しに行くか!」
「ち、ちょっと待ってくれ!」
お、俺が魔王と話してる時に起きてリーカスの「この声って、魔王だったりしないか?」ってセリフでまたぶっ倒れたフッドがまた起き上がった。
「な、仲間の命だけは勘弁してくれ!俺を国に差し出すのは構わねぇから!」
「は?誰が国に差し出すって言った?お前らは俺の部下になって俺は裏の世界の王になるんだよ」
「「「「はぁ!?」」」」
そう言えばレア達に言ってなかったな。国の王だけじゃすぐ飽きそうだからついでに裏の世界の王になろうって話。
「お前、面白え奴だな。その話乗ったぜ!そうと決まったら俺の部下達をぶっ倒しに行くか!」
「すごいの…仲間を秒で裏切ったの…」
「えーっと、やあ?今回、ライリーにブックマークと評価乞食を頼まれてしまったんだ。
ブックマークと評価してくれると嬉しい。ライリー達も喜んでくれるからな。
面白いと思ったらでいいんだが、本当にお願いだ。
実を言うとだな、ブックマークも評価も全然増えないからライリーもレアも悲しんでたんだ。
勿論、俺も悲しい。
だからよろしく頼む。これをしてくれないとライリーの非常識な行いのせいで疲れ果てしまいそうだ。だから応援って意味でもよろしく頼む。」