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天上天下・美猴王伝説!  作者: 河童王子
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番外編参~那我羅神気覚醒!


蛇神討伐に項将軍率いる武神と数合わせに集められた狩人達。


そこに那我羅もいた。


蛇神のいる宮殿を目指し、迷宮洞窟を進む中で、


ついに目の前に蛇神が!!



俺は那我羅!


俺は蛇神を前に戦う意思を奮い起こす!


恐怖の感情を逆に力へと塗り替え、麻痺させる!


戦える!


俺は背負った大剣を抜き構えると、蛇神に向かって駆け出した!


那我羅「ウォオオオ!」


俺は飛び上がると蛇神に斬りかかった。


那我羅「!!」


だが、俺の大剣は蛇神の皮膚を傷付ける事すら出来なかった。馬鹿な?


蛇神『力の無い小者が迷い混んだか?』


那我羅「何ぃ?」


俺は蛇神の払った指で壁際にまで弾かれ飛ばされた。俺は柱に衝突し衝撃で身体中から血を噴き出す。


全く相手にもならないのか?こんなに力の差が?


今まで戦って来た化け物とは比べ物にならなかった。


だが、俺の行為は無駄ではなかった。蛇神の足下から結界の魔法陣が光だし、中から光の鎖が飛び出して蛇神の身体を拘束したのだ。


その直後、気配を消していた武神達が姿を現して、剣に力を籠める。剣は光輝き凄まじい力が感じる。


武神達の斬りつけた剣は蛇神を傷付けた!俺が掠り傷一つ付けられなかった蛇神に?血を噴き出す蛇神に武神達は油断せずに攻撃を仕掛ける。


あれが神気?


神気を纏った攻撃は修行次第で限界がないと聞く。


武神達は再び一斉に蛇神に斬りかかった。これで決着か?そう思った時!


蛇神から凄まじい力が爆発し、飛び掛かって来た武神達を一瞬で消滅させたのだ。その力は柱に寄り掛かる俺にまで向かって来た。


那我羅「ぐわぁああ!」


その直後、俺は再び引っ張られて助けられたのだ?


項将軍「私の後ろに!」


項将軍は神気の壁を張り、蛇神の力から防御する。そしてすかさず片手で腰の短剣を抜き床に突き刺すと、発光して霧が一帯を覆う。


「宝貝・幻霧剣」


項将軍「今だ!」


項将軍は俺を引っ張ると、その場から逃れたのだ。


俺は床を殴ると、怒りが混み上がる。何も出来ない無力な自分自身に怒りが!



項将軍「そう自分自身を責めるな?蛇神とはそういうモノなのだ!」


那我羅「クゥ…」


項将軍「先程の蛇神が放ったのは覇気だ。神気を攻撃的に凝縮した力」


那我羅「覇気?」


神気には用途により闘気と覇気がある。闘気は神気を濃く凝縮し己の能力を高める力。覇気は瞬発的に攻撃力を解放する力だと言う。


だが、覇気を使える者は神気を完全に極めた者が使える力。本来なら神気を極めた先に闘気が有り、更に上に覇気があるのだ。武神でも最高神級の英雄神達しか極められてないと言う。


それもこれも神気が使えねば仕方ないのだ。


那我羅「俺の剣は蛇神に傷一つ付けられなかったが、神気を持つ武神達の攻撃は傷を負わせていた…くそ!俺は何も出来ないのか!」


項将軍「仕方あるまい…少々手荒だが、お前の神気を解放させてやろう!」


那我羅「そんな事が出来るのか?」


項将軍「本来なら修行で身に付けるモノだが、今はそうは言ってられん。お前にも戦って貰いたい。出来るか?」


那我羅「当然だ!」


すると項将軍は瞼を綴じさせると、俺の額から正中線に沿って[頭頂、眉間上、喉仏の下、乳首の間、ミゾと臍の中心、丹田、会陰]に神気を籠めたツボを押したのだ?


那我羅「身体中が熱くなって来た…力が溢れ出すようだ…うっ!」


直後俺は意識が吹っ飛び苦しみながら倒れた。


何が?


項将軍「修行なく徐々に開くチャクラを強引に開いたのだ。その反動は激しいはず。だが、持ち堪えてくれ!さすれば運良ければお前だけは生きて逃れられるはずだ…」


えっ?


