猿のケジメ!激突!獣王変化と獣王変化!!
美猴王の相手をしていた怪力魔王h、眼力魔王の呪縛により強制的に獣王変化をされたのだ。
俺様は美猴王!
俺様の目の前で怪力魔王の姿が更にでかくなり、体毛が伸びて、身体が黒々としていく。あれは大ゴリラ?
獣王変化…
獣王変化とは獣妖怪の使う禁術奥義。妖気を己の肉体に巡らせ野生の力を解放する変化だ。力を解放させると姿はより獣に近付き、その力は飛躍的にはねあがる。だが…
精神が野生の力に耐えられずに意識を持っていかれると、自我を失い力尽きるまで暴れた挙げ句、死に至るのだ。
そして目の前で獣王変化した怪力魔王は、己の意思ではなく眼力魔王に操られて強制的に変化させられたのだ。
大ゴリラと化した怪力魔王は自我を失い、俺様に向かって襲い掛かる!
美猴王「気をしっかり持て!意識を引き戻すんだ!」
だが、怪力魔王は暴れるように俺様に豪腕をふるう。俺様は躱しながら考えていた。
意識を引き戻せと言ったが、それは簡単な芸当ではないのは身をもって知っている。俺様も独角鬼王が死んだ後に獣王変化して、自我を失ったのだから…
あの後は牛角と蛟魔王が俺様を抑えつけ、何とか元に戻してくれたのだ。
大ゴリラと化した怪力魔王の攻撃に、俺様は躱すのでいっぱいいっぱいだった。一撃でも当たれば俺様の身体はひとたまりもないのだからな!
俺様は躱しながら怪力魔王の顎に蹴りをくらわし、そして拳を石化の術で固めて殴り付ける。次第に摩擦熱で拳が急激に熱せられ、燃え上がったのだ!
『火王石拳!』
強烈な一撃が怪力魔王に炸裂したが、俺様の拳は怪力魔王の厚みある筋肉に弾かれたのだ。そして、その直後、怪力魔王の拳が俺様をとらえ…まともに食らってしまった。
俺様は殴り飛ばされ崖に吹っ飛ばされた。その衝撃で頭上から岩が崩れ落ちて俺様は生き埋めになった。
ぜぇ…ぜぇ…
奴の拳が直撃する寸前にガードした事で、死なずにすんだようだぜ…
なすすべ無しか?
いや?諦めねぇ!
…………。
そうだ…諦めたら…
俺様が俺様を許せない気がしたのだ。
本来、敵のはずの怪力魔王に何故に俺様はここまでするんだ?
それは解っている…
仲間を捨て駒にする眼力魔王は…少し前の俺様と同じなのだ。
仲間を駒としか考えてなかった俺様と!!
だから…
そんな俺様と同じ外道である眼力魔王を許せない…違う!俺様自身が許せないのだ!
罪滅ぼし?
そんな大層な事じゃねぇよ?
ただ…
目の前で犠牲になる連中を見ると、胸が異常に痛むんだ……
せめて目の前で苦しんでいる奴くらい俺様が手を伸ばしても良いよな?
それくらいの我が儘は許してくれよ?
だから、俺様が必ず怪力魔王を救ってやるぜ!
だが、俺様にコイツを黙らせる手段があるのか?
元の状態でもタフな奴が獣王変化なんかしたら、倒すのは勿論、殺さずに黙らせる手段なんて…
あの馬鹿げた力に対抗する力なんて…
あった!
俺様は印を結び妖気を高め初める。俺様が何をするつもりかって?
当たり前だろ?獣王変化には同じ力で対抗するしかねぇ!
そして俺様は仲間達に止められていた禁術の真言を唱えたのだ。
『獣王変化唯我独尊!』
それは先に暴走して自我を失った変化だった。俺様の身体は膨れ上がり体毛が覆い大猿へと変化する!
『ウグググゥ!』
俺様は自我を…
失ってはいなかった。
獣王変化は理性を吹っ飛ばし、野生の力を最大限に引き出す力なのだが、先に蛟魔王からコツを聞いていたのだ。つまり理性を残したまま獣王化[大猿]する方法を!
脳には右脳と左脳があるらしく、理性は左脳を活発にさせれば良いとか悪いとか?つまり今は邪魔な右脳を使わずに左脳を使えば良いのだから…
俺様は変化する寸前に右拳で右頭を殴りつけたのだ。
あわわ~
頭がクラクラする。
が、理性は残ったぜ!
大猿と化した俺様は右拳に渾身の力を籠めて、獣王変化にて理性を失いそうな怪力魔王に向かって駆け出す。 突然の俺様の逆襲に怪力魔王は本能がまま殴りかかって来た。俺様も負けじと拳を放った。お互いの拳が衝突と同時に凄まじい衝撃が襲った…
理性が残っていた俺様の方に僅かに分があった。
意思の力で踏ん張り堪え、もう一度拳に力を籠める。
美猴王「元に戻してやるぜ?怪力魔王!」
そして怪力魔王の頭を殴りつけたのだ。怪力魔王は白目を向き、獣王変化も解けて気絶した。
ふぅ~ギリギリ勝ったようだな?
暫くした後、俺様も獣王化を解き、元の姿に戻って先を急ごうとした。
すると、いまだ立ち上がる事こそ出来ないが、意識を取り戻した怪力魔王が声をかけて来たのだ?
怪力魔王「俺を殺さずに助けたのか?」
美猴王「へぇん!ただの気まぐれだぜ!」
怪力魔王「…なら、気まぐれを返す…先に向かうなら気をつけろ!この先にいる剛力魔王は俺よりも遥かに強いぞっ!」
…剛力魔王?
そいつは眼力魔王に従う五魔王のリーダーであり、怪力魔王と同じゴリラ族であり、その一族最強の王であるのだと!
今、そこには…
蚩尤と牛角魔王が向かっていたのだ。
次回予告
五魔王のリーダーの剛力魔王!
その前には牛角魔王と蚩尤が向かっていた。