第11話魔法の訓練
俺達はリーカスに会いに行った。
そう。空間魔法を教えてもらうためだ。そして、来るように言われたのは冒険者ギルドだ。
「来たか。まずは移動するぞ」
そう言って、リーカスは手を差し出してきた。
俺は、リーカスの手を握りレア達はリーカスのローブをギュッと握った。
リーカスは俺達がしっかりと掴んだのを確認し、ぼそっと呟いた。
「【空間魔法】転移」
俺がその言葉を耳にする時には、既に転移させられた。
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俺達に暖かい風が包み込み、雲一つない晴天が広がっている。そして足元には柔らかな芝生が広がっている。まさに、自然そのもののような場所だ。
いやー、太陽が気持ちいいなあ!
たださ、俺は1つ思ったことがあるんだ。
「なあ、リーカス。どうしてここで訓練をするんだ? 王都じゃダメだったのか?」
そう、それが疑問だ。レア達もそう思っているようで、首を傾げている。
「ここは豪魔地帯と言ってな、漂っている魔素が多いんだ。それでな、君達にはまずは魔力を感じでもらうよ」
へー、取り敢えずどっかの誰かと違って優しく教えてくれそうで良かった。
「じゃあ目を瞑って、そこから外に向けて意識を向けてごらん」
俺はリーカスの行った通りにする。何かが漂っている......?
《魔素の存在を確認。スキル【魔力感知】を習得》
えっ!? もう習得できたのか?
しかし、俺の驚きは目の前の光景でまざまざと否定された。説明は難しいが、第3の目が開眼したような感じで、目を瞑っていても【魔力感知】を使えば見えてくる。
「で、できた......」
「は!? もう出来たのか? 本当、君の才能には嫉妬しそうだよ。君達にはさも当然の様に言ったけどこれってかなり難しい事だからね?」
「レアも出来たのー! いっぱいみえるのー!」
「あ、私もできたわぁ......凄いわねぇこれ」
「......出来た。 すごい!」
「......え? 皆できたのか!? これって10000人に1人できるか位の確率だぞ? みんな出来るなんて......」
うーん? 結構簡単に出来たけどな? と言うかリーカスは優しいとか思っていたが、鬼みたいなことやらせてたんだな。
「まあいい。次はその漂っている魔素を動かしてみろ」
うーん? こうなか? あ、何か動いた!
《魔素の操作を確認。 スキル【魔力操作】を習得。》
これも結構簡単に出来たな。レア達も苦労せず出来たようだ。
「君達には本当に驚かされるね。ちなみに魔力操作が出来るようになると詠唱破棄までは至らなくても訓練すれば詠唱短縮ぐらいはできるよ」
へー、そうなのか。魔法か、夢が広がるな。
「次は実際に魔法を使う。まずは君たちの魔力性質を教えてもらってもいいかな?」
「聖と魔だ」
「聖と魔なの!」
「生よ!」
「......死」
「......は? ちょっと待ってくれ! なんでそんなにレアな魔力性質がそろってるんだ!?」
「呼んだの?」
レアは呼ばれたのかと勘違いしたようだ。可愛いなぁ。
「呼んでない。ライリーが非常識な事は知っていたがそこまでとは思わなかったな」
全く失礼な! こんなクールで真面目で常識人なのに!
あれ? レア達も頷いている。ん? なんでだろうな?
「四人がおかしいのは分かった。ちなみにお前らの魔力性質だったら基本的にできない事はない。その位上位の魔力性質だ」
それから俺は魔法について教えてもらった。魔法とはイメージが重要だそうだ。それを固定するのが呪文らしい。
つまり、イメージがしっかりしていれば何でもできるという事だ。
《魔法の知識を確認。魔法の知識を元にスキルの統廃合を開始。【念動】【魔力感知】【魔力操作】が消失。 そして、スキル【魔法書】【魔動】身体スキル【魔眼】を獲得》
急に俺の体は軽くなる。そして、更に世界が広がる。
こんなにも簡単にスキルが手に入って良いのだろうか?
《【天啓】を元に【魔法書】を吸収統合。【天啓】は【賢者】に進化しました。また、【賢者】と【魔眼】を同期。【魔眼】のデータを元に身体スキル【神眼】を獲得しました》
賢者‥あらゆる森羅万象を暴き、知識を得ることができる。 また、スキルと同期する事でその、能力をより効率化する事ができる。
魔眼‥魔神や悪魔に悪霊など、魔に属する者が獲得出来る目。相手の魔力、弱点などを見破ることが出来る。
神眼‥神や天使に精霊など、神に属するものが獲得出来る目。相手の種族や情報、持っているスキルなどを見破ることができる。
「ライリー? 目の色が急に紫とゴールドに変わったけど大丈夫か?」
リーカスは俺を心配してくれた。恐らく【魔眼】と【神眼】を手に入れたからだろう。
「多分【魔眼】と【神眼】を手に入れたからだ。」
「......は!?」
そこでリーカスはぶっ倒れた。
今回のお話はどっかの誰かさんのせいでリーカスがおかしかったですね。
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