犬猿対決??最強対決中央神殿!!
ついに始まる天界大戦!!
水廉洞闘賊団と待ち構える天界の英雄神!
最初の激突は誰と誰??
俺様は美猴王!
ついに天界軍との最終決戦が俺様達を待ち構えている。
恐らく今までにない壮絶な戦いになるかもな?
俺様はここまで俺様の我が儘から始めた喧嘩に付いて来てくれた水廉洞闘賊団の仲間達に激励をかけた。
美猴王「この戦いは長く虐げられた俺様達妖怪の尊厳と自由を勝ち取る戦争だ!地上で待つ仲間達のためにも、志半ばで散って逝った仲間達のためにも決して負けられねぇ!」
珍しく真面目な事を言ったせいか?皆が静まる?
美猴王「もう何も言うことはない!後は勝って生きて戻るだけだぁー!」
俺様の激励に仲間達の歓声で指揮も高まり、気合いが入る。
これが水廉洞闘賊団最後の戦いだ!
「金斗雲ぅーーん!」
俺様は先頭をきり、飛行雲に乗って飛び出した。その直ぐ後に牛角魔王と蛟魔王に獅駝王が、更に鵬魔王と六耳彌王が続く。因みに偶獣王はお留守番です。
数十万の妖怪軍が天界の空を覆っていく。
まさに暗雲の如く!
すると前方を飛ぶ俺様達が動き出す。
美猴王「お前ら!必ず勝って戻って来いよ!」
牛角魔王「当然だ!」
蛟魔王「私も最初から本気だよ!」
獅駝王「俺俺、喧嘩で最強だぁぞ!」
鵬魔王「あ~もう!美猴王兄貴?暫くのお別れだね?」
六耳彌王「俺ッチも頑張るッチ!」
すると水廉洞闘賊団が五つに分かれる。
中央神殿には俺様と六耳彌王が先頭をが率いて雪崩れ込むように目的地へと突入した。
その様子を中央神殿で見ている者がいた。
二郎神君である。
二郎神君「さてと…皆は配置に付いたようだな?」
二郎神君は神殿に配置させた武神達に命じたのだ。
『我々は決して負ける事は許されぬ!負ければ天界の平和は乱れ、愛する者達が犠牲になろう!私達は戦い勝って守るのだ!愛する者達とこの世界の平和を守るために!』
この戦いは互いに己の正義を貫き勝ち取る戦いなのだ。
負けられない戦いが始まったのだ!
二郎神君は仲間達が戦いの準備をしている姿を見ながらナタクの事を思い出していた。
この戦場にナタクの姿が見えないのだ?
理由は、天界の別の場所で別の事件が発生し、ナタクは巨霊神を率いて中界層にある北方神殿へと討伐へと向かっていたのだ。
ナタクは宝貝・脚踏風火[キャクトウフウカ]と呼ばれる空中飛行宝貝を使い猛スピードで向かっていた。
ナタク「二郎神君め!俺を遠征させて、どういうつもりだ!!」
ナタクはイラつきながら仕方なく北方神殿に向かう。
その地に天界の最重要討伐対象である化け物が現れたと言うのだ。
ナタク「早々に始末して俺も参戦するからな?そして戻ったら二郎真君!お前を必ず殴る!」
そして再び場所は変わる。
中央神殿の上空は既に妖怪の軍勢が覆うように向かって来ていた。その中心には金色の髪を靡かせ、如意棒を振り回しながら突っ込んで来る俺様がいた!
美猴王「突撃ぃー!!」
だが、閃光が中央神殿から放たれたのだ?
それは無数の光弾となって仲間達を直撃し消滅させていく。それは天界の武神達の神気を籠めた攻撃だった。すると神殿より飛行雲に乗った武神達が向かって来たのだ!
美猴王「返り討ちにしてやるぜ!」
だが、後方からも光弾の攻撃が降って来たのだ!
美猴王「何ぃ!?」
それは俺様達を待ち構えていた天界軍勢だった。
上から下から挟み撃ちにしたつもりか?
そこに六耳彌王が叫ぶ!
「美猴王様ぁー!上空より強い気が迫っているッチ!」
俺様は構える。
解っている!
この中央神殿に来た時からビンビン伝わって来ていた。ここには、とんでもない奴がいやがるって!
そいつが今!
上空から猛スピードで急降下して来ている!
俺様は目を凝らして見る。
どいつだ?
すると俺様に一直線に向かって来ている奴が!
見えた!!
「あははは!直ぐに解ったぞ?お前が妖怪軍のリーダーだな?」
そいつは青い鎧を身に纏った武神だった。
だが、こいつは…間違いなく強い!
青い鎧の武神は剣を降り下ろすと、俺様は如意棒で受け止めた!
押し込まれ急降下しながらも、互いに痺れる衝撃が魂をも奮わせた!
急降下して行く俺様を六耳彌王が叫ぶ。
俺様は落下しながらも念波で六耳彌王に指示を伝えた。
《どうやら、こいつの相手で手一杯だ…この後の指揮を任せる?頼んだぞ!》
六耳彌王「了解ッチ!」
突如襲って来た青い鎧野郎と落下しながら俺様は叫ぶ。
美猴王「お前、何者だよ!?」
二郎神君「名前を尋ねるなら自分から名乗るのが礼儀だろ?」
美猴王「あのな?先に攻撃しておいて礼儀も何もないだろ?」
二郎神君「あはは…つい気持ちが高ぶってしまった。悪かったな?なら改めて名乗ろう!俺の名は…」
『顕聖二郎真君』
二郎神君だと?
