再開
ー「夢香のことは、俺が守るから。絶対守ってみせるから。ずっと一緒だよ。」ー
これは私の思い出。枝垂れ桜の下で交わした、ある男の子との約束。でも、それが誰だったのか、どこなのか、いつのことなのかは覚えていない。ただ一つ覚えているのは、私はその男の子に恋をしていたということだけ。
キーンコーンカーンコーン♪
ユウト「おっす!朔、新しいクラスどう?」
サク「おう。それが最悪なんだよ。」
「え?まじ?なんで?」
「またお前と同じクラスなんだよ。」
「え?!朔も6組なの?!それって最高じゃん!!!」
佐々岡第一高校では、昨日始業式と入学式が終わり、今朝新しいクラスが発表された。
サク「なあ、この名簿おかしくないか?名前あるの41人なのになんでクラス人数が42人なんだ?」
ユウト「んー。転校生でも来るのかな。女子かな?可愛いかな??」
「俺、来るなら男子がいい。」
「そんなつまらないこと言うなよ。(笑)」
センセイ「はい、席について!」
新担任の吉岡みのり先生の明るい声が教室に響き渡った。
センセイ「じゃあ、これから一年このクラスでやっていくわけですが、最初にみんなに新しい仲間を紹介したいと思います。里仲さん、お願いします。」
ユメカ「アメリカから来ました。里仲夢香です。よろしくお願いします。」
サク ユウト「「 夢香ー?!?!」」
朔と悠人の声が重なった。
センセイ「あら、本村くん片瀬くん、里仲さんと知り合いなの?」
ユメカ「はい。日本にいた頃の幼なじみです。」
「それなら安心ね。里仲さんには本村くんと片瀬くんの間の席に座ってもらいましょう。」
ユウト「おい朔、どうなってんだよ。」
サク「俺もわけわかんねーよ。」
その子は、朔と悠人が6年間待ち続けていた大切な幼なじみだった。
それは突然の再開だった。