妖恐再戦?今度は負けない!
妖恐の襲撃に混乱する中、
美猴王達が応戦する!
俺様は美猴王!
熔岩魔王・祝融と牛角魔王との一騎討ちの最中、あの六体の妖恐が襲来した。
空中ではプテラと鵬魔王が戦っていた。そして俺様と砂塵魔王には妖恐のティラノとスピノが襲い掛かる。
奴らは遊んでいるつもりか?大ボスのギガノは戦いもせずに見ているだけだった。まぁ、その方が都合良いと言えば良いのだけどな?正直、三体の妖恐を二人で戦うのは無理に等しかった。
絶対的な残虐、暴力!破壊力!笑えない強さなのだ!
しかも解る…
こいつ達、最初に会った時よりも遥かに強くなってやがるぜ!
ティラノ「目覚めた時は身体が鈍っていたからな?今はこの身体にも慣れて軽く感じるぜ!」
美猴王「何だと?」
スピノ「しかもお前達下等種の戦い方を学習して、色々と面白い事が出来るようになったんだぜ?」
砂塵魔王「へっ?」
ティラノとスピノの身体から恐気が高まっていく。すると二人の手に恐気で出来た不器が出現したのだ。
剣?ギザギザの棘のある不器?斬ると言うより、削るのが目的のような不器だった。
ティラノ「恐刀・ギザギザだ!」
まんまじゃねぇーか!
美猴王「くっそ!如意棒!」
俺様は如意棒を抜くと回転させ、構える。
ティラノの恐刀ギザギザの一撃を如意棒で受け止める。
くぅ~痺れるぜ…
対し、スピノと戦っている砂塵魔王は有利に進んでいた。スピノが恐刀ギザギザで殴り付けるも、砂塵魔王の身体は砂化して崩れるも、直ぐに再生する。
砂塵魔王「ただの物理攻撃で俺をどうこう出来ると思うな?」
が、
砂塵魔王「あれ?」
砂塵魔王のが膝を付いて息を切らし始める。
スピノ「どうしたい?もう息切れか?だらしないな?だったら今すぐに楽にしてやるよ?」
スピノの振り払った恐刀ギザギザが砂塵魔王の顔面を砕くと、再び元に戻る……が、
砂塵魔王「まさか…妖気が吸いとられているのか?しかも急激に吸い出されている?再生が間に合わないレベルに?ヤバい…ぞ?」
俺様も気付いた。
如意棒から妖気を奪われているみたいだ…
力だけでなく、こんな不器まで持ち出すなんて!
反則だぁー!
だが、負けてたまるか!
そして戦場が変わる。
ここは中央の地。
そこでは妖恐に襲われて戻った亜騎馬魔王と砲丸魔王が蛟魔王に戦況を伝えていた。まさかの妖恐の襲来に前方に進行部隊は全滅。現在は豪快魔王[魔吽天]が一人で戦っているのだ。
蛟魔王「そうか…そいつ達が噂の妖恐か?」
砲丸魔王「俺達を助けるために豪快魔王の奴が一人で戦っているんだ!救援を急いでくれ!」
蛟魔王「しかしな?それほどの相手に無駄に救援を送っても全滅しかねんぞ?」
亜騎馬魔王「なら、見捨てると言うのか?」
蛟魔王「そうは言わんよ?少し前から私の結界を力任せに破り、入って来た連中がいたようでな?既に手を打っている」
砲丸魔王「しかし…」
蛟魔王「安心しろ?任せられる頼もしい連中だ!」
亜騎馬魔王「?」
場所は再び戦場…
そこでは亜騎馬魔王と砲丸魔王を逃がした豪快魔王・魔吽天が一人、妖恐アンキロと戦っていた。
戦っていた…
が、既に魔吽天は身体中を打ちのめされていた。
血だらけの魔吽天は、
魔吽天「時間稼ぎは出来たようだ…もう少し役に立ちたかったが…これまでのようだな…」
魔吽天はアンキロの降り下ろした拳の衝撃で地面に埋もれた。もう立ち上がる事も出来ない。頑丈が売りのゴリラ一族であったが全身の骨が砕けていたのだ。
アンキロ「思っていたより時間がかかってしまったな?だが、これで終わりだ!」
アンキロが魔吽天の頭蓋骨を砕こうと再び拳を振り上げる。
魔吽天「さらば…」
が、アンキロの身体が宙に浮いたかと思うと、突然何者かによって地面に投げつけられたのだ?
アンキロ「ぐぇおおお!何者だぁああ!」
怒り狂いながら立ち上がるアンキロの目の前には?
「ふ、再戦、」
「まさか身近に同じ一族がいたとはな?でも、間に合ったようだ」
それは蛟魔王の打った手である剛力魔王と怪力魔王だった。
剛力魔王「私、やる!手、出さない?良いな?」
怪力魔王「解った。任せる姉者!」
剛力魔王は単身でアンキロに向かって行く。怪力魔王は豪快魔王が幼少時に村を出ていた魔吽天だと知り、驚く。
怪力魔王「生きていたのか?兄者!まさか身近にいたなんて…」
魔吽天「…俺を助けに来たのか?」
怪力魔王「あぁ!」
魔吽天は剛力魔王と怪力魔王の兄だったのだ。
魔吽天「そんな事より二人がかりで戦え!若しくは逃げろ!あの化け物は尋常じゃない!」
怪力魔王「それは無理だ?魔吽天兄者。姉者は強情だ!」
魔吽天「死ぬ気か?」
怪力魔王「死ぬ?知っているだろ?俺達は一族に二度の負けはない!」
魔吽天「!!」
魔吽天の心配を無視した剛力魔王がアンキロに近付いて行く。
アンキロ「ん?何者かと思えばいつぞやの虫けらか?まぁ良い…お前も直ぐに始末してやるからな?」
アンキロが両手を振り上げると更に恐気が高まって行く!