確か蛟魔王が読ませてくれた天界のヤバい奴百選って巻物に書かれていた奴だな?確か英雄神だとか?
美猴王「俺様は美猴王だ!お前を倒す猿様だよ?」
二郎神君「面白い!」
互いに相手の武器を弾き返しながら距離を取る。
互いに飛行雲に乗りながら対峙する。
隙がない?
だが、
高ぶる本能が互いに相手を好敵手と感じた。
『絶対に負けたくない!』
俺様と二郎神君は同時に動いた!飛行雲で飛び回りながら剣と如意棒を交える。
美猴王「伸びろー!如意棒!!」
俺様の如意棒を伸ばすと二郎神君へと向かって行く。だが、紙一重に躱した二郎神君は如意棒を滑らせながら俺様に向かって来る。
二郎神君「そんな攻撃は躱せれば間合いが隙だらけになるぞ?」
美猴王「!!」
二郎神君の剣が俺様に迫った時、俺様は、
「縮め!如意棒ー!」
すると如意棒は一気に耳掻き程度になって消える。
二郎神君「な、何ぃ?」
流石の二郎神君も隙をつかれた。そこに俺様は印を結び分身が百体現れる。
美猴王「猿仙闘技・百人一手・火流多!」
手刀が摩擦熱で発火し、百体の俺様が同時に二郎神君に襲い掛かる!
二郎神君「仙術の分身か?なら俺も…」
二郎神君は印を結ぶと俺様と同じく百体の分身が現れたのだ。しかも剣が水術で強化され、俺様の炎の手刀を受け止める。
二郎神君「これで互角かな?俺も仙術は得意なんだぜ?」
美猴王「うぐぐ…」
何か、ムカつくぞ?
そして気付いた。
二郎神君からは犬の臭いがプンプンするのだ?
すると二郎神君が俺様に向かって剣を見せる?
二郎神君「あはは…俺の剣にヒビが入ったぜ?そこそこ名刀なんだがな?」
美猴王「へん!どんなもんだい!これが俺様の力だぜ?」
二郎神君「なら、お前になら俺の本気を見せても良いかな?」
美猴王「何だと!?」
すると二郎神君は印を結びながら唱えたのだ。
『聖獣変化唯我独尊!犬獣王・哮天犬!』
その直後、二郎神君の背後より強烈な力を感じたのだ!それは聖獣?それは犬獣?それは犬獣神!
哮天犬!!
哮天犬の背には先端が三つに分かれた大刀・三尖両刃刀を背負っていた。その三尖両刃刀を二郎神君が手にした時、その姿が閃光し変化したのだ。
三尖両刃刀を手にした青き犬獣の鎧を纏った顕聖二郎神君の姿へと!
二郎神君「さ~て?俺の本気をいつまで耐えられるかな?受けてみよ!妖怪軍首領・美猴王!」
脳天に雷が落ちたような衝撃が走った。
そしてようやく気付いたのだ!
この二郎神君と俺様との因縁にも似た関係を…
二郎神君と俺様は?
『犬猿関係やないけ!』
猿と犬は昔から仲が悪い宿敵関係なんだよ!
成る程…
余計に負けられなくなって来たぜ?
俺様もまた印を結び、唱えたのである。
『獣神変化唯我独尊!』
俺様の背後より猿獣の妖気が現れると同時に再び俺様の魂へと同化される。
二郎神君「クッ!」
二郎神君をも怯ますその目の前で、俺様は金色の猿獣の鎧を纏ったのだ。俺様は再び如意棒を抜いて構えると改めて名乗る。
『俺様は聖天大聖・美猴王!』
俺様と二郎神君の一騎討ちの最中、他の仲間達は?
そう。俺様達の目的は別にあったのだ。俺様と六耳彌王が中央神殿の上空でわざと目立つように騒いでいる間、他の仲間達は向かっていたのだ!
中央神殿の四方を囲むように東西南北に四聖獣の門があり、その中にある塔へと向かっていた。そこには四聖獣の王の魂が封じられている。その塔を破壊する事を目的としているのだ。
牛角魔王が向かっているのは北の玄武門。
牛角魔王は玄武門へと到着するなり塔へと向かう。
牛角魔王「………」
牛角魔王は立ち止まると、その先の気配に向かって叫んだのだ。
牛角魔王「いつまで覗いて見ているつもりだ!」
すると門の奥より黒い仙衣の老人が現れたのだ。
老人「よく気付いたのう?この門より先は通すわけにはいかんぞぃ?」
牛角魔王「お前は?」
老人「儂は太公望。この門は儂が任されておるのじゃよ!フォッフォッフォッ」
牛角魔王「!!」
俺様達の陽動の塔破壊の策は二郎神君によって全て見抜かれていた。そして先に英雄神達を先に向かわせ守らせていたのだ。
それは他の門でも!
東の青龍門に向かった蛟魔王の前には、
楊善が!
西の白虎門に向かっていた獅駝王の前には、
太上老君が!
更に南の朱雀門に着いた鵬魔王には、
太白金星が!
これより俺様達と天界英雄陣との全面戦争が勃発したのだ。
次回予告
牛角魔王と英雄神・太公望の激突!
この戦いはどちらに軍配が上がるのか?




