六義兄弟猛攻!暴かれる塔多留天の正体?
蛟魔王の呪われた力をも知る塔多留天。
その正体は、まさか?
蛟魔王は塔多留天の圧倒的な強さに心を折られた…
が、万聖竜王の形見が再び蛟魔王に戦う炎を灯したのだ。
蛟魔王は万聖の槍を手に塔多留天に突きかかる!だが、塔多留天は素早い動きで躱していた。
塔多留天「万聖魔王の特殊な力か?触れれば厄介だが、それもお前の攻撃を見切った以上問題にならん!」
蛟魔王「私もお前の正体が解ったぞ…まさかそういう事か!」
塔多留天は蛟魔王の万聖の槍を紙一重で躱し、その度に雷が蛟魔王の身体に撃ち落とされる。蛟の盾で受けていなければ、一撃で命がない。
塔多留天「ふん!ここまでのようだな?」
塔多留天の雷が上空で塊となって、落雷が蛟魔王に向かって落とされる。
蛟魔王は盾を上げて受け止めるが、正面から塔多留天の雷撃が迫る!
蛟魔王「くぅ!うっ、えがぁああああああ!」
蛟魔王は直撃を受けて前のめりに倒れる。
塔多留天「終わりだ!」
塔多留天が雷の剣で蛟魔王の首を落とそうと振り上げた時、
塔多留天「!!」
塔多留天目掛けて四方向から攻撃が!?
それは牛角魔王、獅駝王、鵬魔王に六耳彌王だった!
塔多留天「まだ生きていたか?雑魚は引っ込んでいろ!!」
塔多留天は雷の剣を変形させて雷の鞭にすると、四方向から襲い掛かった牛角達を弾き飛ばしたのだ。
塔多留天「ん?一人足らん?」
その隙を付き、地面が盛り上がって来て俺様が強烈なアッパーを食らわす。が、それも躱されるが、そのまま俺様は身を回転させて蹴りを噛ます!
塔多留天「単調な攻撃だな?」
俺様の蹴りをも難なく躱し、余裕を見せた直後!
俺様の尾が股から飛び出て塔多留天の眼前に直撃したのだ。
堪らず一歩後退した塔多留天は俺様を睨む。その鎧の隙間の奥から見える眼光は俺様を一瞬怯ませた。
だが、負けん!
俺様は塔多留天と対峙する。すると牛角魔王と獅駝王、鵬魔王に六耳彌王が並び立つ。
美猴王「正直、こんな化け物がいるなんてな…」
塔多留天「お前がこの反乱の首謀者か?」
美猴王「名前くらい覚えろよな?俺様の名前は美猴王!この世界を手に入れる猿よ!」
塔多留天「戯れ言を…今の今まで我らが放置してやっていたに過ぎん。だが、もう放っては置かん!」
美猴王「俺様、モテモテだな?だが、お前なんかにモテても嬉しかねぇよ?」
塔多留天「お前が何を言ってるか解らん」
美猴王「バカやろー?そこは、ツッコミだろ?空気読めよ?バーカ!」
と、気を取り直し…
美猴王「うちの義兄弟[蛟魔王]をよくも、いたぶってくれたな?この借りは俺様達がリンチで返してやるぜ!」
塔多留天「雑魚は雑魚!良いだろう。まとめてかかって来い!その首を落とし、二度と天に叛く者が現れぬよう晒してやろう!」
美猴王「ヤれるもんなら、やってみやがれ!実は我慢限界で結構ぶちギレ寸前だったんだ!お前らぁ!いくぜぇ!」
そう。
蛟魔王は一人、俺様達の回復の時間を稼いでくれていた。俺様達は打ちのめされている蛟魔王を目の前にして、自らの再生をしていたのだ。
だから、これから先は!
