表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天上天下・美猴王伝説!  作者: 河童王子
118/170

忌眼体蝕者の始まり?


屈強の水廉洞六兄弟がまさかの瞬殺??


一体、何が起きたと言うのか??



俺様は美猴王…


一体、何が起きたと言うのだ?


俺様、牛角、蛟に獅駝王、それに鵬魔王、六耳彌王は一斉に塔多留天に同時攻撃をした。


はずなのに!


俺様達は塔多留天の前に瞬殺されてしまったのだ。


うっ…


身体が動かねぇ?


そう、あの一瞬の出来事で?



俺様達が飛び出した瞬間、全員が塔多留天の姿を見失ったのだ?


その直後、後ろから獅駝王の叫び声が?


振り向くと、そこには瞬く間もなく移動した塔多留天が獅駝王の腹部に拳を当てていた。直撃と同時に獅駝王の目や鼻、口や耳、全身から血を噴き出させた。


そして崩れ落ちるように倒れる獅駝王に気付いた俺様達は、直ぐに駆け付け助けに入る!


先に迫ったのは牛角魔王と鵬魔王だった。


塔多留天は振り向き様に手刀から放った覇気が牛角魔王と鵬魔王に直撃…


いや?鵬魔王は不意を食らったが、牛角魔王は寸前で刀で受けとめた!


牛角魔王「グハッ!」


が、牛角魔王の胸に雷の矢が突き刺さっていたのだ?雷は刺さって、爆発した。牛角魔王は落下し、鵬魔王は地面に直撃し悔しがりながらも立ち上がろうとするが、


鵬魔王「えっ?」


見上げた目の前に塔多留天が立っていて、同じく雷の剣で背中を突き刺された。


美猴王「六耳彌王!油断するな?奴は雷を使っ…」


が、


六耳彌王「えっ?」


再び塔多留天の姿を見失った六耳彌王の背後に塔多留天が剣を振り上げていた。


美猴王「後ろだぁー!」


が、振り下ろされた剣は六耳彌王の背中を縦に斬りさいた。倒れる六耳彌王に、俺様はぶちギレ塔多留天に向かって分身を出して向かわせる。


塔多留天「渇!」


が、塔多留天の気合いだけで俺様の分身達は全て消え去り、本体の俺様の顔面に塔多留天の拳が迫った。



一瞬だった…


瞬く間の出来事…



俺様の意識が遠退き、最後に塔多留天は状況を掴む間も与えずに、蛟魔王に襲い掛かる。


塔多留天「!!」


塔多留天の雷を籠めた拳は蛟魔王の蛟の盾により受け止められていた。


蛟魔王「クッ!」


塔多留天「どうやらお前には加減し過ぎたようだな?」


確かに蛟魔王に対しての攻撃には僅かに手を緩めたふしがあった。その僅かな手加減のお陰で蛟魔王は蛟の盾で受け止める事が出来たのだ。


塔多留天「だが、今ので気を失っていれば良かったと思うぞ?」


蛟魔王「!!」


蛟魔王の腹部に塔多留天の膝が直撃する。


血を吐き倒れる蛟魔王の髪を掴んだ塔多留天は見下ろしながら言った。


塔多留天「お前は生かして連れて帰る。痛い目にあいたくなければ抵抗は止めるのだな?」


蛟魔王「連れて帰るだと?とんだお持ち帰り宣言だな?悪いが私は男に不自由してないし、お前は好みじゃないんだよ!」


その瞬間、蛟魔王は顔を叩かれた。殺意こそないが、頭を揺らされ力が入らなくなる。そして塔多留天の口から思いがけない言葉が?


『忌眼体蝕者』


その言葉を耳にした時、蛟魔王の身体が震えだし力が抜けていく。


塔多留天「神が手に入れし禁忌の力よ…」



この地上はかつて三体の魔神の最高神が支配していた。伏羲・女媧それにその子の神農であった。



その日、世界が割れた!


空に穴が開き、その穴から何かが現れたのだ。


それは神?


