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天上天下・美猴王伝説!  作者: 河童王子
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武神と野生の力?神具と武神!


偶獣王の謎は置いておき、


天界での戦いは侵攻されていた。



俺様は美猴王!


俺様達、水廉洞闘賊団の前線部隊は第二層の転送装置がある神族の城まで来ている。


城を落とす前線には剛力魔王と怪力魔王が出ていた。


怪力魔王「この城壁は厄介ですね?姉者?」


剛力魔王「………」


見上げる程の壁が幾つも並び立ち、剛力魔王達の進軍を阻んでいた。


この城を任されている将軍は城塞を作り、魔物の進軍を防ぎ兵糧攻めにしていた。既に剛力魔王が率いる前線の軍は食料の備蓄も無く、逃げ場を塞がれ袋小路にされていたのだ。



怪力魔王「後方に逃げ場は無し…こうなれば」


剛力魔王「壊す、」


怪力魔王「ですね!」


怪力魔王は前方の城塞の壁に向かって得意の拳で殴り付ける。壁は震動こそするがびくともしない。


武勇将軍「無理だ!この城壁は神兵五千の神気を籠めた絶対防壁!!お前達がどれだけ足掻こうが傷一つ付かんわ!」


武勇将軍は歴戦の猛者で有り軍師でもある将軍。幾度と魔物討伐で武勇を残していた。


怪力魔王「うっ…腕が痺れた~」


剛力魔王「本気、出す!」


怪力魔王「はい…その代わり敵将の首はお任せしますよ?」


剛力魔王「承知」



怪力魔王は両拳に妖気を籠め、身体の皮膚が黒く変色していく。更に!



『獣神変化唯我独尊!』



怪力魔王の姿がゴリラの鎧に身を包む。大地が震えその闘気は城壁の上にいる武勇将軍にも伝わった。


武勇将軍「何て力だ…これが地上界の魔王の力だと言うのか?」


それは聞いていた話と違っていたのだ。地上界の魔王は天界の魔物に比べたら些細で他愛もない存在だと噂されていたからだ。


だが、少し前まではそうであったかもしれない。俺様が地上界に戦乱を持ち込んだ後では地上界の魔物の力量は桁違いにアップしたのだ!


特に、この剛力魔王と怪力魔王の兄[姉]弟は俺様義兄弟と同等の力を持つ曲者なのだ。



怪力魔王「巨大化した金剛魔物に比べたら大した城壁じゃない!」


怪力魔王は拳に覇気を籠めて城壁に向かって殴り付けたのだ!


轟音と一瞬の静けさの後、怪力魔王の拳が直撃した場所から亀裂が入っていき、瞬く間もなく城壁が粉々に粉砕された。


怪力魔王「ふぅ~」


が、頭を殴られる。


剛力魔王「もっと、拳に、集中!破壊、不足!」


怪力魔王「厳しい~」



城壁が崩れ落ち、天界の武神達は慌てふためいていた。まさか城壁が破壊されるとは思ってもいなかったからだ。だが、一人冷静な者がいた。武勇将軍だ!


武勇将軍「慌てるな!全軍魔物達に攻撃を仕掛けるのだ!」


城上から飛び降り攻め混んで来た武神達を迎えうつ剛力魔王の進行軍!


武神軍との混戦の最中、その中心に武勇将軍が叫ぶ!



武勇将軍「敵軍の将よ!一騎打ちを望む!私と勝負せよ!」


すると剛力魔王が前に出る。だが、武勇将軍は剛力魔王が女だと思うと怒りを示す!


武勇将軍「私を愚弄するつもりか?例え魔物であろうと小娘を相手に出来…」


その瞬間、剛力魔王から闘気が膨れ上がり大地が陥没したのだ。


武勇将軍「これは…たまげた!」


流石に武勇将軍も驚いたが、直ぐに


武勇将軍「先程の私の言葉を訂正しよう。そなたは紛れもなく強者だ!」


武勇将軍もまた神気を解放させると、近くにいた全員が立っていられなくなったのだ。


剛力魔王「うむ。腕、鳴る!」


武勇将軍「私の名は武勇!名を聞いておこう?」


剛力魔王「剛力、魔王」


武勇将軍は刀を抜くと、それは体躯の良い武勇将軍をも上回る大型の剣へと変化したのだ!


