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天上天下・美猴王伝説!  作者: 河童王子
129/170

驚きの偶獣王???


美猴王が拾って来たのは魔神族の少年?


偶獣王と名付けたが、一体何者?


俺様は美猴王


偶獣王を拾ってから俺様の生活は変わった。


偶獣王に飯を食べさせ、風呂に入れ、綺麗な洋服を着させる。


何かママになった気分~



そんな俺様を良く思わないのは鵬魔王と六耳彌王だった。


鵬魔王「う~僕の美猴王にイチャイチャと!」


六耳彌王「いや?鵬魔王のじゃないけど、あれは確かに嫉妬するッチ!」


鵬魔王「僕の視界に美猴王の隣にセットになってる事が許さない!」


六耳彌王「実際、あんなんじゃ兄貴の足を引っ張るッチ!」



二人は手を組むと何か悪巧みを考え始める。


作戦1


遠くから石を投げる!



って、ガキの虐めじゃないか?



六耳彌王「これは俺ッチの得意分野ッチ!」


鵬魔王「だけど美猴王兄貴が付きっきりだ?どうするつもりだ?」


六耳彌王「安心するッチ!兄貴が糞をしている間に狙うッチ!」


六耳彌王は意識を集中させると、俺様が糞をするタイミングを見計らう。


耳をすませて糞を出している音に聞き入る。



六耳彌王「よし!今ッチ!今、兄貴は糞が溜まって出しきるのに時間がかかるッチ!」



その瞬間、六耳彌王は石を手に取り、一人になった偶獣王に向かって投げたのだ!


猛速度で飛んで行く石は真っ直ぐに偶獣王に向かって行き、当たる寸前で弾けて消えたのだ??



六耳彌王「うわっ?」


鵬魔王「当たる寸前に覇気が石を消した??しかも覇気を出した予備動作すらなかった?無意識の防衛本能かい?」


六耳彌王「作戦2ッキ!」


作戦2


寝てる間に簀巻きにして川に流す!


鵬魔王「ふっ…兄貴が何処に行ったかと聞かれても、フラッと出て行ったと言えば良いのさ!それに、アイツはいらない!」



そして二人は夜がふけるのを待った。


ムクリ


二人は深夜に目覚めて起き上がると、俺様と偶獣王が眠っている同部屋へと向かう。



鵬魔王「しかし良いのだろうか?」


六耳彌王「ん?珍しいッチね?鵬魔王にそんな道徳心があるなんて驚きッチよ?」


鵬魔王「君は僕を何だと思ってるんだい?ただ…」


六耳彌王「ただ?」


鵬魔王「美猴王兄貴に夜這い出来る幸福。なんて想像するだけでムラムラだよ!」


六耳彌王「あ…何か、同罪に思われるのが嫌になって来たッチなぁ~」



と、その時!!


六耳彌王「何か変ッチよ?」


鵬魔王「どうした?」


六耳彌王「静か過ぎると思わないッチか?まるで…そう!以前、闇影魔王の結界に閉じ込められた時のようだッチ?」


鵬魔王「どうやら城に曲者が入り込んだみたいだね…」



城は今、黒い影に閉ざされていたのだ。これは影の結界に閉じ込められたのか?


いつの間に?



六耳彌王「闇影魔王と同じ術のようだッチ」


鵬魔王「どうやら他の皆は気付いてないようだね?」


六耳彌王「侵入者は五人?六人?狙いは美猴王兄貴の部屋!」



二人は急ぎ俺様の部屋に向かって駆ける。そこは闇に閉ざされ平行感覚が解らない空間になっていた。


鵬魔王「灯り炎」


六耳彌王「雷光」


二人は鵬魔王の炎の灯りをを頼りに先に進む。更に六耳彌王が床に雷を放つと目的の場所にまで走って行き光る道を作った。


二人が俺様の部屋の前に着いた時、侵入者もまた二人の存在に気付き襲って来たのだ。



鵬魔王「自力で出来るかい?」


六耳彌王「問題ないッチ!」


襲い掛かる二人の黒ずくめの侵入者に対し、二人は閃光の如き動きで切り裂き返り討ちにしたのだ!



鵬魔王「後、四人か?」


その時、


六耳彌王「!!」



鵬魔王と六耳彌王の身体が動かなくなったのだ?


そして闇の中から声が響き渡る?



