第14話 神とは
ライリー視点に戻ります!!
今日の授業は座学だった。この世界についての話だ。
この世界は1柱の〝絶対神〟が創り出した世界だ。 そして、その 〝絶対神〟をトップとしそれぞれの権能を持った神がいる。
〝破壊神〟〝冥神〟その二柱は始まりの大神と言い〝絶対神〟に次ぐ力を持つこの世で最強の力を持っているらしい。
〝破壊神〟は破壊の力を、〝冥神〟は死の力を持っていると言われている。
そして、その神々に対抗する神がいる。
〝魔神〟
そう呼ばれる神は〝絶対神〟によって誕生させられた神ではない。人々の怒り、憎悪、嫉妬、嫌悪そんな負の感情から誕生したのが〝魔神〟だ。
〝魔神〟は、理から外れた者と言われ絶対神にも対抗出来る力を持っていた。勿論、それを絶対神などの神々が見逃す筈なく、古代の勇者と共に〝魔神〟は封印されたそうだ。
しかし〝魔神〟の影響で誕生した者達がいた。 魔王、そして魔物だ。魔王は国を治める者、放浪する者など様々だが決まって強い。
現在魔王は9柱いる。〝爆炎の魔王〟〝疾風の魔王〟〝鋼の魔王〟〝冷徹の魔王〟〝暗黒の魔王〟〝破滅の魔王〟〝刻の魔王〟〝龍の魔王〟で災厄の8柱と呼ばれている。
それを束ねるのが〝最恐の魔王〟だ。この魔王は絶対不可侵の1柱と呼ばれているそうだ。
これらの情報は勇者から伝えられ、今日この日まで残っているらしい。
「先生、付喪神ってどんな神なんですか?」
俺は手をピーンと伸ばし、そうシャルルに質問した。
シャルルが質問がある時はこうしろって言ってた。
なんか、スケールのデカイお話をされたが俺が気になるのはこれだ。
正直、普通に生きてたらあまり関係ない気がする。それを言ったらシャルルに殺されそうだが。
「よくそんな神知ってるね。まぁある意味では有名な神だからね。付喪神と言うのは精霊と妖怪の中間のような存在で、神って呼ばれてるけど実際は少し物を丈夫にする位の雑魚精霊だよ」
「先生、そんな事無いですよ! 付喪神は強くて、優しくて、クールでイケメンな神様です!」
俺は席を立ち上がり、抗議する。「神じゃ無いよ」と言われるのは想定内だったが、まさかその格下の精霊の中でも雑魚と言われては納得がいかない。
「そうなの! 付喪神は強くて、優しいくて、少し抜けてて、可愛い神様なの!」
澄まし顔で俺とレアが言う。
あれ? 俺の言った後半部分が改変されてる気がするのだが? まぁ褒めてくれたと思えばいいか。
「そうよ。付喪神は強くて、非常識な神様よ」
あれっ? ケイリーさーん? 強いって言ってくれるのは有難いけど、後半どうしたのかなー?
「......そ。付喪神は非常識」
あっ、もう後半とかじゃなくてフルで罵倒されたんだけど。デフォルトの無表情で、久しぶりに聞いた声が罵倒って俺悲しいんだけど?
しっかし、非常識、非常識って人の事をなんだと思ってるんだ? いや、実際人じゃないんだけどね。
「付喪神はそんな大それた存在じゃないよ。ある意味有名と言ったがね、なぜ有名かと言うと良く『神か? 神じゃないか?』って言う議論がされるんだよ」
「先生はどう思ってるんですか?」
「私は神じゃないと思ってるよ。なにせ動くことも出来ない、付いた物の強度を少し上げることが出来るだけの神だからね」
「先生、付喪神は絶対に動けないんですか?」
「たまーに、動く様な特異個体も居ると歴史書には乗ってるがまぁ、そんなのは誤差の範囲だよ」
シャルルは、そう言いながら首を横に振った。
俺って誤差なのか。と言うか話してて思ったんだが同じ付喪神に会ってみたいな。
【賢者】付喪神って王都に居るか?
《はい。居ます》
ふーん。いいこと思いついちゃった。
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俺は一人、裏路地へと向かった。 物静かで大通りとは違う世界のようだ。
コツン、コツン
静かだからか音が響く。人の気配がある、裏路地で人の気配があったらろくなことが無い気がする。さっさと目的を達成するか。
俺がわざわざ一人で裏路地に居るのには理由がある。【天啓】が付喪神が多く存在する場所として教えてもらった場所が裏路地だったのだ。
裏路地は人攫いや盗賊などの犯罪者の巣なので、俺はレア達を置いて一人でやってきた。
ん? 人の気配が多くなったな?
あ、これ多分、人攫いだ。
まぁ裏路地に若い女が歩いてたらそれは襲われるか。俺でも格好の餌食と思うし。
《正面の近い位置に二人、後方の遠い位置に四人居ます》
ここは一本道だから、挟まれた感じか。「相手の作戦としては前方で脅して逃げた所にもまた居ました!」みたいな感じか?
女だからって侮ってると痛い目にあうって事、体で教えてやろうか。
生憎、中身は男なんだよ。
まぁ、数的不利は少ない方がいい。ご主人様の家に眠らせたままほぼ放置していた俺の配下を呼び出そう。
「【ゴーレムマスター】ゴーレム召喚」
こいつらは俺の加護を受けているかなりの強さのゴーレムだ。そこらへんの人攫い如きに負けないだろう。
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ほぼ同時刻、賑わうカフェテリアにて.........
「あー大変なの! ライリーさまが抜け出したの!」
「王都存続の危機ねぇ?」
「......王都を守る」
と言う感じでライリー捜索隊が結成されたのであった。
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