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天上天下・美猴王伝説!  作者: 河童王子
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猿体実験再び?盾となり剣となれ!

美猿王を救ったのは、死んだはずの六耳だった?


しかも、その姿は立派に成長していた。


何故?本当に六耳なのか?



俺様は美猴王…


俺様のピンチに助けてくれたのは?


死んだはずの六耳の成長した姿だった??


でも、何故???


それは遡る事、金剛魔王との戦いに出向く時の話だ。


俺様の前に水猿、岩猿、気火猿が願い出たのだ?


水廉洞闘賊団を脱退したいと!?



美猴王「まさかお前達がな…俺様は止めたりはしねぇよ?理由はやっぱり?」


岩猿「はい。六耳が目の前で殺されて、何も出来なかった事が悔しくて…」


美猴王「だったら!」


水猿「だったら敵討ちをしろと言いたいのですキャ?それは無理です」


気火猿「正直、俺ッチ達はもう付いていけないキャ!美猴王兄貴に付いて行けば楽しいかな?くらいで来てみれば、戦争!戦争!戦争!戦争ばかりじゃないですきゃ?」


水猿「このままじゃ…六耳みたいに俺達も死んじまぅ…次に生き残っても、その次に生き残る可能性なんてないキャ!」



解っていてくれてると思っていた…


今まで、実際、一番長い付き合いだった三猿と六耳…


だけど、無理に戦場に立たせて、六耳みたいに戦死しろなんて俺様には言えない…


それこそ我が儘を越した非情な行為



岩猿「俺達、六耳の遺体を花果山に埋めてやりたいんだきゃ…それが兄弟として出来る唯一の…唯一の…」



泣き出す三猿達にかけてやる言葉が見つからなかった。


末っ子の六耳を三猿達は可愛がっていたのだ。


次の日、三猿達は六耳の遺体を運び、水廉洞闘賊団を抜けた。



まさか、それが三猿達との永遠の別れになるなんて…



それから三猿達は俺様と別れた後、花果山に戻ったのだ。


六耳の遺体を埋めるために…恐らく、綺麗な花が咲く大木があったよな?


そこに埋めるのだろうか?


だが、三猿達はそこには行かなかった。



三猿達は六耳の遺体を運んだ場所は?




かつて俺様が行った例の地下室!


俺様が行った…


あの猿体実験の実験室だったのだ!


六耳の遺体をベッドの上に寝かせると、三猿達はお互いの顔を見合う。



岩猿「本当に良いんだな?」


水猿「皆まで言うなっキャ!」


気火猿「美猴王兄貴には酷い事を言ってしまったのが唯一の心残りだきゃ…」



三猿達は無言になった。



水猿「けど…嘘は言ってはいない。俺達があのまま戦っていても無駄死にするだけキャ…美猴王様の手助けにならない…それより…」


岩猿「そうだキャ…六耳は驚くほど実力が上がった!頑張り屋さんだったからなぁ…六耳の奴は!」



三猿達は互いに笑みを見せ合うと、頷き決意を固め合った。


三猿達は死んだ六耳に掌を向けると、念を送る。


すると三猿達の身体から何かが抜け出して来たのだ。


それは?


かつて俺様は三猿達と六耳に猿体実験を施した。


それは俺様の魂を分身に分けて、妖気を持った猿達の魂と同化させたのだ。


一匹目、失敗!


だが、残りの四匹には上手く魂が定着し、成功したのだ!それが三猿と六耳だった。三猿と六耳は妖気を持った特別な力を持つ。


俺様と同じく岩を操る岩猿に、水を操る水猿、因みに悲しくも死んだ一匹目の猿の魂は別の双子だった猿に移したため風と火の力を操る事が出来るようになった気火猿。そして後に雷を操るようになる六耳だ!


だが、三猿達は再び六耳の身体を使い猿体実験をしている?


それは自らの魂に宿る俺様が分け与えた魂を六耳に送り込む荒業であった。



岩猿「六耳…お前を再び甦らせる!そして…」



もし失敗すれば三猿達は力を失い、ただの猿になってしまう。


いや?無駄死にする可能性も有るのだ!


三猿達の魂が六耳に入って行く!


六耳の身体が光輝き、波打つように小刻みに震え出す?すると腕や足が伸び出したのだ!



水猿「六耳?兄ちゃん達はお前のためなら、この命は惜しくないキャ?」


気火猿「お前は強くなる!だって、お前は一人じゃないんだ…これからは一緒だキャ!」


岩猿「六耳!生きろ!お前は生きて、お前が慕う美猴王様の盾となり剣になるんだ!」



その時、六耳に雷が走る!それは次第に発光から閃光へと変わった時、静かに六耳の身体が起き上がる?