否!


妖怪?魔神?


否!


それは人間だった!


だが、その者達はただの人間ではなかった。


神を狩る人間達…



中央の者を中心に十二人の人間。その者達の呪われた血は神をも溶かし消し去り、更に神の持つ力を無効化させたのだ。そして、その瞳が銀色に輝くと、忌眼と呼ばれる魔眼に似たはかり知れない力を発揮した。


その者達は人間で有りながら、最高神である三神を追い詰めていく。既に何百万という魔神の一族が狩られ、生き残ったのは三神のみとなった時、



再び世界が割れたのだ!?



その割れ目より再び現れし者がいた?それは太陽の如き後光と、金色に光輝く異質の神気を纏った異界の最高神だった。そして、その者に従いし十二体の神!



敵か味方か?


奇しくも人間達の数と同じ十三の数。


呪われた力を持つ人間達と異界の神々は互いを敵と知っていたかのように、激しい戦いが始まった。



どれくらいの時が経っただろうか?


互いに傷付き、散っていく。



そして、ついに異界の神は呪われし人間達を再び世界の割れ目へと追いやったのだった。


だが、勝利を掴んだ異界の神々は、力を失った旧支配者達をも牛耳り始め、成り代わって天界をも支配し始めたのだ。


異界の神は十二天と呼ばれ、この人間達との戦いにて三天が戦死した。残った九天は元いた世界とこちらの世界とに分けて支配する。


あちらの世界をシヴァとブラフマンが、こちらの世界をインドラとクベーラが支配する。また生き残った他の天は世界支配には興味がなく両方の世界、或いは一方の世界に散っているという。


これにより今の天界支配の世界構造が出来上がったのである。




だが、これから先が問題であった。


天が戦いし異端の人間達。


あの戦いで天は二人の人間を倒し、一人の異端を生きたまま捕らえていたのだ。


そして謎の力を持った人間を調べ始める。


その血は神の力を蝕み無効化させ、その瞳が銀色に輝いた時…


その力に抗うすべがなかった!


唯一、天が纏う金色のオーラ意外は?


まるで互いの力が中和されるかのように…


『我らの力と拮抗する力とは…』


『これが人間が持つ力とは…恐ろしい…』


『だが、この力を捨てるのは惜しい…』


『ならば活かすか?我らの手で!』



それが発端。


異端の力は神によって新たな悲劇を生む兵器となった。それが最初に使われたのが、人間と神仙、神々による大量な死者が続出した戦乱が起きた時だった。


否!


この戦乱の引き金になったのが、この力だったのだ!


天は捕らえた異端の人間の力の源であった忌眼を抜き出し、その力を神々の手足となる者に移植を試みたのである。


だが、数多くの有資質者が気を狂わせ、発狂し消滅して消えた。


失敗は数知れず…


唯一候補であった者も力の欠片で発狂していたが、幾度と繰り返し成功かと思われた寸前の所で逃亡。


実験は終わり?


否!


その後に新たな候補者が現れた。それは九尾の狐妖怪であった。


忌眼を持った九尾の狐は事もあろうに地上界に逃亡し、人間の王を使って天界に戦乱を呼び込んだのだ。



後の封神大戦である。



戦争は天界が勝利を手に入れた。が、あの忌眼が何処ぞに消えてしまったのだ!


時は流れる。


天は忌眼の行方を探し、ついにその在処が?


竜神界であった。


だが、竜神の一族は聖獣族の頂点に位置する。



下手に手を出せば神族も大きな被害を被るのは解っていた。なので、腕に確かな者[闇影魔王]を筆頭に侵入させた。


だが、それも失敗。


忌眼の在処は再び闇に消えたのだった。



と、思われていた…



塔多留天「お前を反乱軍として戦場に誘き寄せ、天の裁きとしての理由を以て始末する。全てが目論見通りだ!」


蛟魔王「あっ…あぁ…」



蛟魔王は戦意を喪失していた。塔多留天の力が圧倒的だから?


