地上制圧最終決戦!残るは塔多留天のボス!?
地獄門は閉ざされた。
後は、この勢いで塔を目差すのみ!
俺様は美猴王様だ!
物語は進む。
凍結魔人、サクヤ竜王と一角鯨竜王は自らの命を使い地獄門の扉を塞ぐ事に成功した。
蛟魔王と六耳彌王は敵であった凍結魔人が何故自分達の代わりに地獄門を塞いだのか解らないでいた。
蛟魔王「………」
六耳彌王「あれ?」
気付くと蛟魔王の目から涙が流れ落ちていた。
六耳彌王「姉御?どうしたのですか?」
蛟魔王「えっ?」
蛟魔王自信が自分の涙の意味を理解出来ないでいた。
それが産まれて一度も会った事のない。戦場で戦死した姉との二度目の別れであり、自分を救うための知られざる戦いだった事も…
場所は代わる。
戦場は突然の状況に混乱しつつも、水廉洞闘賊団が優勢に動き始める。
不死の大王鬼神が、倒れた後に蘇って来ないのだ!
剛力魔王「はぁ…はぁ…誰か、成功、した」
怪力魔王「後は…」
牢獄に囚われていた者達だった。中には一桁クラスの元魔王もいて、自由を約束され戦っている。
刀剣魔王「確かに厄介だが、倒せば我々の勝ちだ!」
それに万聖軍の猛者も頼りになった。こちらにも一桁クラスの元魔王がいるのだ。
風雲魔王「巻き上がれ!疾風斬激!」
真空の刃が敵軍を切り裂く!風雲魔王は元黄風魔王の隠密であった。黄風魔王が別の誰かに代わり正体を知ろうと調べている最中に偽黄風魔王の直属の配下だった虎穴に始末されたはずだったが、辛うじて生きていた所を万聖魔王に救われ配下になったのだ。
風雲魔王「一角鯨竜王殿…逝ったのか?貴方の分も自分が命の限り戦いましょう!」
戦場は加熱を増しながらも勢いは水廉洞闘賊団にあった。
これはもう…
このまま、いっちゃえ?
って、感じがあった。
俺様達が落とす最後の仕事は?
中央にある塔にいる妖魔王最後の一人だけ!
金剛魔王を押し退け、現在ナンバー1の称号を持ち、自らを塔多留天と名乗っていた。
塔多留天「………」
塔多留天は側近の者から戦場の現状を見ていた。
そして一言…
塔多留天「マジにヤバくねぇ~??」
塔多留天は小太りのチビな妖怪だった。
塔多留天「どうするッペ?もう近くまで来てねぇべか?」
側近「既に塔を守護する熔岩魔王様も闇影魔王様も戦死のようです」
塔多留天「何と?何と?どういう事よ?熔岩魔王に地位をやると言われてなってみたが、こんなんじゃ私は賊に首を落とされるんじゃないべさ?」
側近「ですね」
塔多留天「ですね、じゃねぇーよ!どうするんだって話だべよ!」
すると塔多留天は手を叩き閃いたのだ。
塔多留天「今直ぐにお宝をかき集めよ!ありったけだぞ?そして賊の美…美…なんたらに献上して泣いて謝るッペ!」
側近「美猴王でございます」
塔多留天「そうそう!美猴王だ…って、名前はどうでも良いから!そうじゃなくて私の身の安全を考えなきゃダメだろ?何故、そんなに冷静なんだ?」
側近「あの…私、今から暇を頂きたいのですが…」
塔多留天は逃げようとする側近の腰に掴まり逃がさないようにする。
塔多留天「お願い!逃げないで~見捨てないで~」
側近「今まで良い思いしたツケでございますよ~諦めてください~」
塔多留天「嫌やぁ~」
二人は取り乱し息を切らしながら、暫くドタバタした後に冷静になって考えた。
二人が考えた最後の策…
それは?
側近「そうでは有りません!もっと気合いを!思いを乗せるのです!」
塔多留天「こうか?こうか?こうなのか?」
側近「違います!大切なのは魂をどれだけ籠めれるかです!その思いを一点に乗せるのです!」
二人は何を?
まさか今から修行??
塔多留天は床に額を擦り付けて土下座していた……。
側近「思いを頭に乗せ、その勢いを頭に乗せ謝罪するのです!魂が乗った土下座は相手を怯ませ、なんか~許しても良いかな?そこまでしなくても…って、躊躇させる効果があるのです!」
塔多留天「こうか?こうか?こうか?」
側近「もっともっと!心が足りません!」
塔多留天「こうかぁ~?」
と、漫才にも思える事を本気でやっている二人を放っておいて…
既に、俺様と獅駝王は大王鬼神達を全部倒していた。
獅駝王が最後の大王を倒した所で、
美猴王「これで終わりだな?」
獅駝王「まだまだ物足りないぞ?俺俺?」
美猴王「なら、最後の山場!中央の塔に殴り込むぜ?」
獅駝王「おぅおぅ!」
俺様と獅駝王は中央に向かった。
どうやら一番乗りになりそうだな?そしてついに塔の近くにまで来たのである。
最後の魔王はどんな奴なのだろうか?
油断は出来ねぇな!
何せ地上界に君臨する妖魔王の最高主!己を天界の神の王である象徴『天』を恐れる事なく名乗る事から、腕にそれだけの自信があるのだろう。
だが、恐れる事はない!
