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第2話冒険者ギルド

俺は今度こそ冒険者ギルドへと訪れた。



 多くの人が行き交い、酒を交わし、歌を交わし合っている。


 そこはまさに自由の象徴だった。どの子供も憧れ、そして目指すそんな場所だった。


 勿論、依頼をこなすのがメインだが冒険者達の話す楽しげな冒険譚は子供心を掴むのには十分過ぎた。


 まぁ、俺もその掴まれた1人なんだがな。異界から来訪した勇者の話で俺は冒険者への思いを強くした。




「まあ俺も暇だ。案内してやんよ」


 そう言ってリーカスはギルドの中を案内してくれた。


 しかし「リーカス様の隣の女は誰だ?」などと、あちらこちらで言われた。


 リーカスは自分のことを人気と言ってはたがそこまでとはな。


 正直、ただの自称有名の痛い奴かもとも思ったけれど本当に有名だった。


 正直、驚きだ。


 まあリーカスのことはいいや。とっとと登録して、依頼でも受けるか。と言っても、やり方を知ってる訳では無い。


 え? それならカッコつけて語るなって?


 た、たしかに……


 って、そんなことはどうだっていいんだ!



「リーカス。俺は冒険者として登録したいんだがどうすればいい?」


「ああ、ライリー登録ならそこだ」


 そう言って受付と書かれたカウンターに連れていってくれた。



 そしてギルドの受付のお姉さんから説明を受ける。



「まず、冒険者にはFからSランクまであります。ランクアップには一定の回数依頼をこなすか、格上の魔物を狩る必要があります。

 

 ただしAランクとSランクは別で、Aランクとはギルドへの貢献も多くまた魔王との戦いに貢献した者がなれる称号です。


 そしてSランクは魔王討伐を挑むAランク冒険者に与えられる称号です。また、王国からは勇者の称号が与えられます。


 そして、依頼は自分のランク以下の依頼しか受けられません」


 へー、そうなのか。魔王か、戦ってみたいな。


「ふう、マニュアルはここまでね。私、これ固っ苦しくて嫌いなのよ。それで、なにか質問ある?」



 そう言えば討伐依頼とか名前は知ってるけど倒したらどうするんだろう?


「倒したのはどう証明するんだ?」


「あら? 知らないかしら? 素材を持ってくるのよ」



「それじゃあ不正されないのか? 素材を買えばランクが上がれるようになると思うのだが?」



「ランクが低い冒険者の金じゃ格上魔物の素材なんて買えないからいいのよ。それに金でかったランクで自滅するのは分かりきったことだから」



 なるほどな。確かに自滅するだけだ。



「所でお嬢ちゃんは何歳なの?」



 年齢か、取り敢えずじっとしてた(ボッチだった)期間を年齢とするか。


「10歳だ」


「あら、10歳なら学園に行かなきゃだめじゃない」


「学園? それはなんだ?」



「お嬢ちゃん。学園って言うのはね王国が運営してる学校なんだけどね、冒険者学園と王宮学園っていう2つに別れてるの。冒険者学園は剣や魔法それから冒険の基本を教える学校よ。ここから多くの武官も排出されるわ。そして、王宮学園は文官の道を教える学園なのよ」



「そうなのか。でもなんで学園に行った方がいいんだ?」



「それはね、お嬢ちゃんくらいの歳で冒険者をやって死ぬ人があまりにも多かったのよ。それでね、王国は学園を設立して街に住む10歳からの子供の入学を義務化したのよ。それにね、学園を卒業出来たら一気にランクがCランクからになるのよ。もちろんその分卒業するのは難しいけどね」



 なるほどな。行きたい気持ちもあるが、一番重要な問題がある。



「ただ、俺はお金なんて持ってないぞ?」



 そう、俺は今銅銭の一枚も無いのだ。ご飯は食べなくても大丈夫なのが唯一の救いだ。ご飯が必要だったらその辺で倒れている所だった。



「それは大丈夫よ! 学園に借金として利子なしで借りられるのよ! しかも学費はとっても安いのよ?」



 おお! この国に馴染むためにも必要だし、常識も知らない。ここは一発、借金生活とするか!


 目指せ借金王!


「どうやったら入れるんだ?」


「あら ?どの学園に入るのかしら?」


 その質問の答えは決まってる。


「冒険者学園だ」


 何せ俺は魔法も使えないし、剣も使えない。少しは強くなりたいからな!


