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天上天下・美猴王伝説!  作者: 河童王子
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古豪の老兵!一角鯨竜王の戦い!


凍結の魔人の過去、


それは絶望から狂気の化け物を作り上げた。


だが、ここにも?


凍結魔人…


かつて勇者であった半人半妖。


だが、過去の悲惨な体験より殺戮の魔人と化した。


それは天界にすら目を付けられ、かつての上位魔王達により討伐された事になっていた。


しかし!


今、再び現れて水廉洞闘賊団を殺戮繰り返していた。


凍結魔人は氷結の術を使い生きとし生ける者全てを凍り付けにする。


凍結する仲間達…


自分が死んだ事にすら気付かないまま凍死した。



その凍結魔人が今向かっている場所は?


それは突然の殺気だった。


冷え込む凍気に気付き、大地を一瞬にして凍り付かせながら辺り一帯を白面世界へと変えた。


その場にいた殆どの敵味方が凍り付けとなっていく。


「何だよ?野郎は?」


それは、俺様美猴王だった。俺様、獅駝王、鵬魔王は不死の大王鬼神達と交戦中の最中、突如新たな敵が姿を現したのだ。


魔王?


違うな?あの妖気は半妖か?だが、何だよ?あの桁違いの妖気は??



獅駝王「何だ?何だ?アイツは?また強そうだぞ?また俺俺喧嘩するか?」


鵬魔王「ちょい待ちなよ?まだ大王鬼神の連中がいるんだ?あっちを忘れてないか?」


美猴王「不死の大王鬼神が百体に、桁違いの半妖が一体か?どっちもどっちな状況、まじ最悪な感じ!」



仕方なく、俺様は獅駝王と鵬魔王とジャンケンで決める。結果、獅駝王が一人で大王鬼神を百体の相手をし、俺様と鵬魔王が新たに現れた奴[凍結魔人]の相手をする事になった。



美猴王「鵬魔王?解っているな?」


鵬魔王「う~。解ってるよ!アイツは強いって!だから最初から…」


美猴王「飛ばして行くぜ!」



俺様と鵬魔王は印を結ぶと同時に飛び上がる。そして互いの妖気を同調させて唱えたのだ。


『聖獣変化唯我独尊・鳳凰!』


俺様と鵬魔王は合身し、聖獣の力を持った俺様となったのだ。炎の翼を広げ、凍結魔人に向けて火炎放射を放つ!


が、同時に凍結魔人も口から凍気の息を吹きかけ衝突した。熱気と冷気が互いに弾き返される。



美猴鵬王「何て冷気だ?俺様達の炎を吹き返しやがったぞ?こんな奴がまだいたのかよ?」



だが、


水廉洞闘賊団の危機は俺様達だけではなかったのだ。


各戦場で仲間達が苦戦を強いられていた。


蛟魔王は新たに現れた妖怪達に困惑していた。



蛟魔王「どうやら…敵さんは見境ないようだな?」


六耳彌王「魔王以外にこんなに強い奴が地上界にいたなんて…」


蛟魔王「いや?こいつ達は元魔王だよ?しかも天界に叛き、狂暴かつ達の悪い荒くれ魔王だったために現魔王達によって討伐されたと思われていた連中だ!」


六耳彌王「元魔王?」


蛟魔王「あぁ、そいつ達が何者かによって解放され私達の敵として現れたのだ!恐らく、解放される条件、又は再び魔王に返り咲く事を理由に私達の討伐を命じられたに違いない!」



元魔王達による反逆者達が敵として戦場に現れて暴れ始めたのだ!


六耳彌王「だったら中央を憎んでいるんじゃないかな?本当なら俺ッチ達の味方になるんじゃ?」


蛟魔王「それだけ魔王システムは居心地が良いんだよ…尻尾さえ振っていれば自由気ままな安泰生活が約束されているのだからな?」


六耳彌王「ムカつく!」


蛟魔王「それに従わない連中は既に処罰…とっくに極刑にされているだろうがな?」



それは水廉洞闘賊団の優勢をひっくり返した。


反逆の元魔王…


中には一桁クラス相当の力を持つ化け物もいた。


その数は解るだけでも三十三体くらいか?


更に不死の大王鬼神まで相手をしているのだぞ?


戦力に差が…



蛟魔王「そろそろか…」


六耳彌王「?」


すると蛟魔王は術札に念を籠める。術札が光ると同時に、水廉洞闘賊団の本拠地に貼ってあった術札も光る。それを見た待機部隊が、


「ようやく俺達の出番のようだな?」


「待ちくたびれた。このまま出番ないかと思ったぞ」


本拠地から幾つもの飛行雲が飛び立つ!同時に本拠地が炎に焼かれて爆発した。それはもう帰る場所を捨てた総力戦!今、飛び立ったのは水廉洞闘賊団の…蛟魔王の隠し玉、奥の手?


総勢、5000の猛者達が出陣したのだ。


数?多い?少ない?


いや、こいつ達は限りなくモサモサなのだ!


万聖竜王が各地より密かに集めた荒くれ者の反乱分子の軍隊。


万聖軍!


万聖竜王亡き後は、蛟魔王直属の配下として力を奮ってくれるのだ。


そして上空に巨大な影が動き出す…


その影が戦場の真上に見えた時、まるで雨のように何かが降ってきたのだ?


妖気を纏った万聖軍!



その中の一人、巨鮫の鎧を纏った妖怪がノコギリのような武器を手に叫ぶ!


