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天上天下・美猴王伝説!  作者: 河童王子
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恐怖の猿体実験??


仲間を多数奪われ、弔い合戦に挑む。


美猴王達水簾洞闘賊団は眼力魔王の本隊に殴りこむ!


俺様は美猴王だぁ!


俺様率いる僅か数千の水簾洞闘賊団は、卑劣な策にて戦場を逃亡した眼力魔王を追っていた。


絶対に許せねぇ…


眼力魔王は戦場のあった場所より山一つ越えた地に新たな妖怪城を造り、再び勢力を広めるために君臨していたのだ。


そもそも妖怪城がそんな簡単に建てられのか?


建てられるのだ。


俺様達魔王クラスの格のある大妖怪は特種な種を持つのだ。それは仙城種[センジョウシュ]と呼ばれる種で、その種に自分の妖気を籠めると、その妖力に見合った城へと成長する便利アイテムなのだ。


そこそこレアモノなので、本当に持っている者も数少ないのだがな。

[牛角や蛟は幾つも持っていた]


今のような戦時中には自軍の縄張りとして、とても役に立つのだ。


あ、そんな事はどうでもよい!俺様は今から、その眼力魔王の新たな城へと殴り込むのだからな!



蛟魔王「解ってるな?」


美猴王「あぁ…」


蛟魔王「全てを見透かす眼力魔王相手に策なんか無用だ!ここから先は…」


牛角魔王「力勝負だぞ!」


その通り!


後は勝つ意志の強い方が勝つのだ!


敵軍の戦力はおよそ一万の兵に、眼力魔王に付き従う五魔王達。



こちらは二千の兵。


俺様、牛角魔王、蛟魔王の三魔王の主戦力…


後は奇跡的に回復した牛角の弟の蚩尤の奴が戦力になりそうだが、あいつも捕われ拷問にあっていたはずなのにタフな奴だな?



おっと、説明はここまでだ!


さてと…


俺様達の前には眼力魔王の城塞がそびえ立っていた。



美猴王『お前達ぁ!戦闘開始ダァーッ!』


俺様の合図で


『オォオオオオオー!』


戦いの幕が切って落とされたのだ。



俺様達の進攻を既に知っていた敵軍も向かって来ていた!数で負けている分、そこは俺様達魔王がカバーするまでだ!目指すは眼力魔王の首!


俺様は印を結ぶと身体から百本の毛が飛び散り、その毛が俺様の分身体へと変わっていく。


分身達は敵軍へと突入して暴れ回り、牛角魔王は二本の刀を振り上げ気を集中させると、敵軍に向けて振り下ろしたのだ!


その斬撃は大地を斬り裂きながら向かって来た敵兵達を一網打尽にしていく!


蛟魔王「さてと…」


蛟魔王もまた気を練り上げていた。その気は俺様達の妖気とも神気とも違う異質な気であった。それは竜族の持つ特質な『竜気』なのである。


蛟魔王は竜気を拳に籠めると、襲い掛かる敵兵にその拳を放ったのだ。拳から放たれた竜気は渦を巻きながら敵兵達を吹き飛ばす。



蛟魔王「今まで温存させて貰った分、この戦は仕事させて貰うよ?それにこっちのが私の性分に合ってるみたいだしな!」


俺様達三魔王が先陣を切り開いた事で水簾洞闘賊団に活気が満ちていく。戦いには数よりも大切なものがある。それは…



ノリダァーッ![勢い]



大混戦の中、俺様は一人城塞間近まで辿り付いていた。


他の連中はまだ?


引き戻すか?それとも先を進むか?


迷うな!俺様は先を進み眼力魔王を倒す!それが一番早く戦いを終わらす手段…


ん?ハッ!


そんな俺様に向けて、城塞の上から何者かが飛び降りて来て鎌を投げ付けて来たのだ!俺様は後ろにバク転し躱す。鎌は大地に突き刺さると同時に凄まじい斬撃で斬り裂かれた。



この鎌は間違いねぇ…


独角鬼王を殺した憎き宿敵。眼力魔王に付き従う五魔王の一人!


名前は確か…


蛟魔王が教えてくれたな?鎖鎌を使う魔王の名前は首狩魔王!戦場の処刑者と異名を持つフザケタ野郎だ。


独角鬼王の敵討ちだぁ!こいつは俺様の手でぶっ殺してや…


と、その時…


俺様の前を遮り、先に闘おうとする者がいたのだ?



なっ??


そいつは言った。



「美猴王様!一生の頼みです!こいつは俺っちに任せてください?お願いします!」



それは六耳だった。


俺様は戦いを邪魔をされて何か言おうとしたが、止めた。そして六耳に、



美猴王『絶対に勝て!俺様の代わりを任せるからには勝つだけじゃ許さん!生きて俺様に武勇伝を聞かせてみろ!命令だぁ!』



そう言って、六耳に任せて先に向かったのだ。


首狩魔王「ふざけんなよ~あぁあ?ナメるなよ!こんな雑魚相手に物足りないぜぇ!」



首狩魔王は走り去る俺様の背中に向けて鎌を投げようとするが、首狩魔王の顔に石が飛んで来て当たる。



六耳「首狩魔王!ナメてるのはお前の方だッチ!美猴王様にお前は物足りないんだよ!お前なんか俺ッチでじゅうぶんだぁ!」


首狩魔王「チッ!この魔王様に石をぶつけたのはお前か?ゆ…許さん!先にお前を瞬殺してから追うとするかぁ~」



俺様は走りながら考えていた。


六耳…


あいつは独角鬼王と張り合いながらも、一番仲が良かった。


独角鬼王が殺されて一番辛い思いを…悔しく怒りを感じていたのは、間違いなくあいつかもしれねぇ…


六耳の決意の目を見た時、俺様は奴の意志を尊重したくなったのだ。



大丈夫!