そう言うと、項将軍は一人で蛇神のいる場所へと引き返して行ったのだ。


項将軍「将で有りながら部下をみすみす殺されてしまった。私はこの命をかけて蛇神を道連れにしてやる!」


項将軍は剣を握ると蛇神の妖気を感じる部屋の扉を開いたのだ。


その後、


俺は身体中の痛みに耐えながら、剣を杖にし、項将軍の向かった先へ足を進めていた。俺を逃がす項将軍の意に反して再び蛇神のいる場所へと戻っていた。


だが、俺は再び倒れる。


そして俺は深い闇に飲み込まれるように、引き込まれていく。


俺は夢を見ていた…


俺にはオヤジがいた。俺のオヤジは俺と同じく狩人を生業としていた。部下も沢山いて、信頼も得ていた。そんなオヤジが、森に現れた化け物討伐に出た時に命を落としたと一報が入った。躯すら戻って来なかった。それで終わりだ。


その後、俺はオヤジの蓄えで生きていたが、蓄えが尽きた時に、生きるために剣を手に狩人の道に入った。


幼少の俺が生き残るために俺は何でもした。逃げる事もしたし、同じ狩人の連中を盾にした事もある。だから友や仲間とか言うのは作らなかった。仲間を庇い死ぬ連中を数多く見てきたからだ。俺にとって足手まといでしかない。


なにより…


俺のオヤジも最期は仲間を庇い死んだのだからな…



「!!」


俺はそこで目覚めた。


起き上がった俺は自分自身の変化を確かめる。まだ身体中の痛みは消えてないし、特に身体に急激な力の上昇があるようには思えなかった。本当に神気を使えるようになったのか?


だが、構わない…


今は、蛇神のいる場所に向かわなければ…


那我羅「一矢報いなければ俺の気がすまねぇ!」



俺は蛇神のいる扉を開けたのだ!


扉の向こうにいたのは項将軍と武神の姿をした男だった。


将軍は男を前にして剣を構えていた。



那我羅「ヤツは誰だ?」


二人の会話が聞こえて来た。


項将軍「まさか…生きていたのか?将軍…」


項将軍と知り合いなのか?


男「お前が将軍となって再び私に剣を向けているとはな?項」


項将軍「やはり貴方だったのですか…この討伐任務に私が任命された理由に確信が持てました」


男「天界の考えそうな事だ。お前を相手に俺が情けをかけると思ったか?」


項将軍「………」


男「二度はない!」


すると男は将軍に向かって襲い掛かったのだ。将軍はすかさず剣で受け止めるが、弾かれる。


項将軍「クッ!我が恩人である貴方を私の手で斬る事こそ貴方への恩義!」


項将軍は印を結ぶと全身から強力な闘気を発する!それは床や壁、天井を揺らし柱に隠れている俺にも伝わって来た。


梛我羅「これが項将軍の奥義?」


今の俺は項将軍により全身の点穴を突かれ、神気が覚醒した状態だった。それは今まで何となく感じる事が出来ていた神気を目で、色で認識する事が出来ていたのだ。


項将軍の高められ凝縮した神気は闘気となって俺を震わせた。武神とはこれまで神気を高められるものなのか?畏縮する俺の目の前で将軍はオヤジに向かって奥義を発動させたのだ!


『奥義・連合射浄剣突き!』

※レンアイジョウケンツキ!



それは剣先一点に神気を凝縮した連撃であった。放たれた突きは床や柱を貫き、敵らしき男に向かって放たれた。


項将軍「やったか?」


だが、項将軍の奥義は男の纏う鎧を粉々にしただけであった。男の身体は傷一つ無く、次第に裸体となった肌が濁りはじめ、蛇の鱗のような模様となっていく。

みるみる巨大化していく中で下半身が溶けるように交ざり大蛇の尾のようになる。上半身は裸体のオヤジの姿で広げた口から牙が見え、伸びた細い舌を垂らす。


蛇神!?


それは紛れもなくあの蛇神だったのだ!!


あの男が蛇神だと??


何がどうなって?


その時、蛇神と化した男が手にした剣で項将軍に襲い掛かる。項将軍は剣で受け止め耐えるも、先程の一撃必殺の奥義で消耗していた。一撃必殺の奥義で倒せねば、もう項将軍に勝つ手段は残っていないに違いない。振り払われた剣が項将軍の剣を弾き飛ばされ体勢を崩した所に、蛇神の剣が降り下ろされる。覚悟した項将軍だったが、


項将軍「!!」


蛇神の剣は項将軍の頭上で止められたのだ。それは?


