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天上天下・美猴王伝説!  作者: 河童王子
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玄武門バトル!牛角魔王と太公望!?


美猴王と二郎神君が戦っている同じ時、


北の玄武門でも戦いは始まっていた。


様々な場所で対決が始まっていた!


この北の玄武門でも牛角魔王が目の前に現れた敵と対峙していた。


牛角魔王「くぅ…ぅう!」


牛角魔王は二本の刀を振り回しながら、太公望を追いかけ回していた。


どれだけ斬って追いかけても、全て太公望によって紙一重で躱されているのである。


太公望は見るからに何千歳とも思える老人。そんな老人にこんなフットワークが出来るものなのか?


そもそも牛角魔王は一級の剣の使い手。それを子供の手を捻るが如く。


牛角魔王「うぉおお!」


完全に牛角魔王はムキになっていた。これまで強敵とは幾度と一騎討ちをしては互いを認めあって来た。


祝融を筆頭に地上界の妖怪達、魏王や天界の武神、それに竜神族の青竜。


だが、この老人太公望はどの誰とも違う。


まるで自分を相手に?いや?見ていないのだ!



牛角魔王「俺を馬鹿にしているつもりなのか?ならば本気を出させてやる!」


太公望「フォッ?恐いのぉ?老人を労らんかい?」


牛角魔王「いつまでもフザケてはいさせん!」



牛角魔王は闘気を剣に籠め、瞼を綴じる。


太公望「フォッ?」


太公望もまた気付く。


牛角魔王から雑念も隙も消えた事に…



『乱鬼流奥義・無心刑!』

※ムシンケイ



それは、太公望の動きを止めたのだ。太公望も気付く。この牛角魔王の奥義は殺気に反応し攻撃を仕掛けて来る技だと!


太公望「成る程のぅ…僅かな殺気に反応して斬る斬撃じゃな?」


見ると太公望の袖が僅かに斬られていたのだ。


太公望「見事な…少々、試したくなってきたぞぃ?」


牛角魔王の無心の奥義を前に、太公望は敢えて殺気を放ったのだ!


同時に牛角魔王の斬撃が殺気に反応して放たれる。


迫る斬撃を躱す太公望だが、徐々に衣が裂かれていく。


更に斬撃が迫る中で、


太公望「クッ!堪らんわい!」


さしもの太公望も後退りしながらも、神気を手にした宝貝に籠めたのだ。


その直後、牛角魔王の斬撃が太公望から放たれた雷に撃ち落とされる。



牛角魔王「ようやく本気を出したようだな?」


太公望「やりおるわい!じゃが、儂に本気を出させたからにはお主もタダではすまないぞぃ?」



すると雷が牛角魔王に向かって降って来たのだ。雷を躱す牛角魔王は、その雷の正体を見る。それは雷の鞭?太公望の持つ宝貝であった。



太公望「これが儂の宝貝・打神鞭じゃ!」



宝貝・打神鞭


宝貝を唯一造る事が出来る天才楊善の五つある最高傑作品の一つ。


かつて太公望はこの打神鞭を手に、過去の大戦・仙界大戦を鎮圧させたのだ。



太公望「さて?お主は儂の打神鞭を何処まで耐えらるかいな?」


牛角魔王「!!」


太公望が振るう打神鞭は雷の鞭!玄武城の床を砕きながら牛角魔王に迫る。牛角魔王は雷の鞭を躱すも雷は軌道を変えて追尾してくる。


牛角魔王「ならば雷をも断ち斬るまで!」


牛角魔王は立ち止まり剣を構えると、向かって来た雷の鞭を両断したのだ!が、雷撃は牛角魔王の全身を襲った。


牛角魔王「ウガァアア!」


太公望「ここまでのようじゃな?思ったより呆気な……!!」


が、太公望の雷が弾かれたのだ?見ると膝を付く牛角魔王は再び闘気を高めながら呟く。


『獣神変化唯我独尊!』


牛神の妖気が牛角魔王を覆うと、牛角魔王は牛神の鎧を纏っていた。



牛角魔王「いつまでも俺を甘く見ているなよ?」


牛角魔王は黒座刀を構えると、太公望に向かって突進する。


それは黒牛の妖気を纏った弾丸の如く!


太公望「ウホッ!」


すると太公望は打神鞭に神気を籠めて叫ぶ。


『打神鞭解放・二の型』


太公望の打神鞭が雷を放出しながら、雷の剣へと変化したのだ。


太公望は雷の剣・打神雷剣で、牛角魔王の突進して来た一撃を受け止める。



牛角魔王「鞭が剣に?だが、俺は負けん!」


更に強まる牛角魔王の力に太公望は更に叫ぶ。


『打神鞭・三の型』


太公望の打神鞭が剣から雷が噴き出したのだ!雷は蛇のように動き回ると牛角魔王の身体に巻き付く。


牛角魔王「これは!?」


が、巻き付く雷の衝撃が牛角魔王の身体を襲う!



