語られる第一天界大戦!そして第三勢力、動く!!
玉面魔王の活躍で最後の層の転送装置のある城を手にいれた。
しかし、蛟魔王は怒っていた?
俺様は美猴王。
玉面魔王と剛力魔王が最後の層の城を落とし手にいれた事で、取り敢えず落ち着いた。俺様率いる本隊は前線の隊と合流したのである。
その間、当然天界の討伐隊が幾度と攻め混んで来たが、撃退しつつも軍の立て直しをしていたのだ。
地上界から来た水廉洞闘賊団のメンバーと、天界の層を登りつつ仲間に引き込んだ連中。それだけでも大軍となっていたのだ。
だが、有象無象の集団…
武神達の連携の取れた戦術に俺様達は翻弄された。
その上…
その力量は将軍級で、宝貝使いまでいる。さらに面倒なのは優れた武神達はこぞって聖獣変化をして来るのだ。
現在、獣王変化使いの連中と、牛角魔王、獅駝王、鵬魔王、六耳彌王、剛力魔王、怪力魔王、刀剣魔王、蚩尤が戦っている。
そして水晶を使い現状を見ているのが軍師の蛟魔王と風雲魔王、それに大将の俺様美猴王!後は茶を啜る玉面魔王だった。
蛟魔王「天界は聖獣を何だと思っている!」
玉面魔王「妾も見たが、あれは間違いないな」
蛟魔王は苛立ちながら下唇を噛む。
蛟魔王は何をそんなに苛立っているのか?
それは…
蛟魔王は仲間達を集める。
そして蛟魔王の口から聖獣変化について語られた。
聖獣変化とは神族[俺様妖怪含む]と精霊獣[聖獣]が魂を融合させ爆発的な力を発揮するのだ。その力は獣妖怪最高の変化である獣神変化に匹敵し、その上時間制限比較的に長いのだ。
だが、聖獣変化に必要なのは魂の共有。共に信頼を結び硬い絆があって成せる変化なのである。
だからこそ聖獣変化が容易く出来るわけではないのだ!にも関わらず襲って来た神族は聖獣変化を繰り出して来た。
有り得ないのだ!
過去、聖獣と契約出来た者は神族の王のみだった。
それが、この僅かな近年、高貴な神族であれば容易に聖獣変化を行うのだ。
それは、天界が聖獣族を侵略した時に始まる。
蛟魔王「語ろう。天界と聖獣界に何があったのかを…第一天界大戦について!」
蛟魔王から語られる第一天界大戦とは?
世界は四界に分かれていた。
天界と人界、地獄界に聖獣界であった。
その平和だった聖獣界に神族が突如攻め混んで来たのだ。既に最強権力のある天界にとって聖獣界は弱小世界であった……否!!
決して聖獣界は弱小ではない。
何故なら、
聖獣界の王は天界の王に匹敵する力を持った聖獣神がいたのだ!
同時に竜神界の王!
『黄竜』
黄竜の力は天界の王と同等の力を持つ王であった。
更に、
黄竜を守護せし四聖獣の存在があった。
北方を守護する朱雀王
西方を守護する白虎王
東方を守護する青龍王
南方を守護する玄武王
四聖獣の王を相手に神族は数万の兵を動員しても敵わなかった。
聖獣の王達は人の姿に変化すると武器を手に、配下の一族を従えて果敢に戦った。だが、その戦争に突如現れたのが、新たな天界の王であった。
それは…
天界を仕切る十二天の欠落のため、新たに天の称号と力を与えられ王となった者達。
搭託李天王を筆頭に北方を守護する搭託李天王・毘沙門天に、
東方の待国天
南方の増長天
西方の広目天
聖獣界の王は集い、傍若無人な天界の進行に怒りを感じていた。
天界の目的は聖獣狩りであった。それは殺すのではなく、聖獣を捕らえて洗脳し自らの力の道具とする事だったのだ。
白虎王『許さぬ!天界の奴らめ…俺の爪と牙で八つ裂きにしてやろう!』
玄武王『天界は誇りを持った武神達が秩序を守っていると聞いたが、これでは魔物以下ではないか?』
朱雀王『天界も地に堕ちたと言うべきでしょう』
青龍王『だからと言って我々が全滅して良い理屈にはならん!我らは断固戦い、聖獣界の平和を取り戻そうぞ!』
四聖獣達は手を重ね、戦う決意をした。
それが第一天界大戦の幕開けである。
天界と聖獣界との戦いは長く続いた。聖獣族も天界に攻め混み甚大な被害を起こした。
後に真実を知らない天界の民にとっては、聖獣族が天界を襲って来たと伝えられている。
情報操作
全てが聖獣族の反乱から始まったとされたのだ。
四天王と四聖獣の戦いは互角だった。互いに退かず、誇りをかけた戦い!