梛我羅「もう諦めたのかよ?将軍?」


俺が飛び出し、寸前で剣を受け止めたのだ。突然現れた俺に項将軍が怒鳴る!


項将軍「馬鹿者!どうして戻って来たのだ?あのまま逃げているば運良ければ逃げる事が出来たと言うのに!」


那我羅「逃げるだと?何をマヌケな事を?あんな化け物を前にして逃げられるわけないだろ?」


項将軍「?」


那我羅「疼くんだよ…強き者を前に俺の本能が沸き立つんだよ!」


項将軍「何を馬鹿な…」


那我羅「それに、あの化け物を狩れば遊んで暮らせる褒美があるんだろ?尚更だ!」


俺は飛び出すと蛇神に斬りかかる。俺の大剣を軽々と受け止める蛇神に俺は言った。


那我羅「蛇神はマヤカシの術を使うと聞いた事があるぜ?どういうつもりか知らねぇが、俺のオヤジの姿に化けようが俺は容赦しねぇぜ!!」



俺の言葉に蛇神だけでなく項将軍も一瞬時が止まった。


俺は構わずに斬りかかっていた!


そうなのだ。蛇神が変化していた男は俺の記憶にあるオヤジと瓜二つだったのだ。



那我羅「そもそも狩人だった親父が将軍だったのも辻褄が合わないし、そもそも天界の民が蛇神になるなんて話、聞いた事もねぇー!」



俺の猛攻を受け止めている蛇神は俺の顔を見ていた。そして項将軍もまた驚いた表情でその戦いを見ていたのである。


項将軍「馬鹿な…あの者が将軍の血族だと?それでは私は…まさか?」



俺は蛇神への攻撃の手を止めなかった。弾かれる度に腕が痺れ、蛇神の放つ障気に身体が犯されそうだった。しかし、俺は感じていたのだ?目の前の強者に対して快感とも思える血沸き肉踊る感覚を!


俺の剣が俺の親父の姿に似た蛇神へと降り下ろされる。そして、更に止める事なく繰り出される。最初は軽々弾かれていたが、次第に様子が変わる?蛇神は俺の剣を弾く腕に力が入る。徐々に速度が増す俺の剣は蛇神の剣をすり抜け肉体へと達し始める。だが、その妖気を纏う蛇神の皮膚に傷を付ける事まではかなわなかった。それでも、


「ウォオオオオ!」


俺の剣から力が発する?それは同時に俺の身体に力を漲らせた。


項将軍「!?」


項将軍は俺の身体から発する力に驚愕した。何故ならその力こそ神気であったからだ!


項将軍「…まさか?確かに私は彼に神気のチャクラを開いてはやった。しかし、この僅かな時間で何だ?あの神気の解放は…」


確かに項将軍は俺のチャクラを開いた。それは神気を表に出すための強行な処置であり、その目的は失われた体力や治癒を速めるために過ぎなかったのだ。

しかし俺は神気を戦いの中で解放し、治癒や体力回復だけでなく攻撃の力へと変換させ使っている。それは優秀な武神でも数年はかかるだろうし、こんな短時間で会得出来るものではないのだ。


項将軍「戦いへの執着…天性の才か?」


(だが、その才は…)


項将軍「余りにも危険…」


項将軍は腰に差していた最後の刀を握りしめる。


そして蛇神もまた自らに襲い掛かる若者の剣技に気付く。剣技は我流であろうが、その基礎たる物は自分と同じ流派であった。そこに俺が己の持つ神気を手にした大剣に集中させ、吼えた!


那我羅「これで決着をつけるぜー!化け物ぉおお!」


俺の渾身の力を籠めた大剣が降り上げると、その神気の高まりは爆発的に膨れ上がった。まさしくこれは神気の解放の究極の力、覇気!!だが、蛇神もまた合わせるかのように自らの尾に妖気を集中させると、まるで妖気を纏った大矛となって俺に向けられたのだ。


その時!


蛇神は迫る俺を再び見た後、呟きを口に出した。


「・・・本当に那我羅なのか?」


那我羅「!!」


その言葉を耳にした俺だったが、もう斬りかかる一刀は止められなかった。


俺を惑わすつもりか?


更に、その僅かな油断とも思える瞬間、項将軍が俺の後方より最後の力を振り絞って飛び出して来ていたのだ!


二人がかりなら!!


蛇神の尾が妖気を纏った矛となって俺と項将軍を串刺しにせんと放たれ、同時に俺と項将軍の剣が降り下ろされた……


次回予告


那我羅は生き残れるのか?

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