第16話 ライリー捜査隊
今回はレア視点です!!
緊急事態なの!! ライリーさまが1人でどこかに行ったの!! これはライリーさま親衛隊としてゆゆしき事態なの!
だって、ライリーさまを放って置いたら変な事しか起きなさそうなの!
あ! 良いこと思い付いたの! ふふー、これはライリーさま親衛隊としての初仕事になるの!
えへへー、ほっぺたが緩むのぉ。 むむ、これはレアがチョコレートを食べたときと同じなの〜! チョコレートおいしかったなーなの!
「ライリーさま捜索隊の隊長! レアなのである!」
ふふーん。これでかっこよく決まったなの。後はケイリーねぇねとマチルダねぇねがレアのかっこよさに惚れてくるだけなの!
これが、アニクにぃにがやっていた背中で語ると言うやつなの!
「あら、可愛い隊長さん。よろしくねぇ」
「……ライリー隊長よろしく」
そう言ってマチルダ隊員はピシッと敬礼をしたの! ふふふー!マチルダねぇねは分かってるの!!
むむむ。でも、ケイリーねぇね酷いの!! レアは今、可愛いくないの!
あーっ!! 危なかったの!! 計画を話すのを忘れてたのぉー! でも、ぎりぎりせーふ! なの!
「隊員のしょくん! 今回の作戦ではライリーさまを見つけて連れて帰ることがメインなの! そのためには戦力がいっぱいいるの!」
決まった、なの。
「そうね。私もそう思うわ。続けて」
「……ちょっと待って。なんで戦力が必要?」
マチルダねぇねは少しこまってるの? むー? 何か変かなー? なの?
「ふっふっふー。マチルダ隊員分かってないの! あのライリーさまが一人でどこかに行くって事は絶対に何か起こるの!」
「……そんな事ない。誰にだって一人で出かけることはある」
「ふふふ。普通だったらマチルダの方が正論なのよぉ? でも相手はライリーよぉ? 今回はレアの方が正しいと私は思うわぁ」
さすがはケイリーねぇねなの!せっとくりょくってやつがあるの!
「……でも、ライリーだって」
「そうだとしても探すことには変わりないの!」
そして、レアは作戦を語るの!
「今回はレアがライリーさまの事を見つけるの! その後、ライリーさまが起こした問題を解決なの! 後、護衛としてリーにぃに付いてきてもらうの!」
ふふーん! 我ながら完璧なの!
リーにぃは困ったら頼っても良いって言ってたからきっと協力してくれるの!
とうちゃーく! なのー! 冒険者ギルドについたのー! リーにぃを呼ぶためなのー!
あ、そう言えばリーにぃひとまえでリーにぃって呼ぶの恥ずかしからちゃんとリーカスって呼べってって言ってた気がするの!
まぁいいやーなの!
「リーにぃ! リーにぃ! どこにいるのーなの!」
「おお、レア達か。今日はライリーと一緒じゃないのか?」
「ライリーさまがどこかにいっちゃったから今探してるの!!」
レアの違う意味に捉えられてもおかしく無い言葉に律儀にも勘違いし、リーカスは慌てる。
「それは大変じゃないか! 今すぐ探さなくては!」
そんな様子をマチルダは、まぁそう思ってもらったほうが楽だからいいやーと思考放棄していた。
「レアは特性でライリーさまの場所が何となくわかるからついてくるの!」
元々、ゴブリンは群れのリーダーを見失わない様に何となくの場所は分かるようになってるの。それがホブゴブリンに進化したのでそれはかなり正確になっているの。
そのはずだったの.........
「迷ったのぉ」
酷いの! 王都は広すぎるの! みちがいっぱいでわからないの!
「レア、場所は分かるんじゃ無いのか?」
「分かるのぉ! でもみちがたくさんで着かないのぉ!」
「うーん、じゃあ地図を見に行くか?」
仕方ない、なの! これは〝せんりゃくてきてったい〟ってやつなの! リーにぃは分かってるの!
「そうするの! でも地図ってどこにあるの?」
「冒険者ギルドにある。一旦戻るか」
むむむ、冒険者ギルドに入ったらいろんな人が見てくるの! 仕方がないの前に立って聞くのが隊長のぎむってやつなの!
