朱雀門の燃える戦い!?
四聖獣門にある塔を破壊しに出た牛角魔王と蛟魔王は、待ち構える英雄神と戦っていた!
くせ者達の戦いの結末は?
そして、この朱雀門でも・・・
美猴王と二郎神君、
牛角魔王と太公望、
蛟魔王と楊善、
各場所で激闘が続いている中で、この場所でも?
ここは朱雀門。
戦っているのは鵬魔王と太白金星であった。
しかし?
太白金星「ほぇ~待った!待った!待ったじゃ~!」
鵬魔王は上空から炎の弾丸を幾つも出現させると、朱雀門の広場を頭を抱えて逃げ惑う太白金星に向かって投げ付けている。
太白金星「こりゃ~!儂でなければ火傷しちゃうぞぃ?」
すると太白金星は急ブレーキすると、咄嗟に足下にあった砕けた床の破片を目の前に放り投げる。
その直後、床から炎が噴き出して爆発したのだ。
足下に罠があったのだ。
太白金星は爆風に飛ばされながらも、着地寸前で前転して立ち上がりポーズを取る。
鵬魔王「んもーう!」
鵬魔王は苛々していた。決して手を抜いてはいなかった。瞬殺するつもりで太白金星に攻撃を仕掛けているというのに、太白金星は全ての攻撃から逃げ延びていたのだ。
太白金星「ホイ?ホイ?ホホ~イ?」
鵬魔王「こうなったら…この一帯全てを僕の業火炎術で消滅させ…」
『!!』
鵬魔王の額に指が置かれたのだ?それは太白金星であった。
太白金星「火遊びはダメだぞぃ?」
いつの間に??
そう鵬魔王が気付いた時、
太白金星はデコピンで鵬魔王は弾き飛ばした。
遠くまで弾かれた鵬魔王は身体を翻して、再び太白金星に向かって突っ込む!
鵬魔王「この僕を虚仮にしやがってー!許さん!許さん!許さん!許さん!このクソ爺ぃー!!」
鵬魔王は炎に包まれた火の鳥と化して太白金星に向かって行く。
『火鳥仙光じゃー』
太白金星の身体が直前で光輝き閃光し、それが目眩ましとなって鵬魔王はガン面から床に直撃してしまったのだ。
太白金星「ありゃ~?今のは痛そうじゃのう?お主、頭がカッカして見えてないようじゃのう?」
すると陥没した床から炎が噴き出して、鵬魔王が再び抜け出てくる。
鵬魔王「………」
だが、鵬魔王の荒ぶる闘気は消えて、冷静になっていた。
太白金星「はて?思ったより賢いようじゃのう?」
鵬魔王は溜め息をついて、自分の頬を両手でピンタしたのだ。
鵬魔王「目が覚めたよ?そして見えてなかったもんが見えたようだ…。あ~嫌になっちゃうな!全く…マジにムカつく!」
鵬魔王は炎の玉でお手玉しながら心を鎮めた。
鵬魔王「正直、あんたは強いよ?恐らく僕より格上だよ…悔しいけど…今の僕じゃ勝てる気がしない…」
太白金星「敗北宣言かい?賢明じゃな?」
鵬魔王「あぁ…ただ」
太白金星「?」
鵬魔王「それは、さっきまでの僕までの話!今から僕はさっきまでの僕より進化する!」
鵬魔王の姿が消えて太白金星の間合いに入る。
そして炎の剣を両手に持って斬りかかったのだ。
太白金星「!!」
太白金星は攻撃を躱しつつ、その額に冷たい汗が流れる。
太白金星「ほんまに進化しおったわ?それに…」
鵬魔王の動きは確実に太白金星の急所を狙って来ていた。しかも次第に動きの速さも、キレも完全に段違いになり、更にフェイントまでかけてくる。
太白金星「まだ若く経験不足じゃが、間違いなく主は天才じゃのう?」
鵬魔王「おだてても手は抜かないよ?」
太白金星「残念じゃ!」
鵬魔王は確かに戦いの天才であった。ただし性格に難があるために努力は見せないし、弱味を見せたり、己を罰する事が嫌いだった。しかし敗北を知り誇りを失った時の鵬魔王は…
強かった!
敗北こそ本来の力を発揮するのだ!気付くと太白金星の足場が炎で塞がれていた。
そして手を抜く事なく印を結び唱えたのだ!
『獣神変化唯我独尊・鳳凰!』
鵬魔王は鳳凰の鎧を纏うと、その炎の翼が開いて一帯の温度を上昇させた。
太白金星「こりゃ…もしかしなくてもヤバヤバじゃ~!?」
太白金星の立つ床の全てが高熱を発し、逃げ場を塞ぐように炎の壁が出現する。
太白金星「万事休すじゃ~!」
鵬魔王は太白金星を狙い打つと、炎の弓と矢を出現させる。
鵬魔王「僕の炎を一点に凝縮させた一矢!食らってみな?」
『鵬魔炎術・鵬死矢線!』
※ホウシャセン
鵬魔王から放たれた矢は一直線上に太白金星を貫いた!!