否!


自分が天界の目論見に動かされて、まんまと現れてしまったから?


否!


いや、それは少し…


それよりも、自らに封じた忌眼が天界に奪われる恐怖と、恐らく自分は洗脳され使われ、今度は竜神界だけでなく今の仲間達を襲わせられるかもしれぬ恐怖!



蛟魔王「使われて、たまるかぁー!!」


蛟魔王は塔多留天に向かって飛び掛かる。その眼前には塔多留天の刃が迫る。


塔多留天「!!」


その直後、蛟魔王は無防備に身体をさらけ出す。


咄嗟に剣を引き戻す塔多留天は剣を消して蛟魔王の顔面を掴み地面に叩き付ける。血を吐きながら立ち上がろうとする眼前に塔多留天の指が近付く。


塔多留天「聞いていた。まんまとお前を傷付けてしまう所だった。お前は失敗策だったらしいな?その身を傷付けられ大量の出血を出さねば力を解放出来ない出来損ない!」


蛟魔王「くぅ…」


塔多留天「そう恐がるな?俺の目的はその目だ!お前の目を抉り奪うだけでも事足りる」


蛟魔王「貴様の思い通りになると思うな!」



その瞬間、蛟魔王の身体から凄まじい覇気を交えた竜気が爆発する。


『竜神変化唯我独尊!』


蛟魔王は竜神の鎧を身に纏い構える。


塔多留天「それで勝てるつもりか?」


蛟魔王「当然、無理だろうな?だから、こうするのさ!」


蛟魔王は手刀に竜気を籠めると、


塔多留天「き、キサマ!」


自らの身体に突き刺したのである。大量の血が蛟魔王の身体を染めていく。



蛟魔王「こぉ…ぬぉ…ちぃ力を、つかてデモ…おま、おま…おまェを…コロシ、てや…る!」



蛟魔王の瞳が銀色に光輝き、血が蛇のように意思を持ったように動き出す。それは万聖竜王の時に見せた神殺しの忌々しい血の暴走の力だった!



蛟魔王「この力は…おまぇ…の、力も……」


塔多留天「だが、無駄だ!」


蛟魔王「!?」


塔多留天の身体から蛟魔王の血の力と対極するような金色のオーラが閃光の如く放たれた!それは蛟魔王の血を見る見る引かせ、蛟魔王の力を完全に抑制させたのだ!?



蛟魔王「そ…そんな?馬鹿な!?」


塔多留天「我が聖天の力は異形の力をも封じる頂天の力だ!」


蛟魔王は力が抜けていき跪く。もう抗うすべが残ってはいなかった。


同時に心が折れた…


あの蛟魔王の目から戦う心が折れてしまったのだ。



塔多留天「観念したようだな?ならば、その目を頂くぞ!」


塔多留天の指が蛟魔王の目に突き刺そうと近付く。


蛟魔王「あ…あぁ…」


が、塔多留天は蛟魔王から距離を取るように後方へと飛び退いたのだ!



蛟魔王「私に…まだ戦えと?私を…まだ守ってくれると言うのか?」



蛟魔王の右腕が無意識に動くと白く光輝き、塔多留天を退かせた。


光は白く輝く槍と化していく。それは!?


『万聖の槍!!』



それは万聖竜王の腕が元となって作られた特性の槍であった。それが蛟魔王を守ったのだ?


いや、これは万聖竜王が残した最期の遺産。万聖竜王は蛟魔王との戦いで蛟魔王の右腕を万聖負荷の力で消滅させた。だが、それも自らの力を託すため…


万聖竜王は失った蛟魔王の腕に、自らの万聖の槍を移し再生させたのだ。


力の移植。


残された魂の力を!!



蛟魔王「そうだな…お前の分も私は戦わねばなるまいな…良かろう!私は戦い、必ず勝って生き抜いてみせるぞ!」




次回予告


塔多留天の正体は?


この桁違いの存在に勝つ事が出来るのだろうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