「分かったわ。ギルドで入学は出来るから手続きするわよ。因みに手続きと同時にFランク冒険者としても登録されるわよ。それで、お名前聞いてもいいかしら?」



「ライリーだ」


「はい。ここに魔力を流して」


 そこにカードを出された。


「学生証よ。あとギルドカードにもなるわ」


「こんな簡単で大丈夫なのか?」



「登録する人が多いから簡略化されてるのよ。ライリーちゃん、学園が始まるまで2週間くらいあるけどどうするの?」



 2週間もあるのか。まあ、その答えは決まってるがな。


「狩り行こうと思う」



「そう。怪我はしないようにね」



《称号︰Fランク冒険者を取得しました》



 なるほどな、称号にもなるのか。これはランクを上げるに限るな。



「ああ、ありがとう。所でEランクに上げるために必要な魔物はなんだ?」



「Eランクに上げるにはね種類関係無しに10体の素材をギルドに収めることよ」



「なるほど、ありがとう。じゃあな!」



 そこで俺はギルドの受付と別れた。



■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪



 そういえばリーカスのランクはいくつなのだろう。竜殺しって呼ばれるくらいだから高いのかな? 聞いてみるか。


「リーカス、そう言えばランクはいくつなんだ?」


「俺か? 俺はランクAだよ。ライリーもAになれるように頑張りな」


 さっき聞いた話だとギルドへの貢献か魔王との戦いでの貢献で貰えるランクだった筈だ。


「ああ。俺もAランクになれるように頑張るよ」


 そう答えながら俺は内心ビビっていた。Aランクだよ?そりゃー人気だわ。冷たい目線を送られても仕方ないわ。嫌なのには変わらないが。




「そういや、ライリー。今日は依頼を受けるのか?」


 うーむ。依頼か。取り敢えず内容を見てから決めるか。


「依頼を見てから決めようと思う」


「そうか。依頼板はここだ」


 そこにはFランクの依頼板があった。



 しかし、どれもこれも掃除や捜し物など正直どうでもいいもののみだった。 


 え? 冒険者ギルドってボランティア機関か何かだっけ?


「討伐とか無いのか?」


「討伐? 討伐はEランクからだよ。君には早いよ」



 これはやる気があるのかの選別だそうだ。本気で冒険者をするのならこんくらいのこと根気よくやってランクアップしろということらしい。まあ、俺はめんどくさいので10体魔物を狩るとするか。



「じゃあ依頼はやめとこう。10体魔物を倒しに森に行くことにする」


「そうか。じゃあ頑張れよ。まあ、あれだなんかあったら俺を頼りな。大体の事は何とかする」


 ニコッとしながら言ってきた。コイツは本当にいいやつみたいだな。


「ああ。その時はよろしくな」


「おうよ」



 そう言って俺らは別れた。



____________________________________________________________


 俺は今、酒場のおっちゃんから聞いた魔物が多く生息する森、カナディアンの森にいる。


 そこは薄暗かった。木々が鬱蒼(うっそう)としており、日が差すことを許さないのだ。そのためどこか不気味な雰囲気を醸し出している。




 しかし狩り行くとしてもどうやって勝とうか......


「ゴーレムだ!」


 俺はゴーレムを呼び出す。ゴーレムマスターの力の1つだ。


「【憑依】加護付与」


 そうしてゴーレムに加護を与えた。これで戦闘準備はばっちしだ。


 というか今思ったのだが魔物を【憑依】で支配するのは可能なのだろうか。



《可能です。しかしマスターよりも魔力が多い魔物だとマスターが消滅する可能性もあります》



 なるほどな。じゃあ雑魚は俺が担当で強者に当たったらゴーレムを駆使して逃げ延びるという作戦で行こう。



 森を15分ほど歩くとゴブリンの群れと遭遇した。30体は居るだろう。


 俺はゴブリン達と対峙する。


 ゴブリン達は貧相な体をしていた。貧相な体、 虚ろな目、その弱りきった様子に俺は危機感を全く感じなかった。 


 対してゴブリンは怯えたような雰囲気だ。 



「「「「ギャアーウ!!」」」」


 ゴブリン達は威嚇してきた。



 【天啓】ゴブリンの情報をくれ。



《種族名ゴブリン。1つの群れに1人ゴブリンリーダーがおり、群れを統率している。魔物の中でも最弱だが、繁殖力が高い》


 なるほどな。これは【憑依】を試すいい機会かもしれない。最弱だし。



 俺はゴブリンリーダーに【憑依】をする。








「【憑依】支配」



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