と、そこに?
剛力魔王「無防備!」
剛力魔王がアンキロの身体に拳を放ったのだ!轟音が響く。
アンキロ「フフ…痛くも痒くもないぞ?」
剛力魔王「我慢、良くない?」
するとアンキロの身体に傷が付き、血が噴き出したのだ?
アンキロ「うぎゃあああ!」
どうやら頑丈な身体のせいで、痛みが頭に伝わるのが遅いみたいだ?
アンキロは仰け反り、後退する。
そして再び恐気を高めると、傷が塞がっていく。
アンキロ「よくも俺の身体に傷を付けたな?許せねぇ…ぶち殺してやるぞぉおおお!」
怒りが爆発し更に力が上がっていくアンキロ。こいつ達に限界はないのか?
だが、剛力魔王は怯みもせずに言った。
剛力魔王「私、一度、苦汁、味わった。もう負ける、許さない!だから…」
剛力魔王の皮膚が黒く変色していく!更に印を結んだのだ。それは以前の戦いで見せた獣王変化ではなく?
『獣神変化唯我独尊!』
剛力魔王の背後に黒い獣・ゴリラのオーラが出現し胸を叩き、再び剛力魔王の中へと吸収されていくと、凄まじい力が解放されたのだ!
その姿、黒いゴリラの鎧を纏った女戦士!獣神変化した剛力魔王が拳を向けていた。
アンキロ「!!」
その変化にアンキロの方が怯む。
剛力魔王「私、お前、負けた後、悔し、涙し、怒りが、自分自身に、感じた!その後、死に物狂い、なった!」
剛力魔王が突っ込むと、アンキロに向かって拳の連打を繰り出す。
アンキロ「ウゴッ!ウゴッ!ウゴッ!ウゴッ!ウゴッ!」
かつて、拳で殴れば逆に砕けていたが、今度はアンキロの身体にヒビが入っていく。
そして、下顎に蹴りを食らわし着地する。
アンキロの巨体が宙に浮き、轟音を立てて落下した。
それを見ていた魔吽天は、
魔吽天「あれが剛力か?あれほど力を付けたのか?信じられん…」
怪力魔王「いや?姉者の本気はあんなもんじゃないぜ?」
魔吽天「………」
驚く魔吽天。
アンキロ「許せん!許せん!許せん!下等種の分際で!許せんぞぉおお!」
が、怒るアンキロを無視するかのように剛力魔王は背中を向けたのだ?
アンキロ「虫けらぁああ!逃がしはしなぁああぃいい!」
剛力魔王「逃げる?違う、飽きた、だけ、交代」
アンキロ「なぁ???」
すると剛力魔王は怪力魔王と手を叩き合って交代した。
アンキロ「舐めているのか?」
怪力魔王「そう言うな?俺もお前には返したい借りがあるんでな?」
アンキロ「邪魔だぁあ!」
アンキロが怪力魔王を退かそうと殴り付ける!
アンキロ「!?」
が、アンキロの払った腕は怪力魔王に受け止められ、しかも全く動かない?
怪力魔王「お前こそ逃げるなよ?」
そして怪力魔王も同じく唱えたのである。
『獣神変化唯我独尊!』
怪力魔王の姿は剛力魔王と同じく、獣妖怪最高変化である獣神変化したのだ!
怪力魔王「次は俺が相手になるぜ?」
アンキロ「離せ!この虫けらがぁああ!」
怪力魔王「なら、その虫に喰われてみるか?」
怪力魔王の覇気がアンキロを攻撃し、アンキロが更に怒り狂い、そして遂に『恐竜変化』したのだ!
怪力魔王「ようやく本気を出すか?なら俺も本気出させて貰うぞ!!」
剛力魔王と怪力魔王がアンキロを抑えている時、もう一匹の妖恐トリケラは逃げた亜騎馬魔王と砲丸魔王を追って水廉洞闘賊団の本拠地に襲い掛かって来ていたのだ!
トリケラの突進に仲間達が弾き飛ばされ、その突進を止められる者はいなかった。一直線に向かう先には?何者かが逃げもせずに立っていた。
トリケラ「バカな貧弱種め!轢き殺してやる!」
すると、目の前の者はトリケラの突進に両手で角を掴んで止めたのだ!
トリケラ「馬鹿な…」
その者は?
「お前が妖恐って奴か?どうやら竜族に近しいな?それとも先祖か?あはは!噂を聞いてやり合いたいと思っていた所だよ!」
その者!
水廉洞闘賊団を纏める軍師にて、最強の竜神族!
蛟魔王だった!
次回予告
妖恐が本気を見せ始める?
美猴王の危機に、まさかの?