『神具・大刀量!』

※大刀量


天界の武神達は特殊な神具を所有している。己の神気を籠める事により、その破壊力は何倍にも膨れ上がる。武勇将軍の大刀両はその中でも重量級の破壊力を持ち、竜をも一撃で粉砕するのだ。


剛力魔王「私、出す!」


剛力魔王もまた神具を手にする。これはゴリラ一族が過去に天界の武神より勝ち得て手に入れた二本の大型の斧!これまた重量級の大型斧を軽々と持つ。


剛力魔王「行く!」


武勇将軍「参る!」



互いの武器が衝突し、その余波が戦場を吹き飛ばす!


怪力魔王「ヤバッ…これでは仲間達まで巻き沿いになるぞ?姉者は見境ないからなぁ…仕方ない!」


怪力魔王は仲間達を指示して軍を城に向かってダッシュするように命じた。敵の武神達が道を塞ごうとするが、怪力魔王を筆頭に一目散に無視して走…いや?逃げたのだ!


何故なら?この戦場から少しでも早く離れなければ、


怪力魔王「俺達が姉者の巻き沿いで殺されちまぅ…くわばわらくわばら」


逆に義を重んじる武神達は武勇将軍を残して戦場を離脱は出来ずにその場に残っていたため…


「うわ~」


巻き沿いにあって二人の余波で全滅してしまった。



剛力魔王の大斧を弾きながら武勇将軍が猛る!


武勇将軍「久しい強者!これ程の相手は竜神族を相手にした時以来だ!私の武勇伝にお前の名も残そうぞ?」


剛力魔王「私、強い!お前、負ける。決定!」



二人の現在の力量は互角に思われたが、


武勇将軍「そろそろ本気を出してみないか?隠しておるのだろう?奥の手を?」


武勇将軍は剛力魔王の潜在的な能力を見抜いていた。



剛力魔王「お前、出す!まだ、有る。解る!」


武勇将軍「並ば互いに手の内を見せ合おうぞ!」



武勇将軍は神具・大刀両に己の神気を籠めると、身に纏う鎧が変形する。


『神具融合変化唯我独尊』


それは神具の解放との融合!高位の神具には特殊な能力を持つ物が有り、持ち手が限界まで神具の力を解放させる事で己の基礎値と神具の能力を一時的に限界にまで引き出す事が出来るのだ。


対して、


『獣神変化唯我独尊!』


それは獣妖怪最高の変化で有り、獣の血を限界にまで解放させ潜在能力を限界にまで引き出すのだ。



武神と野生の力!



武勇将軍「押し潰せ!解放大刀量!」


武勇将軍の振り下ろす斬撃は大地を更に陥没させ、剛力魔王を押し潰す。それは斬撃からの超重力だ!


剛力魔王「ゥグ!」


超重力に剛力魔王は押し潰され身動きが取れない。耐える足は沈み混む。手にした大斧は地に付き、手離したと同時に大地に沈んだ。


武勇将軍「これで終わりではないぞ?竜神の身体をも押し潰す私の大刀量の重圧はこれからだ!」


武勇将軍は更に二振り、三振り、斬撃を振り下ろすと、更に重圧がのし掛かる。


剛力魔王「動、けん」


さしもの剛力魔王も身動き出来ずに押し潰されていく。だが、


武勇将軍「なんと!?」


剛力魔王の筋肉が硬く盛り上がり、呼吸を深く吸い込むと、


『亜具羅怪打!』

※アグラカイダ!


押し潰されながらも武勇将軍に向かって、覇気の籠った剛拳を放ったのだ!


剛力魔王から放たれた波動の剛拳は武勇将軍へ向かって行く!


武勇将軍「打ち落としてくれる!」


武勇将軍は振り上げた大刀量で剛力魔王の剛拳で受け止める。


武勇将軍「ウヌゥオオ!」


受け止めた剛拳は武勇将軍の大刀量を弾き上げた。


武勇将軍「凄まじい力だったが、何とか弾けた…」


『!!』


が、が、が?


その眼前に剛力魔王が飛び込んでいたのだ!間合いに入られた瞬間、武勇将軍は己の敗北を認識した。


超重力の中で一歩、一歩、歩き、足早になり、駆け出した剛力魔王は武勇将軍が大刀量が弾き上げた隙を狙い間合いに入り、武勇将軍を殴り付けたのだ!


武勇将軍の鎧は粉砕され、武勇将軍は剛力魔王の前に倒れた。



武勇将軍「み…見事…お前のような…強者と最期に武神として…戦えて…満足…だ…」



武勇将軍の戦死により、剛力魔王率いる先陣は見事に転送装置のある城を手に入れたのだ。



追伸…


因みに武勇将軍の所持していた神具・大刀量は、怪力魔王が有り難く貰い受けたのでした。


次回予告


更に上の層へと向かう先行軍!


そこにはどんな武神が待ち構えているのか?

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