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天上天下・美猴王伝説!  作者: 河童王子
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玉面魔王の宝貝・水仙鞭杖の能力?


剛力魔王を救ったのは恋のライバル玉面魔王だった。


しかしまだ、羅黄将軍が残っていた。


俺様は美猴王


剛力魔王達を救ったのは戦闘には参加していなかった玉面魔王だった。



『水術奥義・玉之固死』

※タマノコシ


玉面魔王の放った水弾が蒼刃将軍の額を貫き倒し、既に雨鈍将軍も倒していた。



その状況を見て楽しんでいる奴らがいた。


羽子咤将軍「あれ?二人やられちゃったよ?」


羅黄将軍「そうだな?だが、楽しい獲物が迷い混んで来たようだ?」


羽子咤将軍「どうする?僕が行く?それとも羅黄が行く?」


羅黄将軍「俺が行くよ?お前に手柄を取られてしまったら、お前との賭け率が並ばれるからな?」


羽子咤将軍「はいはい!ではお手並み拝見といきますよ」


羅黄将軍が城から飛び降りると玉面魔王の前へと着地する。


羅黄将軍「次は俺が相手だ?俺は奴らのようには行かないぞ?」


玉面魔王「どうだかな?」



だが、羅黄将軍には隙が無かった。玉面魔王は水術で仕留める機会を見ているが、全く隙がないのだ?


玉面魔王「なら、隙を作るまでじゃ」


すると地面が揺れて地下水が噴き出したのだ!しかも、その水流は刃の如く近付くモノを切り裂く。


羅黄将軍「水術使いか…天界でも、お前ほどの使い手はそうはいないな」


羅黄将軍は水流を躱しながら玉面魔王に向かって近付くと、手にした短剣を投げると玉面魔王の額に突き刺さる。


羅黄将軍「ほぉ~」


だが、突き刺さった玉面魔王の姿は水と化して崩れて水溜まりを残す。


そして地面から噴き出した水流が上空で溜まり、今度は矢の如く羅黄将軍に向かって降って来たのだ。


羅黄将軍「小賢しい!」


羅黄将軍の覇気が上空から降って来る矢を全て蒸発させたのだ。


羅黄将軍「直接戦うのを避けているのか?ならば俺の本気を見せてやろう?」


羅黄将軍は印を結ぶと、


『聖獣変化唯我独尊!』



それは聖獣との合神?


しかし、それは他の聖獣の変化と異なっていたのだ?


羅黄将軍の背後に現れた聖獣は三体!


豚、鳥、牛の聖獣。


三体の聖獣は羅黄将軍の身体に吸い込まれて融合されると、その鎧が変化していく。豚、鳥、牛の融合鎧と化したのだ!


羅黄将軍「聖獣三体融合の俺からは決して逃れられん!」


羅黄将軍の神気が玉面魔王の妖気を消し去っていく。


羅黄将軍「これでもう大地から水を呼び出せないぞ?」


玉面魔王「これが聖獣変化?何か嫌な感じがするな?お前、その聖獣をどうした?」


羅黄将軍「どうしたとは?」


玉面魔王「本来、聖獣との合身は魂の共鳴と心の繋がりが合って可能と成すはずだが?どうもお前の聖獣はお前を嫌がっているようじゃ?まるで無理に従えているようじゃ」


その質問に羅黄将軍は突然笑いだしたのだ?


羅黄将軍「魂の繋がりだと?そんなのは必要ない!聖獣は道具に過ぎんのだからな!この聖獣も俺が使ってやっているのだよ!」


玉面魔王「どうやら天界は聖獣を完全に道具として使うすべを手にしたようじゃな?なんと外道な連中じゃ!」


羅黄将軍「ふん!穢らわしい化け物が何を言う?神の前にお前達は都合の良い道具に過ぎん。使われて感謝をして貰いたいものだ!」


聖獣変化した羅黄将軍の覇気に圧されながらも玉面魔王は思っていた…


目の前の外道を絶対に倒すと!


それは玉面魔王もまた天界に捕らわれ、実験台として使われていた地獄の体験があるのだ。


身体を切り裂かれ、内部をかき混ぜられた激しい苦痛と拷問。


それも神の手先として、道具として使うためだった。



玉面魔王「胸くそ悪い」


すると羅黄将軍の手先から見えない糸が伸びて行く!これは剛力魔王の力でも引きちぎれない糸なのだ。


羅黄将軍「さて、お前の身体を細切れにしてやる!」


伸びて行く糸を躱しもせずに動かない玉面魔王。


羅黄将軍の糸は玉面魔王の皮膚を斬り裂く。



羅黄将軍「どうだ?このまま細切れにしてやろう!」



だが、羅黄将軍の糸が絡まり、落下したのだ?