太白金星「ウガッ!」
太白金星の身体は蒸発するように煙を噴き出して消えていく…
鵬魔王「!!」
鵬魔王は気付く。
蒸発し消滅した太白金星のいた場所から、とてつもない神気が溢れだして鵬魔王の炎の壁をも消し去ってたのだ!そして、白煙の中から人影が現れる。
鵬魔王「とことん馬鹿にしやがって…なるほど…それがお前の…」
その場には金色の字で金と書かれた白い仙衣を纏い、白髪を靡かせた男[人歳25]が立っていた。その男はニヤリと笑うと…
「やられたよ?うん。良い攻撃だった。私にこの姿[本気]を出させるなんて本当に君は天才だと思える」
鵬魔王の前に現れた男の正体は、太公望と同じく若返った[実際には己の力を封じる器から出た姿]太白金星の姿だった。
太白金星「今より私が君を調教します」
太白金星の周りから神気が玉となって浮かび上がると、指で弾く!
鵬魔王「あっ!」
一瞬だった。
鵬魔王の身体が玉に貫かれて落下する。が、落下しながら燃え尽きて消滅したのだ?
太白金星「不死の鵬魔一族か…」
太白金星の前に突如炎が発火し、その中から鵬魔王が甦ったのだ。
太白金星「魂を封じるか石化させて身動きを止めるかするのがセオリーかな?」
鵬魔王「ふん!そう簡単にはさせないよ?」
鵬魔王は印を結び妖気を集中させると唱える。
『獣神変化唯我独尊・鳳魔!』
その姿は炎の翼を羽ばたかせた鳳凰の鎧を纏った勇姿!
鵬魔王の姿だった。
鵬魔王「老害には負けられないんだよ?僕は!」
太白金星「やれやれ小僧っ子は口先だけで困るな?美猴の奴に比べたら可愛いもんだけどね?」
鵬魔王「今、何て言った?美猴王兄貴に馴れ馴れしい呼び方してんじゃねぇー」
鵬魔王は炎の羽根を無数と飛ばすと、羽根は全て鵬魔王の分身となる。
鵬魔王「今から衝撃的な焼劇を見せてやるよ?」
空中より無数の鵬魔王の分身達が一斉に太白金星に向かって火炎放射を放つ!
太白金星「なら、これでどうかな」
『発手群石の術!』
※ハッシュグンセキ
太白金星の掌から炸裂した石が隕石の如く鵬魔王の分身達を貫いていく!
本体の鵬魔王は飛んできた隕石を素手で掴み取ると握り潰す。
その覇気は先程までの鵬魔王とは桁違いになっていた。
太白金星「そそるなぁ…相手が強ければ強いほど、その闘争本能が潜在能力を引き出しているようだな?う~ん。育てたくなるな~」
鵬魔王「余計なお世話だ!僕はお前より強い!!」
更に鵬魔王は裏技を発動させる。
それは禁忌の力!炎術の中の禁忌。
地獄の黒炎!
鵬魔王の掌の炎の色が黒く変色していくと、その手はどす黒くなる。
『黒炎手刀!』
それは地獄の炎を指先に集中させた魔手!これは地上界の魔王であった黄風魔王の奥義・黄砂強風の拳[触れた相手に猛毒を与え苦しみ殺す技]を自分なりに改良させた技であった。
鵬魔王「力の差があろうと僕に触れたらお前、死・ぬ・よ?」
太白金星「ほぉ~本当に曲者。あの義兄弟の中では下から数える程度かと思えば、お主…地上界でも本気を出してなかったようだな?」
鵬魔王「僕はいつも本気さ!僕はいつも美猴王兄貴を愛しているんだぁ~」
太白金星「何処まで本気か解らんやっちゃな?」
すると太白金星は自らの持つ取って置きの宝貝を発動させたのだ。太白金星は宝貝に神気を籠めると、太白金星の上空に亀の甲羅みたいな物体が10個浮かぶ。そこから神気の糸が伸びて来て太白金星の指に絡まると、太白金星はヨーヨーみたいに10個の甲羅を操り出したのだ。
ジャイロ、ダブル・ループ、マッハ・ファイブ、ソニック・ホール…
よくは解らないが、ヨーヨーの凄いテクニックで操り始める。
太白金星「さて、私に近付く事が出来るかい?」
太白金星の指から放たれるヨーヨー…じゃなくて甲羅は大地を削り、鵬魔王に向かって行く!
鵬魔王「そんな物!僕の炎で……!!」
が、鵬魔王の黒炎の手が触れる瞬間、別の甲羅が飛んで来て鵬魔王の背中に直撃した。
鵬魔王は弾かれながらも、体勢を整え見ると!
既に10個の甲羅が迫って来ていた!
太白金星「!!」
だが、太白金星は呟く。
太白金星「最近の若者は思っていたより骨があるじゃないか?」
そこには鵬魔王が向かって来た甲羅を一つ黒炎の手刀で貫き、それを盾にして他の甲羅を弾き返したのだ。
鵬魔王「まだまだ、僕の本気はこれからだ!」
更なる激闘は続く!
次回予告
残り最後の砦は白虎門!
ここで戦うのは?




