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天上天下・美猴王伝説!  作者: 河童王子
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白虎門の激闘!獅駝王と太上老君!!


四聖獣の門最後の戦いに向かったのは?



今、遅れて白虎門に到着したのは獅駝王であった。


獅駝王はキョロキョロと周りを見渡すと、臭いを嗅ぐ。


獅駝王「お~強そうな奴の臭いがするぞ?」


すると、獅駝王の足場から突然凍り付き、獅駝王は飛び上がり躱す。



獅駝王「そこだろ?強い臭いがプンプンするぞ?おい?出てこいよ?」



すると何処からか声が?



「やけに騒がしい奴が来たのぉ?」


獅駝王に言われて現れたのは太上老君であった。



太上老君は玉皇大帝の旧友で、同じく最高神としての力を持っていると言うのだ。青い仙衣に木の杖。それに…押し潰す程の神圧が近付く者を寄せ付けないでいた。


が、獅駝王は平然と太上老君の方向へと歩いていく?



太上老君「何と?何て馬鹿力じゃ?」


獅駝王「よく解らないけど、早く喧嘩だぞ!俺俺、お前倒して最強だぞ!」


太上老君「最強とは面白い事を口走る獣じゃのう?」


すると太上老君の掌にある宝貝に神気を籠める。それは形を変えると銀の玉と…金の玉に変化した。


太上老君「では、その最強ぶりを見せて貰うぞ?」


掌で回転する銀の玉と…金の玉は、獅駝王へと飛んで行く!


獅駝王は構わず殴り付けた時?


獅駝王「フンギャアア!」


獅駝王は下腹部を押さえながら悶絶し、床に落下したのだ???


太上老君「儂の宝貝・反金玉は受けた衝撃を与えた本人に返すのだよ?更に…」



銀の玉が獅駝王の前に向かうと、獅駝王は膝をつき立ち上がれなくなる。


そして見る見る身体が干からび始めたのだ?



太上老君「その銀の玉はお前の力を根刮ぎ吸収するのだよ!ふふふ。それではもう手も足も出まい?」


獅駝王はついに、その場に倒れてしまったのだ。


太上老君「それにしても玉があれだけ巨大化するなんて驚きじゃ…どれだけの妖気を吸いとったのだ?」


獅駝王の妖気を吸い出した銀の玉はビー玉サイズから半径五メートル近くになっていた。


恐らく、武神百人が百年かかる量であった。


『!!』


が、太上老君は目の前の状況に更に驚いた。獅駝王が再び立ち上がり、その貧弱化した身体で金の玉を殴り付け始めたのだ??当然、その反動は自分自身へと衝撃となって戻る。やがて全身から血を噴き出し血まみれになって膝をついた。しかし、それでも止めずに玉を殴り付ける。狂気にも似た獅駝王に太上老君の頬に冷や汗を流す。


太上老君「コヤツは狂人か?何がしたいのだ?」


その時、太上老君は全身に鳥肌が立ったのだ?獅駝王は衰えた身体で玉を殴りながら笑みを見せている事に?その狂気染みた獅駝王に本能的に畏怖を感じる。目の前にいる獅駝王から何か危険な感じを察知したのだ。


太上老君「あんまり遊んでおると足下を掬われそうだのう…そんな訳で早々には片付けようぞ!」


太上老君は指先で印を結び銀の玉と、金の玉を操る。そして瀕死状態の獅駝王の身体を神気で拘束しながら宙に浮かばせたのだ。


そのまま身動きが取れない獅駝王に太上老君はトドメを刺そうと、



太上老君「さて?金の玉と銀の玉?どちらがお好みかな?」


黙って動かない獅駝王に、


太上老君「一思いに終わらせてやろう!」


太上老君は両手の指を一気に交差させると、金の玉と銀の玉が中心に浮いている獅駝王に向かって来て衝突したのだ!血飛沫が飛び散り、断末魔もなく静けさだけが残った。


太上老君「!!」


が、太上老君はその場から動かなかった。


否!


動けなかったのだ!



太上老君の視線の先で衝突した金の玉と銀の玉が少しずつ動き出し、中から獅駝王が両手を広げて姿を現したのだ!しかも、その身体からは強力な妖気を溢れさせ、傷付いていたはずの身体が元に戻っていた。


太上老君「少々、手を出すのが遅れてしもうたな…」



しかも太上老君の目の前で銀の玉と、金の玉が木端微塵になって粉砕した!


太上老君は驚きつつも獅駝王は今、この時に倒さねば必ずこの先、とんでもない脅威になると実感した。


が、ちょっと待てオィ?


太上老君の眼前には既に獅駝王が牙を向け、拳を振り上げていたのだ!殴られる寸前、太上老君は手刀に神気を集中させ獅駝王の拳を受け流して投げ飛ばす。


太上老君「くぉっ!」


太上老君は自らの手が火傷したように腫れ上がり、たまらずに距離を取る。


太上老君「神気で固め防御したつもりだったのに、何て破壊力じゃ!」


しかも休む暇なく獅駝王が攻撃を仕掛けて来る。咄嗟に防御壁を張るが簡単に砕かれたのだ。太上老君は分身で凌ぐが獅駝王は匂いを嗅いで追ってくる。


太上老君「………」


太上老君は掌に宝貝を握ると、獅駝王に向けて投げ付ける。宝貝は短剣となって獅駝王の肩を傷付け血が流した。


太上老君「!!」


が、直ぐに太上老君は気付く。獅駝王の傷が目の前で完全に塞ぎ消えたのだ?