俺様には頼りになる義兄弟がいるのだからな!
俺様の隣には、一桁ナンバーでも荒ぶる破壊の雷獣の王・雷我を倒し、太古より蘇った妖恐のボス・ギガノを倒した…
獅駝王!!
それに俺様と獅駝王の後に続くように中央の塔に向かって来る姿が見えたのは蛟魔王と六耳彌王だった。
水廉洞闘賊団の頭脳とも言われ、戦場を幾度とひっくり返した軍師、一桁ナンバーの万聖魔王や闇影魔王を倒し、更に万聖軍を味方に付けた…
蛟魔王!!
そして独角鬼との約束を守る義兄弟。兄弟達から命を授かり死の淵より蘇り、妖恐との戦いでは最強クラスのティラノを倒し、更に闇影魔王を倒す力となった…
六耳彌王!!
そこに上空が明るくなり、火の玉が落下して来て俺様の隣に着地する者が?
「上空の雑魚は全員焼き殺してやったよ?」
それは天空を支配する炎術師、一桁ナンバーの黄風魔王と妖恐プテラを倒し、あの金剛魔王との一戦では俺様と聖獣変化をして合体した…
鵬魔王!!
すると、既に俺様達の前方に見知った背中が先を走っている?
そいつは一桁ナンバーの玉面魔王をたらしこ…仲間にして、更に一桁ナンバー最強クラスと思える熔岩魔王・祝融を倒した…
牛角魔王!!
牛角魔王「遅かったな?」
美猴王「うるせー!掃除してたんだよ?てか、身体は大丈夫なのか?」
牛角魔王「問題ない。玉面魔王に回復して貰った」
美猴王「そうか~なら、心配ねぇな?」
牛角魔王「ふっ」
そして、この俺様!
数々の戦いで、この仲間達を率い、更に一桁ナンバーの眼力魔王を倒し、黄風魔王との激闘。更に友になった砂塵魔王を仲間にし、妖恐ティラノと骨覇魅神・錬体魔王、第二魔王の金剛魔王をも撃破した俺様…
美猴王様がいるんだ!
何も恐れる者はいねぇぜ!
俺様率いる六義兄弟は中央の塔へと向かう。
で?
中央の塔では?
塔多留天「うわうわ?来たべ?来たべ?どうするべかよ?あたふた~あたふた~」
側近「お渡しする金銀財宝は用意致しました!」
塔多留天「土下座の練習はもう…やるだけの事はやったべな?」
側近「バッチリでございます!誰が見ても最高の土下座マスターです!」
塔多留天「あ~もうやり残した事はないべな?」
側近「あ~身嗜みがまだでは?」
塔多留天「そ、そだな?やはり第一印象は大事だべな?身嗜みは大切だな?」
二人はあたふたしながら衣服と鎧を探す。
塔多留天「でも、どんな鎧を?特別なのなんてないべよ?」
側近「そういえば…確か闇影魔王様が用意してくださった鎧があるじゃないでしたっけ?」
塔多留天「そうだな?一度も袖を通した事がなかったから忘れていたべよ?何処に閉まっておいた?」
側近「確か、倉庫に!今、ご用意致します」
そして側近が用意した鎧は、とても立派な武神の鎧だった。だが、その時気付いたのだ!
塔多留天「私に、サイズが合わないやんけ~」
もう、時間がないのに何をやってるの??
側近「仕方ありません!取り敢えず無理して入れちゃいましょう?」
と、強引に小太りの塔多留天に鎧を着せたてか、押し込んだのだった。
が…
塔多留天「重くて動けないでふ…」
駄目だこりゃ…
塔多留天「鎧の中で足が浮いて動けないし、腕も宙ぶらりん~倒れたら起き上がれなくないべか?あ、股が痛いべよ~」
側近「あ~!とにかく兜を被ってください~」
塔多留天「痛い痛い!顔挟まってる~痛いべぇ~!」
と、そんなこんなで?
俺様達は塔多留天の待つ中央の塔の前にまで着いたのだ。
長かった…
俺様が世界征服を誓ってから動き出し、義兄弟や仲間達の協力を得てここまで来た。どれだけの仲間達が夢なかばで消えていっただろうか?それに苦しくも悲しい別れもあった…
美猴王「よし!」
俺様は一歩足を踏み出す。
そこに、
牛角魔王「どうやら大ボスのお出ましのようだぞ?」
塔の前に、立派な鎧を纏った者が一人、待ち構えていたのだ。
蛟魔王「不気味な奴だね?私にすら妖気を全く感じさせなぃ…」
鵬魔王「しかも僕達を前に怯むどころか微動だにしないなんてね」
六耳彌王「余程自信あるッチかね?」
獅駝王「あいつ強いのか?なぁ?なぁ?」
美猴王「とにかく油断はするなよ?奴が間違いなく塔多留天に間違いない!」
俺様達は同時に闘気を放ち、同時に一斉に塔多留天に向かって襲い掛かった!
塔多留天が小さな声で何か言ったように聞こえたが、気のせいだろうな?
勝負は…
一瞬で決着が付いた??
えっ?あれ?あれぇ~?
俺様達の、
全滅だった。
次回予告
あれ?何が起きたのか?
まさかの展開に全滅寸前?
だが、ここで終わるわけにはいかない!