「お前ら、随分と俺達を注目している様だが何か用か?」
あー!! 先にリーにぃに言われたのぉ! 酷いのぉ!
「あ、レアが言いたかったのか? それはすまんな」
むー! 仕方ない、なの! レアはかんだいだから許してあげるの!
「い、いやぁライリーちゃんが連れ去られたって聞いたからそれが本当かって俺たちの間で議論になってたんだ」
「そうなの! ライリーさまはどっかいっちゃったの!」
「……ちょっと待って、話広げ過ぎじゃない?!」
珍しくマチルダねぇねが大きな声を出したの。むー? なにかおかしいのかなぁなの? 人数いっぱいの方が見つけやすいし何がダメなのか分からないの!
「よっしゃぁお前らァ! ライリーちゃん見つけるために一肌ぬぐぞぉ!」
「「「「おお!!」」」」
凄いのー! 冒険者さんたちが50人はいるのー!
その後、ライリーさまの場所を皆に教えたの! そしたらリーにぃのお顔が怖くなって、冒険者さんたちと机を囲んで話し合ってるの!!
「おい、ここは裏路地じゃないか?」
「リーカス様そうです。だとしたら裏組織の連中が絡んでるかもですね」
「うらそしき? それってなんなのー?」
うーん、美味しいものなの?
「レア、裏組織ってのはな人攫いをしたり、強盗をしたり、同じ裏組織で抗争したりと、迷惑な奴らなんだ。この辺だと人攫いの連中かも知れんな」
なーんだ、酷いやつなの!
「リーカス様、急いで向かいませか?」
「ああ、当たり前だ。お前ら戦闘になるかも知れない、覚悟は出来てるか?」
「「「「当たり前よぉ!!」」」」
「よし、お前ら行くぞぉ!」
「「「「おお!!」」」」
ガチャン、ガチャン、ガチャン、ガシャン、ガシャン
冒険者達の防具が進行の度に鳴る。辺りは騒然としているようだ。それもそうだろう、救国の英雄が冒険者を引き連れ完全武装で大通りを闊歩しているのだ。
しかし、当の英雄は何も気にしていない。寧ろ気に留める余裕が無いのだ。
そして、裏路地に英雄が入っていった瞬間に民衆は理解する。裏組織の連中と戦うのだ、と。民衆は裏組織に困らされ続けてきた。
ある人は金を揺すられ、ある人は親を殺され、ある人は子供を売り飛ばされた。
民衆にとって裏組織とは目の敵な相手なのだ。
誰も1人の少女の為の行動だなんて思いもしないだろう。しかも、ただ1人の幼女の思い付きで巻き込まれただけなど想像すらしないだろう。
そう、民衆が思うのは唯一だ。
「「「「「リーカス様万歳!竜殺し万歳!!」」」」」
薄暗い道に入ったの! これがリーにぃの言ううらろじってやつなの!
どんどんとライリーさまの気配に近づいていくの! そんなに時間経ってないけど久しぶりな気がしてドキドキなの!
よし! 着いたのってあれ? ライリーさまの気配が急に消えたの?
.........え? そこに倒れてるのは誰.........なの?
.........うそなの! 違うの!
.........信じられないの!! 誰か嘘っていってなのおぉぉぉお!
「おい!! ライリー!! しっかりしろぉ!!」
リーにぃは〝それ〟を揺さぶるの。もう辞めてなのぉ.........
「ライリー! そんなはずないわ!!」
ケイリーねぇねは〝それ〟に抱きつくの。
どうしてこうなったの.........
「...嘘! 嘘だよね?」
マチルダねぇねは動揺して、〝それ〟に大きな声で聞くの。
レアが1番聞きたいの.........
そうなの、レアが1番聞きたいの!!!
「ライリーしゃまぁぁぁ!」
レアは思いっきり抱きついたの...
〝それ〟に...
胸に大きな切り傷を作り、大きな火傷もある。体に力が入ってないのかダランとしており、息をしない。
そんなライリーの変わり果てた姿に。