羅黄将軍「!?」


見ると羅黄将軍の糸は粘りある液体に濡れ、それがくっつき合い、重くなっていたのである。それは玉面魔王の水術に高濃度の樹木の液を混ぜられていたのだ。


しかも切られた皮膚も消えていた。


玉面魔王は自らの体液をも自由に使い治癒能力を急激に早めたのだ。



玉面魔王「妾も奥の手があってな?かつて天界より抜け出た際に盗み持って来た物があるのじゃ!」


すると玉面魔王は掌に貝を乗せ、神気を籠めたのだ。


その貝は間違いなく天界の限られた者が所有する宝具、宝貝[パオペェ]!?


玉面魔王の手には杖が握られていた。これが玉面魔王の宝貝なのか!?


『宝貝・水仙鞭杖』

※スイセンベンジョウ



玉面魔王「この水仙鞭杖は少々面白い特殊能力があるのじゃ」


玉面魔王が杖に念を籠めると杖が垂れて地に付く。それは杖から鞭に変わっていた?


玉面魔王は鞭と化した水仙鞭杖を振り回すと、羅黄将軍に向けて打ち放つ!


それは枝分かれした水流の鞭!大地を削りながら進んで羅黄将軍に迫る。


羅黄将軍「小癪な!だが、ただの水芸で何が出来る?」


羅黄将軍の神気が壁を作り、玉面魔王の水流の鞭が届く前に蒸発していく。


玉面魔王「………」


羅黄将軍「力の差に言葉が出ないか?この差が狩る者と獲物の差なのだ!」



羅黄将軍は操る糸を捨てると自らの神剣の鞘に手を置き構える。


が?


剣が抜けないのだ?


羅黄将軍「なっ??」


しかも羅黄将軍の身体もそれ以上動けなかったのだ?


玉面魔王「どうじゃ?動けまい?気付かなんらか?お前は既に妾の術中にいたのじゃ」


羅黄将軍「い…一体、何が?」



すると羅黄将軍の身体が浮かび上がり、水玉の中に閉じ込められていた。


身動きも抵抗も抜け出す事も出来ない羅黄将軍に玉面魔王は言った。



玉面魔王「では、妾の水仙鞭杖の真の能力を見せようか?」


羅黄将軍「何だと?」


その時、羅黄将軍の身体から閃光が放たれ、強烈な痛みを感じる。それはまるで身体を強引に引き千切られるような痛みだった。


そして痛みが治まった後、羅黄将軍は聖獣変化が解けていたのである。


羅黄将軍「これは??どうなっているのだ?俺の聖獣は何処に?」


狼狽する羅黄将軍に玉面魔王が答える。



玉面魔王「妾の宝貝・水仙鞭杖の能力は『契約解除』、お前の聖獣との契約を水に流したのじゃ」


羅黄将軍「そんな馬鹿な?契約を解除なんて事が??」


玉面魔王「それが出来るのじゃ…」


それは、自らが天界に囚われていた時、この宝貝の能力を使って自らの魂に付けられた契約という呪縛を解いて脱獄したのだから!



羅黄将軍「クソ!クソ!たかだか獲物の分際で!もう許さん!許さん!許さん!」


玉面魔王「許さんとな?その前にお前の方が許されてないようじゃ?」


羅黄将軍「えっ?」


羅黄将軍の頭上から何かが向かって来て、


羅黄将軍「や…止め…止めろぉおおお……ぉぉ…」



羅黄将軍に襲い掛かり八つ裂きにしたのだった。それは羅黄将軍に縛られていた聖獣の三体だった。そして羅黄将軍が死んで光となって消えた後、聖獣達も消えていった。



玉面魔王「束縛とは本当に怖いもんだのぅ?ほほほほ!」


そこに、残った羽子咤将軍は羅黄将軍が敗北した事に驚きつつ、油断している玉面魔王に向かって襲い掛かる!


『聖獣変化唯我独尊!』


烏賊の聖獣の鎧を纏い、一直線に向かう先には玉面魔王が……



真上から降ってきた者によって、拳で殴られ地面に埋もれ倒れたのだ。


それは玉面魔王の治癒玉によって回復した剛力魔王だった。



剛力魔王「ふぅ…」


玉面魔王「何じゃ?手を貸せとは言うてないぞ?」


剛力魔王「借り、返した、礼、だから、言わない」


玉面魔王「いらんいらん?そんなのは~気持ち悪い」


剛力魔王「お前、何故?」



剛力魔王は玉面魔王が自分を助けてくれた事を問うと?



玉面魔王「妾の恋のライバルが消えたら、妾の美しさを引き立てる者がいなくなるじゃろ?」


剛力魔王「なぁ!?」



二人は互いに顔を背け自軍へと戻って行った。




怪力魔王と刀剣魔王を忘れて…


次回予告


水廉洞闘賊団が天界に進軍している時、


同じく天界に進軍する者達が??

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