俺様、牛角魔王、獅駝王、鵬魔王、六耳彌王が同時に印を結び唱える。
『獣神変化唯我独尊!』
俺様達の妖気が解放された!これぞ獣族妖怪の切り札!俺様達の身体から凝縮した妖気が鎧と化して装着されていく。
白き猿神の鎧を身に纏う六耳彌王、金色の獅子の鎧を身に纏う獅駝王に、漆黒の牛神の鎧を身に纏う牛角魔王、炎を纏った鳳凰の鎧を纏う鵬魔王、そして金色の猿神の鎧を纏う、この俺様達の姿が並び立つ。
美猴王「さぁて、今度はさっきのようにはいかねぇぜ!」
俺様は如意棒を抜いて塔多留天に向かって駆け出す。
塔多留天「足掻くなら、その手足が動かなくなるまで力の差を見せてやろう」
塔多留天を中心に炎が噴き出し塔多留天を覆う。
鵬魔王「僕をナメんなよ?そのまま鵬魔の炎で焼き殺す!」
が、鵬魔王の炎は塔多留天から放たれた斬撃から放たれる覇気で消される。
鵬魔王「クッ!」
そこに、
獅駝王「俺俺、最強!お前を倒して俺俺最強ぉお!」
塔多留天の真上から落下し着地と同時に強力な爪で切りかかる!その動きは予測不能!にも関わらず塔多留天は全て紙一重で躱し、僅かな隙を付いて獅駝王に傷を負わせていく。
美猴王「六耳彌王!俺様達も加勢に入るぞ!」
六耳彌王「あぃ!」
獅駝王の左右から俺様と六耳彌王が同時に攻撃する。
両左右、前方からの攻撃をも紙一重で躱す塔多留天に、後方から牛角魔王の妖気が高まっていた。
牛角魔王『乱鬼流奥義・二刀返三角刑!』
牛角魔王の二刀から繰り出される斬撃に合わせるように、俺様と六耳彌王、獅駝王が同時に躱す。
牛角魔王の突進しながらの刀技は…
塔多留天が覇気を纏い抜いた手刀のみで受け止められていた。
牛角魔王「何と!?」
塔多留天「驚く事はない。これが力の差だ!」
俺様達を圧倒する塔多留天の姿を見て驚いている者がいた。そいつは中央の塔から俺様達の戦いを覗き見て目を丸くしていた。
塔多留天の側近である。
側近「どういう事でしょうか?泣いて謝る予定だったはずじゃ?しかも私の目が間違いでなければ圧してないですか?あれ?」
側近は思い出していた。
鎧を着せた塔多留天がサイズが合わずに動けないので、仕方なく塔の下まで運び、再度土下座の仕方を打ち合わせし、塔多留天を残して一人塔に隠れたのだ。
そして恐る恐る覗いて見てビックリ、この状況?
一体全体何が起きて?
そう言えば…
塔多留天を残して立ち去る間際、鎧の中から小さな声で、
「た…助け…べぇ…」
と、聞こえたが?
はて?
と、その状況下で唯一塔多留天の正体に気付き始めた者がいた。それは満身創痍の状態で倒れて俺様達の戦いを悔しく見ている蛟魔王だった。
蛟魔王「まさか…地上に降りて来たと言うのか?あの化け物が…」
俺様達をも寄せ付けない圧倒的な強さ…
そして蛟魔王の忌々しい力を抑圧させた力…
そんな事が出来るのは、間違いはない!
塔多留天の正体…
それは!
蛟魔王「私の力を抑えた力は噂に聞いた聖天の力…
それを持つ者!
それは天界を支配する十二の天が一人…」
更に戦いはエスケープしたくな…じゃなくて、エスカレートしていく!
美猴王「野郎を倒すには?悔しいが、真っ向勝負で勝てる気がしねぇ?何か策を…あっ…あった!」
と、その直後!
突然、俺様達の獣神変化が解けてしまったのだ??
連戦続きで変化の持続時間が早く尽きてしまったのである。
だが、策はある!
