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第15話 ライリーvsフッド 前編

まずは、前方の2人を片付けようと思う。 理由は簡単で、3人一気に相手にするより楽だからだ。



 そして、2人の男と出会う。ん?2人の人攫いは結構良い身なりをしている。二人は、質の良さそうな黒塗りの防具に、ロングソードを持っている。


 1人は金髪で、ガタイは良く強面だ。身長は180cmほどあり、俺との身長差は30cmもある。改めてご主人様の体なんだな、と自覚する。


 もう1人は黒髪で、ひょろっとしていて、高身長で痩せている。


「おい! ライリーだったか? 冒険者学園の生徒は高く売れるが、特待生はさらに高い。俺達、キドナ組が見逃す訳ねぇだろ!」 


 

 金髪男はそんな事を言ってきた。俺って高いんだ。と言うかマークされてたのか。気が付かなかった。


 そして、言いたい。「見逃す訳ねぇだろ!」だって?


 知らんがな!


「へへへ、お前冒険者のルールを覚えてるか? C+ランクの相手にはBかAランクが相手するんだよ。そして、俺達は今お前のためにギドナ組の幹部とボスで囲んでる。その意味は分かるだろう?」


 黒髪がそう言ってニヤニヤしてきた。


 しかし、全く分からん。うん。その意味は一切分からない。そもそもギドナ組なんて知らないからな。これはもう一回言いたい。


 知らんがなぁぁ!


「は? ギドナ組って何だよ? そんなの知らん」


 本当、何なんだ。自意識過剰だしどうせ雑魚なんだろう。


《ギドナ組とは、王都に潜む中規模の闇組織です。 ただ、その強さは折り紙付きで、ボスはAランクに届く実力を、幹部はB+ランク程の実力があると言われている実力派の闇組織です。》



 へっ、へー。結構大きな組織なんだな。うん。てか、ヤバくないか? 人攫い程度だから余裕で勝てると思っていたが結構ピンチだ。


 俺はアンドレアで学んだんだ。相手を雑魚って侮ってたら痛い目見るって。だから俺は相手を決して雑魚だと侮らないのだ。



 え? さっき雑魚って言った? きっ、気のせいだよ!



「へっ、減らず口はそこまでにしときな」







 そこで、人攫い達はロングソードを抜く。





 刹那、金髪男の剣筋が俺の頬を掠める。



 

 反応出来なかった、だと!?



 俺はその事実に驚愕する。



「実力差が分かったろう。大人しく奴隷に成り下がるなら傷付けない。まぁ、その後は知らんがな」



 そう言って人攫いは嫌味な笑みを見せる。悔しい! 後、誰が奴隷に成り下がるか!


 俺が人攫いを睨み付けると、


「へっ、いくら優秀なやつでもガキは勝てないって事よ。」



《近距離だと一瞬で勝負がきまってしまいます。遠距離へ離れる事を推奨します。また、仮称黒髪男は岩魔法の使い手です。》



 俺は【賢者】のアドバイスに従い、少し距離を取る。 そして、【肉体増強】と【身体強化】を掛け合わせ、臨戦態勢を取る。



 辺りがシーンとし、狭い路地は緊張感が高まる。 


 嵐の前の静けさだった。



 次の瞬間、金髪の剣が目の前に現れる。


 早い。だが、まだ対応出来る。


 辺りに剣と剣がぶつかり合う甲高い音が鳴り響く。


 そこからは一方的だった。金髪は剣の技術で俺を圧倒していた。それに俺は【近接戦闘Lv3】を駆使して何とか食らいつく。


 その様子は、大人が子供の剣の稽古に付き合ってやっているようなものだった。


「へっ、ざまぁねぇな。こっちは準備がは終わったぜ!」


「うわっ!」


 急に岩の砲弾が飛んできた。急いで避けるが、そこには金髪の剣があった。



「【魔動】っっ!」



 俺は魔動を使ってギリギリ避ける。 



 ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン



 岩の砲弾が大量に飛んでくる。大量の岩の砲弾は、狭い路地を覆い尽くす。


 数が多すぎて、まるで壁が迫ってきてるみたいだ。



 岩の砲弾はどんどんと迫ってくる。



 避けきれない!!だが、俺には【魔導書】がある。



【魔導書】とは超簡単に言えば見た魔法を使えるようになると言うスキルだ。

 


 しかし、ヤバいな。押されすぎてる。このままでは負けそうだ。負けるつもりは無いがな。



 黒髪の使っている魔法は【岩魔法】岩砲弾 と言うらしい。



「【魔導書】起動!【岩魔法】岩砲弾!」




 目の前の岩砲弾の壁は消え去る。 



「ほう。これで終わりのつもりだったが流石は特待生って所か?仕方ねぇ少し価値は落ちるかもしれねぇが、ちょっくら本気出すか。」


 金髪はそう言うと剣をしっかりと構えた。



 ボウッ



 金髪の剣がそんな音を出す。剣は炎を纏いパチパチと楽しげな音を出し始めた。




《警告。マスターの剣では3回ほど打ち合っただけで壊れるでしょう。》



 ヤバいな。どうにか対応出来る方法は無いか?戦いの最中に剣を失うのは不味いし、この剣はこのゴーレムが最初から持っていた思い入れの深い物だ。



 そこで俺は1つ思い付いた。しかし、これは諸刃の剣だ。失敗する可能性も大きいと思う。



 だが、これしか手は無い。



「【憑依】」



 俺は今、ご主人様の姿をしたゴーレムと同化している様な状態だ。そして、同化した状態で剣にも【憑依】を試みた。



《成功です。また、剣にも【肉体増強】、【身体強化】の効果が及んだ事が確認されました。効率化を試みた結果、スキル【武器強化】を習得しました》



 よし!ついでに呼んでいたゴーレムを黒髪男に向かわせる。これでしばらくは金髪に集中出来る。



 一応、後方の敵の警戒の為に、1体残しておく。



「残念だったな? 本気出した俺はまだ誰にも負けてねぇんだよ。まぁ、俺に本気出させた相手だ。名乗ら無きゃ失礼ってもんだ。名乗ろう、俺の名前はフッドだ。では、勝負を着けるとするか【ブースト】」




 そこで、フッドの動きが2倍以上になる。 少し前に追いつけるのがやっとだったのだ。


 



 均衡が崩壊する.........











_____________________________________________


「あ、やっと見つけ.........え?」



 レア達はやっと見つけたライリーの姿に驚愕する。




 大きな切り傷を作り、倒れていたのだ.........


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