『お前達は既に術中に入り込んでいたのだよ?』



それは侵入者の長であり、その力は闇影魔王に匹敵する程であった。



『どうやらお前達は先代の闇影将軍の事を知っているようだな?』



六耳彌王「へん!地上にいた影使いだろ?俺ッチが倒してやったッチ!」


鵬魔王「実際は蛟だろ?」


六耳彌王「俺ッチだって大活躍したんだッチ!」


鵬魔王「あっそ」


六耳彌王「信じてないでッチね?」



と、お喋りしている余裕は無かった。二人の身体から妖気が影に吸い出され始めたのだ??



鵬魔王「うっ…おぃ?霊薬持ってないか?」


六耳彌王「同じ事を聞こうと思っていたッチ!」


鵬魔王「残念…」


『なら、力付くで!』



が、二人は獣神変化で結界を破ろうとしたが、その妖気までも吸い出されていた。


つまり変化が出来ないのだ!?


完全な油断と不覚!



すると闇の中から人影が現れた。その者こそ侵入者の長であった。



隠陰将軍「私の名は隠陰将軍。闇影将軍後任の暗殺部隊の長だ!」



天界にも隠密に汚れた仕事をする者達がいた。


暗殺を目的とした部隊。


隠陰将軍


その実力は闇影魔王と対を成し、得意な術法は呪縛!それは鵬魔王と六耳彌王程の強者の妖気をも抑え込んだのだ。


更に三人の侵入者が未だに姿を見せないでいる。



隠陰将軍「先ず先に雑魚を始末してしまえ」


隠陰将軍の指示に三人の侵入者が姿を現し、


「!!」


鵬魔王と六耳彌王の前に倒れたのだ!


隠陰将軍「一体、何が?」


その時、自らの間合いに何かが入った?その瞬間鳥肌が立って隠陰将軍は本能的に飛び退く!そして、ゆっくりとその者の姿を目視していた。


その者は鵬魔王と六耳彌王も知っている…


「偶獣王!」


偶獣王は目覚めて起き上がると、音もなく隠陰将軍の間合いに入ったのだ。


もし隠陰将軍でなければ、その気配に気付く事なくナニか?をされていただろう。そう嫌なナニか?を!



隠陰将軍「何者だ?あの者は?確かにここは美猴王と呼ばれる首領の部屋だったはず?」



正解!


…俺様が隣に偶獣王を寝かせていたのである。



隠陰将軍「!!」


隠陰将軍はそこで、偶獣王の姿を見て震え出した。



隠陰将軍「ば…馬鹿な?その銀色の髪?その褐色の肌?有り得ない…お前は死んだはずではなかったのか?」


隠陰将軍は偶獣王の姿を見て、その正体に心当たりがあったのだ。しかも、それは?



『殺戮の破壊神…』



その瞬間、偶獣王の身体から凄まじい魔神の闘気が放たれる。その力は隠陰将軍の結界を一瞬で消し去ったのだ!


隠陰将軍は予想外の存在の出現に、



隠陰将軍「まさか…地上界の魔王は…こんな破壊神をも手に入れたと言うのか?」



隠陰将軍はこの情報を知り、その場から消えようとする。


俺様の命よりも、目の前の情報を知らせる事が重要と考えたのだ。



足下に影が現れて沈むように消えていく隠陰将軍。



六耳彌王「あれは空間移動術?逃げるつもりッチか?」


鵬魔王「ま…待て!あれを見ろ!」



偶獣王は隠陰将軍が消えた影の中に腕を突っ込み?


偶獣王「………」


無言で影の中に漆黒の覇気を放ったのだ!それは影の結界を内側からぶち壊し、その中にいた隠陰将軍が堪らずに再び外に飛び出して来たのだ。しかも、頭が飛び出た瞬間に偶獣王は隠陰将軍の顔面を掴み持ち上げる。


隠陰将軍「えっ、あっ…」



偶獣王は躊躇なく隠陰将軍の顔面を潰し、その漆黒の気が姿残らず消し去った。


そして再びベッドに向かって行き、ぐっすりと眠りについたのだ。



その一部始終を見ていた鵬魔王と六耳彌王は…



『…………』



茫然としていた。


残虐な殺戮に自信のある鵬魔王でさえ、偶獣王に恐怖を感じ、六耳彌王もまた闇影魔王に匹敵する隠陰将軍を瞬殺した偶獣王に口を開けたまま動けなかった。



二人は…


二度と偶獣王にちょっかい出さないと心に決めたのだった。



そんな夜の出来事でした。


美猴王「ぐぅ~スヤスヤ」


次回予告


偶獣王の登場に謎が深まる中、


前線で戦うのは?

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