「うぎゃああああああああああああああああああ!」



太公望「儂の奥の手を出させたんじゃ…本望じゃろう?じゃが、終わりじゃ」


倒れ黒焦げた牛角魔王を見て太公望は振り返り、


太公望「さて、大丈夫とは思うが他の者達の救援に向かうかのう?」


『!!』


だが、太公望は足を止めた。


そして、


太公望「しぶといの…」


太公望の背後からとてつもない魔神の妖気が立ち込める。それは死んだと思われた牛角魔王から発せられていた。


振り返った太公望の視線の先の牛角魔王は魔神の気を発しながら、漆黒の鬼の鎧を纏っていた。牛角魔王は太古の魔神族の血統であり、魔神の血で覚醒変化出来るのだ。



太公望「驚きじゃ?お主は魔神族なのじゃな?それなら、そのしぶとさも解るというものじゃ」



すると牛角魔王が呟く?


太公望「ほぉ?」


呟いた言葉の意味が解らない太公望に牛角魔王は再び叫ぶ。



『いい加減に本気を出せと言ってるのだぁー!』



太公望「何を言っておる?儂の宝貝・打神鞭の解放を四段階も見せたのじゃぞ?これ以上何を期待しておるのじゃ?」


牛角魔王「ならば嫌でも隠して置けない状況にしてやろう!」



瞬間、牛角魔王は全身から覇気を発しながら、上空に向けて刃を構える。


牛角魔王の狙いは上空で二人の戦いを見ている武神達に向けてだった。


太公望「お主の相手は儂じゃぞ?それとも化け物には武神の誇りはないのか?」


牛角魔王「誇りか…大いに傷を付けられた。お前に手加減され、いまだに底を見せられない己の無力さに怒りを感じるほどに!」


すると牛角魔王は魔神の覇気を上空の武神兵達に向けて放ったのだ!


太公望「この、たわけ者がぁー!!」


太公望は打神鞭を解放させ雷を強化させる。


そして飛び上がると牛角魔王の覇気を受け止めに入ったのだ。


太公望は印を結び、防御壁を造る。


それは雷結界!



牛角魔王「うぉおおお!」


牛角魔王の更なる覇気に太公望の雷結界が徐々に押し返され、音を立てて割れたのだ!


太公望「クッ!」


太公望は仕方なく己の身体を盾にして仲間の兵達を庇おうとする。


牛角魔王「!!」


これで太公望は死んだと思われた。


だが、牛角魔王は自らの覇気の軌道を変えて地面へと落としたのだ。


助かった太公望はゆっくりと降りて来ると、



太公望「お主…儂を試しおったな?」


牛角魔王「ふん!」



太公望は汚れた仙衣を脱ぐと、中から綺麗な仙衣が現れる。


太公望「便利じゃろ?これ?」


牛角魔王「………」


太公望「そう不機嫌な顔をするでなぃ?良かろう…見せてやるぞぃ?儂の本当の力をのぅ?」


牛角魔王「!!」



太公望の本気?


すると太公望は神気を纏いながら印を結び、変化の術を唱えたのだ。



『神老神封変化唯我独尊』

※シンロウシンプヘンゲユイガドクソン


牛角魔王「!!」



太公望の身体から煙が噴き出し、その姿を覆い隠す。


そして煙が薄くなって太公望の姿が再び現れた時…



牛角魔王「これが太公望の真の…」



『姿なのか!?』



その姿は先ほどまでの老仙人の姿ではなく、若々しい人歳で十七~十八くらいだろうか?若返っていたのだ!いや?若返っただけではない。その力は先程までとは遥かに桁違いになっていたのである。



牛角魔王「どうやら若返った…訳ではなさそうだな?お前から感じていた抑えつけていた封印を解いたのか?」


太公望「うむ。正解!これが儂の真の姿だよ?お気に召したかな?」


牛角魔王「驚き半分の納得半分だな!これでお前から感じていた力の謎が解けてスッキリしたぞ!」



牛角魔王は相手の潜在能力を測る事に長けていた。だから戦いの中で太公望の力を探っていたのだ。その意味は全力の相手に勝つ事が自らの誇りであり、意地であったから。


そして太公望のこの若返った姿こそ真の姿であった。太公望は有り余る自らの力を制限するために、老人形の器に自らを封印していたのだ。



太公望は打神鞭を構えると、ニヤリと笑う。


瞬間、太公望の姿が消えた!牛角魔王は太公望の殺気を探るが、


牛角魔王「馬鹿な!?」


太公望の殺気は四方八方から感じ、その残像からも感じたのだ?


太公望「殺気を消すのではなく残像に乗せて出し続けていればどうかな?」


牛角魔王の身体に打神鞭が直撃し、絶叫する。



太公望…


本来の太公望は好戦的な天才児であった。その才は知略、戦術、体術、剣術、仙術全てに関して天界の英雄神の中でもぐんを抜いて秀でていた。


その才の理由は好奇心!


戦いの中で相手を倒す数千、数万の策を持って還付なきに敵を心から折るのだ!



牛角魔王「どうやら寝かせたままのが良かったかな…」



と、少し後悔する牛角魔王と太公望の戦いは続く!


次回予告


東の青龍門でも戦いが始まっていた。


そこで対するは?

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