美猴王「皆!」
俺様は六耳彌王の背後に移動すると背中に手を置いて、六耳彌王から義兄弟達に策を送る。六耳彌王はテレパシーを同時に送れる便利屋さんなのである。
策が伝わったと同時に俺様達は新たな印を結び始める。
それは獣神変化に匹敵する強力な変化!
俺様と鵬魔王が何かをすると気付いた塔多留天が向かって来た所を、六耳彌王が一人で道を塞ぎ時間稼ぎをする。
頼むぜ?
俺様は鵬魔王に合図して妖気を同調させる。
そうそう!凍結魔人との戦いで未完成だった神気を混ぜるんだよな?
『聖獣変化唯我独尊・鳳凰!』
そして鳳凰の鎧を身に纏い炎の翼を広げた凛として現れたのだ。
塔多留天は傷付いた六耳彌王の顔面を掴み、捨てるように放り投げる。
塔多留天「ほぉ?それが金剛魔王を倒したというお前の聖獣変化か?」
美猴鵬王「驚きたまげろ?」
塔多留天「同じ事!」
が、その時!更に凄まじい妖気の解放が起きたのだ!
それは獅駝王の聖獣変化した姿だった。その姿、雷を纏った大虎と獅子の鎧。獅駝王が倒した雷獣王雷我が聖獣と化して獅駝王の力となったのだ。
塔多留天「雷獣王の亡霊か?」
俺様と獅駝王の聖獣変化は炎と雷を纏い、大地を震わせた。
美猴鵬王「いくぜ!獅駝王!」
獅駝王「おぅ!」
雷と炎の塊が妖気を纏い塔多留天に襲い掛かる!獅駝王の雷の爪が!俺様の炎で変化した如意鳳凰剣が塔多留天に休める暇なく繰り出される。
さしもの塔多留天も攻撃を全ては弾き返せなくなる。
塔多留天「!!」
と、その時!
新たな力の波動が戦場を震わせた。それは一人、妖気を…違う?魔神の力を刃の一点に集中させていた牛角魔王だった。
あの技は熔岩魔王・祝融をも倒した一撃必殺の大技!
これが俺様の策!
奥の手だった!
俺様と獅駝王が時間を稼ぎ、牛角魔王が力を溜める準備をしていたのだ。
牛角魔王「待たせたな?」
牛角魔王は剣を構えると塔多留天に向かって駆け出し、
『乱鬼流奥義魔神剣抜刀・鬼一閃!』
牛角魔王の漆黒の刀が塔多留天を捉え、その一撃必殺の奥義が振り払われたのだ!!
直後、
凄まじい閃光が放たれ一帯を覆った??
えっ?
何が起きた?
牛角魔王が塔多留天をやったのか?
だが、
牛角魔王の漆黒の刀は塔多留天の目の前で止まっていたのだ!?
何故??
だが、よく見ると刀は塔多留天の前に現れた金色に光輝く何かに直撃した状態で止まっていた。
あれは何だ??
その光輝く何かを見た蛟魔王は呟いた。
蛟魔王「ま…間違いない…あれは!!」
『如意黄金宝塔!』
それは、蛟魔王が予想している者が持つ特別な神具だった。
あの宝具を持つ者…
それは只一人!
蛟魔王は万聖の槍を杖にして再び立ち上がる。
蛟魔王「塔多留天とはふざけた名だな?地上界の統治に痺れを切らして、わざわざ天界から王が自ら現れるとはな?」
その者!
十二天が一人であり、天上界を支配する一角!
名はその役目に応じて色々あると言われている。統治の時には多聞天、戦場では毘沙門天…
だが、総じて塔を守りし天の称号を持つ王!
托塔李天王と言った。
次回予告
その正体!
天を支配する十二の神王の一人、
天の称号を持つ王!
托塔李天王!!
※托塔李天王は前作
唯我蓮華~破壊神と呼ばれた少年~
全30話
にも登場しています。
また、この美猴王伝説とは何かしら繋がるエピソードがあるので、
是非、一読して下さると余計モヤモヤして楽しめるかもしれないかもしれないかもかも??