その姿からは幼さは消えて成長した姿へと変貌していた。


「俺ッチ…」


すると、目の前には猿となった三猿が力尽きて死んでいたのだ!



「有り難う…兄さん達…けど、俺ッチは泣かないよ?兄さん達は俺ッチの中にいるの解るッチ…だから、だから一緒に戦おう!俺ッチは必ず美猴王様の剣と盾になるッチー!!」



六耳…否!


名を改め、六耳彌王!


六耳彌王は気を籠めると足元に気流が発生し、宙に浮かぶ。これは黄風魔王の飛行術だった。



六耳彌王「気火猿兄さんの風の力、使うよ!」



すると六耳彌王は遥か離れた俺達のいる戦場へと飛び立ったのだ。




それが経緯…


三猿達は自らを犠牲にして、六耳を蘇らせたのか・・・


お前達は何て、馬鹿な愛情深い猿達なんだよ!


俺様の目に涙が一滴落ちる。


そこに、



六耳彌王「美猴王様!俺ッチが片方を始末します!」


美猴王「頼むぜ?兄弟!」



直後、俺様と六耳彌王は妖恐ティラノに突っ込んで行く!


ティラノは突然現れた六耳彌王に対して、



ティラノ「ガハハハ!虫けらが何匹増えようが同じ事だ!捕らえて食らってやるぞ!」


ティラノの恐剣ギザギザが俺様と六耳彌王を横一閃に斬り裂いた時、煙の如く消える。分身?


ティラノ「何処に消えた!?」


ティラノは見上げると上空から六耳彌王が降りて来る。


その右手には炎の塊、左手には雷の塊を持って!



『動武通炎雷浄射!』


※ドウブツエンライジョウシャ


六耳彌王は雷と炎の塊を融合させると、強力な破壊波となってティラノに放たれたのだ!身体中が焼けるように蒸発する中、ティラノは恐気を高めて自らにまとわりつく炎を消し去る。


ティラノ「うぐぅ…このぉ」


ティラノが落下して来る六耳彌王に顔を振り上げた時、突如、地面が盛り上がって、拳に妖気を籠めた俺様が飛び出して来たのだ!


ティラノの顔面を挟むように上空から六耳彌王が脳天を!地面から俺様に顎を殴られたのだ!


ティラノ「アギャアアア!」


流石のティラノも顔を押さえて崩れるように倒れる。更に恐竜と化したスピノが俺様達二人に襲い掛かって来た時、俺様と六耳彌王は身を回転させてスピノの顔面を蹴り上げた!


コンビネーション!


これ程の俺様とのコンビネーションが出来るなんて、六耳彌王の奴はマジに成長したな?


しかも炎に雷、恐らく風と水、岩石術も使えるんだろうな?これも三猿から受け継いだ力なのか?


「…………」


あれ?もしかしたら六耳彌王の奴…俺様より強くなってないかい?


それは…


困る!!



六耳彌王を横目に嫉妬する俺様だった。


が、まだ油断は出来ねぇよな?スピノとティラノが再び立ち上がって来る。しかも怒りで狂い、その力は限界を超えたのだ??



スピノ『ギィイイイ!』

ティラノ『ギュアアア!』


二体の身体から恐竜のオーラが出現し、再び吸収されると、その姿が変化していたのだ!!


恐竜の鎧を纏った人身の姿へと?


その姿は、まさか獣神変化だと言うのか?


恐竜だから恐竜神変化なのか?


そんな馬鹿な!?


それでなくても馬鹿げた力を持った化け物だってのに、何処まで俺様達の真似が好きなんだよ?



だが、この状況下でも俺様の隣にいる六耳彌王の存在が心強く頼もしく思える。


美猴王「六耳彌王!」


六耳彌王「何ですか?美猴王様?」


美猴王「様はいらねぇよ?」


六耳彌王「?」


美猴王「今よりお前は俺様と義兄弟だ!だから、この戦いに勝った後で、改めて義兄弟の盃を交わそうぜ?」


六耳彌王「!!」



六耳彌王は感激した顔で俺様を見ていた。



美猴王「そんでよ?俺様の考えてる事が解るか?」


六耳彌王「解ります!美猴王兄貴の事は…もう、何だって解りますッチ!」



俺様と六耳彌王は印を結び妖気を高める…



『獣神変化唯我独尊!』



すると背後に金色の大猿のオーラが現れて、再び俺様と六耳彌王の体内へと吸収されていく…その瞬間、一帯に閃光が放たれたのだ!


そして、そこには金色の猿の鎧を纏った俺様と六耳彌王が揃い立っていた。



美猴王「本当の戦いはこれからだぁー!」

次回予告


成長した六耳彌王と美猴王の大反撃が始まる!


最強猿コンビの誕生だ!!

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