六耳は負けねぇ!



だって、アイツは俺様が猿体実験にて造りだした最高傑作なのだからな!



俺様は思い出していた。


それは俺様が悪ガキの幼少時代、仙界から抜け出して猿山の大将だった時の話だ。


山の力自慢の動物達をシメた俺様は動物達のボスになり、気付くと元々山に住んでいた猿達が俺様の周りに集まって来ていたのだ。


つまりお猿の大将。


そんなお山の大将生活を送っていた頃、猿達は次第に俺様から悪知恵を学び取り立派な兵士として育っていた。


が、やはりただの猿には限界があった。俺様も欲を出して強い部下が欲しくなっていたのだ。


奪った武器を持たせ、戦えるように育てても限度があるし…


そんな中、猿山に一匹の妖怪が侵入して来たのだ!妖怪は猿達を薙ぎ払い、俺様の前にまで来た。俺様は分身を妖怪に飛び掛からせると、何を思ったのか侵入して来た妖怪は俺様の分身を飲み込んだのだ!


美猴王「わぁ~俺様が食べられたぁ~分身だけど~」


すると俺様を飲み込んだ妖怪から凄まじい力が体中から噴き出して来たのだ?



美猴王「何と?何が?」


が、その直後…


妖怪は腹を膨らませて、木っ端みじんに破裂して死んじまったのだ。



俺様は結局意味が解らないまま時が過ぎていった。


次に起きたのは、俺様に付き従う猿達の急激なる成長の早さだった。


気付くと、猿達の中に妖気を持つ者達が現れ始めたのだ。


それは妖気の感染!


俺様の間近にいた事で、少量だが妖気を体中に取り込みつつ免疫力が付いたのだと分析した。


そこで俺様は隠れて妖怪猿造りを始めたのだ。もしこれが成功したら最強猿軍団の出来上がりだ!アハハハハ!



次第に増えていく妖怪猿達。それが初代水簾洞闘賊団の誕生であった。


更に俺様は禁術を試したくなったのである。


侵入して来た妖怪は俺様の妖気に免疫力なく、体内爆発をしたのだ。



だが、免疫力あったなら?


この猿達なら大丈夫かも!


とりあえず死んだ猿に妖気を注ぎ込み、俺様の分身体を取り込ませ実験…



木っ端みじん!!



美猴王「…………」


ちょっと引いた。


やはり死んだ猿だから失敗したのか?だったら妖気に免疫のある生きた猿に俺様の分身体を取り込ませたら?いや!


流石に猿として、主人公としてマズイだろ?


ファンが減るだけじゃない!もう俺様の語りを聞いてくれなくなるのでは?


が、やはり好奇心には勝てなかった。



とりあえず若気のいたりと自分自身を納得させたので、お前達も見て見ぬふりをしてくれよな?



俺様は妖気の強い猿達を集めて志願者を募った。



美猴王「強い力を手に入れたい者集まれ~…ただ」



猿達は好奇心で沢山集まって来た。


猿「ただ…何ですかボス?」


俺様はニコリと笑いながら説明する。


美猴王「めちゃくちゃ強くなって、俺様の右腕にしてやるぞ!…ただ」


猿達「ボス!ただ…何ですか?」


美猴王「気になる?」


猿達「気になります!」


美猴王「知りたい?」


猿達「知りたいです!」



仕方なく教えてやった。


美猴王「失敗したら…木っ端みじんにドッカンだぁ~アハハハハ!」



一瞬で猿達は目の前から消え失せていた。


まぁ…当然だろう。


「!!」



が、そこに五匹の妖気を持った猿が残っていたのだ。


美猴王「お前達?」


猿達は志願してくれたのだ。俺様の好奇心…いや?


我が儘実験に!?


そして実験は始まった。


先ずは猿達の妖気を更に高める訓練をさせた。


苦しい訓練だったに違いない。俺様は貢ぎ物の果物を食べながら涙を流しつつ、別の上手そうな果物を口に入れて応援していた。


そして…


いよいよ最終実験。



俺様は五体の分身を出すと、その分身を志願してくれた一匹目の猿と融合さ…



木っ端みじんになった。



美猴王「…………」


猿達「……………失敗」



猿達はようやく実験の恐ろしさを理解し泣き叫び逃げようとする。俺様は猿達を宥めながら


「次いく?」



『イャアアアアア!』


『大丈夫!痛くしないからさぁ~?ねぇ?』



『NoOOOOOO!』



その後は大変だったなぁ~


そんなこんなで…


残りの四匹の実験は見事に?運良く成功し、俺様が誇る最強の妖猿[パシリ]が誕生したのだ。


後から気付いたのだが、成功には『生きたい!死にたくない!』と言う強い思いの力が必要だったのだ。



それが水猿、気火猿、岩猿に、六尾だったのだ。


四匹は人語を喋るだけでなく、他の妖猿達とは別格の強さを持ち、俺様に欠けていた水術を使う水猿。風術と炎術を使う気火猿に、俺様が得意とする地属性の岩石術を使う岩猿が現れた。


そして最後に六耳…


アレ?


六耳って何か特別な力持っていたっけ?



美猴王「……………」



そうだ!思い出した!


アイツは…



頑張り屋さんだ~



美猴王「信じてる…からな…うん。六耳!」



まぁ…大丈夫だろう。




その頃、首狩魔王の前にはズタボロになって倒れている六耳の前に…



颯爽と現れた三猿!


本家の最強パシり猿軍団の水猿、岩猿、気火猿の姿が!?


首狩魔王を相手に三猿と六耳が挑む!


マジに大丈夫?本当に勝てるのか?

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