太上老君「瞬間再生じゃと?いや?違うぞ?あれはそんなもんじゃない?」



瞬間再生は己の気を治癒力に集中させて行う治癒術。しかし高度な術である上に体力の消耗が激しいのだ。にも関わらず、獅駝王からは体力も元に戻っていたのである。


太上老君「馬鹿な…これではリセットじゃないか?そんな馬鹿げた能力なんて最高神でも…持ち合わせはおらんぞ?」


太上老君は神気を全身に廻らすと、膨大な神気が太上老君の体内へと吸収され神気の塊となる。



『神気一点・理付烈集!』

※シンキイッテン・リフレッシュウ



それは瞬間的に爆発的な力を発揮させる奥義であった。それは太上老君の裏奥義であった。



太上老君「お前を倒すには強力な結界で封印が確実。だが、その前に弱らせなけらばのう?」


太上老君は獅駝王に向かって飛び出すと、


『崩壊の拳!』


その破壊力は大山を一撃で消し去ると言う太上老君の必殺技であった。


太上老君と獅駝王の拳が激突した!



強烈な衝撃が白虎門を揺らす。


だが、太上老君は更に神気を拳に集中させ獅駝王を押し返していく。



太上老君「このまま二人分の力の波動に飲み込まれ消し去るが良い!」



が、太上老君は目を丸くしたのだ!獅駝王の姿が徐々に変わっていく??



『獣神変化唯我独尊!』



その姿は獅子の鎧を纏った獅駝王であった。同時に太上老君の押し返した力を、更に押し返す。



太上老君「ちょ?ちょ?ちょっと、待っ…」


が、手遅れだった。


太上老君は獅駝王の覇気と自らの放った覇気に飲み込まれ、ぶん殴られたのだ!


瞬間、太上老君が消えた?


否?


ぶん殴られて、吹っ飛んでしまったのだ!!!


獅駝王「ん?」


そこで獅駝王は我に返ったのである。?


今の今まで、獅駝王は無意識の本能のみで戦っていたのだ。


よって?


目の前で戦っていた太上老君が消えて、獅駝王は不完全燃焼であった。


獅駝王「うぅ~」



仕方なく獅駝王は白虎門の奥にある神殿へと向かう事にした。理由は、その奥にある白虎の封印がある塔を破壊するためだった。



第一の塔撃破か?


場所は変わる。



吹っ飛ばされてしまった太上老君は、遠く離れた神殿に激突して瓦礫に埋もれていたのだ。


太上老君「いたた…とんでもない奴じゃ…」


太上老君は立ち上がると自らの身体をチェックする。


太上老君「身体を強化してなかったら、今ので御陀仏じゃったな…くわばら、くわばら~」



太上老君は獅駝王の妖気を感知すると、再び戦場へ向かおうと神気を高め始め…ようとしたが、そこで自分が飛ばされた場所が毘沙門天の神殿である事に気付く。



太上老君「………」


そこで太上老君は邪な考えが頭を過らせたのだ。


毘沙門天は今、竜神族と交戦中で暫く戻っては来ない。こんなチャンスは二度とはなかった。毘沙門天と言えば天界の財宝収集家で有名であった。


が、太上老君も同じく財宝収集家なのだ。よって毘沙門天に対して陰ながら敵対心を抱いていたのだ。


そして内心、どんな財宝を持っているか好奇心いっぱいだったのである。



太上老君「うむ。ここはこっそり覗かないと…マナー違反じゃろな?うむ。こんな機会を逃したら二度とチャンスはないじゃろう」


と、こっそり地下にある宝物庫へと降りて行く。厳重な結界を一つ一つ解除しながら、そして宝物庫の中へと入って行く。


太上老君「うひょ~」


太上老君は置かれている財宝を手取り、触りながら物色していた。



太上老君「こりゃ~塔托李天王の奴…中々の目利きじゃないかい?うひょ~」


と、


太上老君「ハテ?」


そこで太上老君は財宝庫の奥にある更に厳重な結界が張られている壁がある事に気付く。しかも見た事もない異世界の結解であった。


太上老君「こりゃ?覗かんと後悔しそうじゃのう?」


太上老君は結界解除を試みるが、



太上老君「これは骨が折れそうじゃ?一体、何があるんじゃろ?楽しみじゃ!」



だが、最高神である太上老君は結解を解読し、結界解除の印を結ぶと壁が消えて扉が出現したのだ。


が、そこで太上老君が目にしたモノとは?



『な…なんじゃ…これは!?』





そして再び場所は変わる。


玄武の塔を守る太上老君がいないため、獅駝王は一人で塔を破壊に向かった。



獅駝王「さてと?ぶん殴って壊せば良いんだよな?確か?」


が、獅駝王の動きが止まり鼻が何者かの匂いを嗅ぐ。



この臭いは?


背後から臭うそれは?


獅駝王は入り口に現れた者に対して殺気をみなぎらせる。獅駝王が殺気を見せる事は珍しかった。


振り返る獅駝王は言った。



獅駝王「オィ?お前?何でお前から仲間達の臭いがするんだ?」


獅駝王の問いに、その者は無言だった。


だが、手にした剣からは生々しい血が残っていた。



一体、誰の血なのか?


そして何者なのか?



その者、


金色の髪にエメラルドグリーンの瞳。まだ少年なのか?美しき美貌の少年…



闘神ナタク!


中階層に討伐に出ていたナタクが、この大戦に間に合わせ参戦したのだ!


今より獅駝王との一騎討ちが始まる!!



次回予告


そのトラウマは新たな狂気の因縁と悲しみを与えた・・・


だが、それも生き延びる事が出来れば・・・

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