エピローグ
はじめまして!
作者の秋 悠理と申します。
初投稿作品になります。是非是非読んで頂けると嬉しいです。
よろしくお願い致します!
脳内に少女の顔が浮かんだ。
少年にとってはかけがえのない大切な存在であり、どんな手段を使ったとしても守りたいと願う少女だ。
少年にとっての最優先事項がこれからも変わることは無いだろう。
例え、何を失うことになったとしても。
「逃げろ!!」
とある町に人々の絶叫が響く。
それは何か、自分の生命を脅かされるような存在から必死に離れようとするような声音だ。
そんな中、逃げ惑う男性が1人の少年にぶつかった。
「お、おい!お前何突っ立ってんだ!邪魔だ馬鹿野郎!」
罵倒された少年は男性には目もくれず逃げ惑う人達とは逆の方向を見据えていた。生命を脅かしている脅威がいる場所を。
そして、少年は一息に跳んだーーー。
「ーーーっ!何だあいつ!?」
この場から瞬間移動でもしたのではないかと思う程に一瞬で遥か前方まで跳躍した少年に驚く。先程までの怒りが驚きに変わり、その場で思考を奪われるも、人々の逃げ惑う流れに押されそれに従うように少年から離れていく。
「姫愛!大丈夫か?」
「大丈夫だよー、ちょっとだけ擦りむいただけー」
と言いつつ少年に飛びつく少女。
少年こと天神碧は少女こと夜海姫愛の患部をチラッと見やると、突然雰囲気を変えた。
姫愛がそれに気付いた様子は無く、辺りには張り詰めた空気が漂いはじめる。
「さあてと・・・元凶とやりやがった張本人はあそこか・・・」
ぼそっ呟くと、姫愛を優しく引き剥がしその場を後にする碧。
その姿を姫愛はいつも通りに見送った。
それはいつもと違う空気を感じていた。
楽しく人を傷つけることをモットーとしている彼にとっては異常なことだ。
長く伸びた黒髪から見える額には冷や汗が流れ、目線も泳ぎまくっている。
体は硬直したように微動だにしていない。
その原因は、彼のすぐ目の前にあった。いや、正確には物凄い殺気を放ちながら1人の少年が目の前に居た。
(おいおいおいおいおい!人間からこんなレベルの殺気感じたことないぞ!??!こいつなんなんだよ!!!???)
実際の音として言葉が出せないが、心の中では焦りの言葉が飛び交いまくっている。
「よお・・・俺の連れが世話になったようだな。じゃあ、ま、死んどくか?」
言葉だけでも誰かを滅ぼすことができそうな声音と迫力だ。
「お、俺は、俺は殺人鬼、バリーザチョーーー」
瞬間、バリーと名乗った男の顔が胴体から離れ空を飛んでいた。
最後まで聴くことのできなかった言葉は空気に溶け、血飛沫の音が辺りに響いた。
「名前なんざ聞きたくもないんだよ。お前は姫愛を傷つけた。それだけで死ぬに値してんだよ馬鹿が」
静かな殺気がこもった言葉を呟いた碧は、手にしていた刀をぞんざいに放る。
空中に放り出された刀は、やがて光の粒子となって消えた。
先程の呆気ない幕切れだった戦闘を1人の青年が見ていた。
ハット帽をかぶり、怪しげな雰囲気をかもしだしている細身の青年は、ニヤリと笑むとその場を後にしようとくるりと身を翻した。
「浄化の力は確かに存在したようですねぇ。後は・・・」
一つの悪意が渦巻き、それはやがて大きなうねりとなって碧達を襲うことになる。
それはまだまだ先の話だが・・・。
最後まで読んで頂きましてありがとうございます!
言いたいこと、思うこと、色々ありますでしょう・・・しかし、それは胸に閉まっておいてください笑笑
冗談です笑何かご指摘ございましたら遠慮なくご意見頂けると嬉しいです。
まだまだ力不足ですが、読んでくださる方を楽しませられるような作品を作っていけるよう精進していきます。
ありがとうございます!