その後、四天王達は戦場から戦線離脱した。
その間、聖獣族は優勢に天界の武神を聖獣界より追い払っていく。そして二度と侵入されないように強力な結界を造った。
それは神族の者の力を奪う聖獣結界であった。
この結界の中では天界の武神は本来の力の半分以下しか力が出せなくなるのだ。
これにて天界はなすすべなく聖獣界の勝利に思えた。
しかし再び現れたのだ!
戦線離脱していた四天王達が!!
四天王は当然の如く結界の中で力を失っていく。
増長天『これが聖獣結界か?使えるな』
広目天『うむ。良い土産になるだろう』
待国天『そのために早々に四聖獣を狩るとしよう』
そこに毘沙門天が指示をする。
毘沙門天『今より与えた聖天の力を使おうぞ!』
聖天の力…
天界の王である天にのみ与えられた王位なる力!
その力を前にして全ての力が無力化し屈伏する力であった。
金色に光輝く聖天の力は聖獣結界をも消し去っていく。そこに数万の武神が流れ込み、隙をつかれた聖獣族の民は捕獲され、逆らえば始末されていった。
そして四天王達もまた、聖獣界の王である四聖獣達をも前にして…
『無念…』
光の牢獄の中に拘束され、王を失った聖獣界は神族によって滅ぼされた。
これが第一天界大戦の終幕であった。
美猴王「そんな事があったのか?」
蛟魔王「だが、問題はその後だよ…」
聖獣族は天界の結界のある区域に放されると、天界人は遊び感覚で狩りを楽しみ、そこで捕らえた聖獣を持ち帰り洗脳の宝玉を埋め込まれる。すると聖獣は天界人の意のままに扱える道具となるのだ。
そして捕らわれたのは聖獣の王の四聖獣もであった。
四聖獣の王は各地四ヶ所の搭に封じ込められ、天界を守るための聖獣結界を無理矢理張らされていた。
それは今、地上より来た俺様達の妖力を奪っている天界の結界であった。
王すらも道具として使われているのだ。
これが今の天界なのだ!!
蛟魔王「だが、あの時…あの方が目覚めていれば…こうはならなかったはず…」
美猴王「あの方?」
鵬魔王「黄竜様だよ!」
美猴王「オッ?鵬魔王も詳しいのか?」
鵬魔王「なにせ僕も蛟魔王も聖獣族だからね?蛟魔王は青龍王の一族だし、朱雀王は僕の鵬魔一族だからね?」
美猴王「そうなんだ?だから鵬魔王は俺様と合体出来るをだな?」
鵬魔王「だけど天界の連中とは違うよ?僕達のは絆で結ばれたカップルなんだからさ!」
美猴王「う…うん。あはは…」
蛟魔王「話を戻すよ?」
美猴王「おぅ!」
王を奪われ天界に敗北した聖獣族は、天界に対して復讐を誓った。
力のある聖獣、特に竜神族は新たな国を造りあげ、天界とはいまだに小さな戦争を続け、また鵬魔一族のように天界の傘下に入りつつも反逆の機会を伺う一族もあった。
だが、大半の聖獣族は天界に力を奪われまいと自らの肉体を捨て、その魂を地上界に飛ばしたのである。
だが、その魂は憎悪と復讐の塊と化して、地上界の生物の魂と同化し新たな種族を誕生させた。
それが妖怪である!
美猴王「ほぇ?俺様達の起源なのか?」
蛟魔王「だから妖怪は天界への憎悪と恐怖が無意識下に残っているんだよ」
だが、妖怪は聖獣族の力を得た別の生き物に近い。
天界への復讐を果たすために動く者はいなかった。
俺様が現れるまでは!
美猴王「でも俺様は天界に恨みがあったから戦争始めたわけじゃねぇよ?」
蛟魔王「少なくともお前がキッカケとなって天界に戦争を起こした事で、他の妖怪達連中も無意識の中に眠っていた天界への怒りが力となって覚醒し飛躍させてるのさ」
美猴王「マジか?じゃあ、この戦争はリベンジ戦だな?まぁ、俺様は俺様の戦争をするだけどよ?」
蛟魔王「それで良いよ。ただ目的が同じになっただけだ。私にとっても念願だからな?天界へのリベンジは!」
鵬魔王「僕ら鵬魔一族もね?」
蛟魔王「この戦争は期なのかもしれないな…」
美猴王「ん?」
蛟魔王「なぜなら…」
場所は変わる。
そこには今、数百万の兵が戦争の準備をしていた。
だが、その目的は…
天界を落とすため!
第一天界大戦の時にはまだ覚醒していなかった聖獣の王が目覚めたのだ。
黄竜王!
聖獣族の全知全能の王であり最高神である。
今、黄竜王は竜神族含め隠れ潜んでこの日を待っていた聖獣族を率いて…
天界へと出陣したのだ!
次回予告
聖獣の王が目覚めた。
黄竜!
だが、その進軍は美猴王達にとって吉となるのか?
それとも?