「さぁ!暴れさせて貰うぞ!」


更に八本の足を持った蛸の鎧を纏った妖怪が敵兵を掴まえ締め上げる。


狂鮫将軍と蛸阿外将軍。

※キョウザメ、タコアゲ


そして空を移動していた影が降りて来て、その姿を見せる。


一角を持った竜神と巨大鯨の半竜妖怪の一角鯨の鎧を纏った老戦士。


一角鯨竜王!

※イッカクゲイリュウオウ



かつて四海竜王に匹敵する力を持ちながら竜神界を追われ、万聖竜王との一騎討ちの末に忠誠を誓った大将軍である。


その力は蛟魔王の折り紙付きだ!強力な覇気を纏い、敵軍にいた反逆魔王に対して威嚇する。



『儂に刃を向けたら最後、生きては帰れぬと思え?』



だが、相手もまた見上げる程の山のような元魔王・山岳魔王だった。山岳魔王は金剛魔王の右腕であったが、その狂暴さに仲間達を娯楽で殺し、金剛魔王が直接討伐したと聞く。


だが、山岳魔王を相手に一角鯨竜王は巨大な槍を振り回し、向かって来る山岳魔王を一振りで退かせ、その覇気を籠めた突きは山岳魔王の土手っ腹を貫通させて倒したのだ。



一角鯨竜王「今こそ生き残った意味を!この命を使う時が来たようじゃ!」



一角鯨竜王は過去、若くして四海竜王に匹敵する力を持ちながら、当時の四海竜王である紗紅椰竜王[※サクヤ]の側近だった。


名を一角鯨将軍。



紗紅椰竜王は元四海竜王の紅一点、その美しさと華麗なる剣技にて数々の武勲をあげていた。


紗紅椰竜王「これで大体片付いたわね?」


一角鯨「そうだな」



一角鯨は無口な若者で、他者の竜神族の仲間とも関わらない一匹狼的存在だった。


唯一心開いた相手が、


紗紅椰竜王「でも、どうしてなの?」


一角鯨「何がだ?」


紗紅椰竜王「だって、君さ?私と同じ四海竜王に推薦されているんでしょ?どうして?」


一角鯨「それは…」


紗紅椰竜王「どうして?」


紗紅椰竜王が一角鯨の顔を覗きこむ。


一角鯨「うわっ!近っ!あ、イテッ!」


堪らずに腰をかけていた岩に後頭部をぶつけてしまったのだ。


紗紅椰竜王「何を慌ててるの?」


一角鯨「本当に解らないのか?」


紗紅椰竜王「やっぱり幼馴染みだから?」


一角鯨「それもそうだが、俺は…」



紗紅椰竜王は竜神界では血統が高く、由緒正しい出身であった。それに比べ、一角鯨は竜神と鯨妖の半妖の身分。血統高い竜神に使われる下等種であった。


だが、武勲を上げれば其れなりに称号も位も上がる。一角鯨は我流で剣技を磨き、数々の戦場を生き抜き、その才能を開花させた。


既に四海竜王に匹敵する力を持ちながら、四海竜王になる事を拒み、四海竜王である紗紅椰竜王の側近に甘んじていた。


だが、本当の理由は…



一角鯨「鈍感な奴だ…」


紗紅椰竜王「えっ?」


一角鯨「もぅ良い!」


紗紅椰竜王「変なの?」



と、まぁ…


それでも一角鯨は満足だった。


この一時、一緒に、傍にいられる事が幸福だったのだ。



だが、



それも終わる時が来た。



それは地上界にて天界の神と竜神との戦場が行われていた。竜神族の不利な状況下で、ついに竜神界より援軍が現れたのだ。


四海竜王の紗紅椰竜王!


紗紅椰竜王の参加に竜神族の指揮が上がる。更に上空より巨大な鯨が落下して来て、人型へと代わり戦場のど真ん中に着地する。


一角鯨将軍!


一角鯨将軍は大槍を振り回すと、神族の神兵が吹き飛んでいく。


正に無双の強さ!


実質、四海竜王の実力を持った一角鯨将軍と紗紅椰竜王の参戦に、竜神族が天界軍を圧していく…


が、その時現れたのだ!



それは地上界の化け物が一体?


ソイツは現れたと同時に攻撃を仕掛けて来た。


だが、ソイツは竜神族だけでなく天界の神にも見境なく惨殺し始めたのだ!



一角鯨「何だ?アイツは?」


鳥肌?


寒気が走った…


ソイツの出現に仲間達が次々と消えていく。この状況に即座に動いたのが紗紅椰竜王だった。


仲間達に撤退を命じ、一人でソイツに向かって駆け出したのだ?


何を?


紗紅椰竜王「私がアイツを止める!君は仲間達を率いて竜神界へと戻るの!これ以上、仲間達を殺されてしまわないように!」


一角鯨「なら、俺も!」


紗紅椰竜王「命令よ!」



一角鯨は仕方なく仲間達を待避さて、他の将軍に任せた後、直ぐに戦場へと戻った。



一角鯨「俺が行くまで待っていろよ!紗紅椰!」



一角鯨が戦場へと戻った時、そこは静けさだけが残る有り様だった。


そして、戦場中心部で激しい戦いがあった形跡があり、そこで目にしたのは…



氷の棺の中に閉じ込められた紗紅椰竜王の姿だった…



一角鯨「紗紅椰ぁー!今、助けるぞ!」


だが、一角鯨がその氷の棺に手を伸ばそうとした時、突如辺り一面の凍結した氷が粉々になっていく?


「あっ…」


それは氷の棺にあった紗紅椰竜王も同じく、一角鯨の目の前で粉々になって消えたのだった。



「ウグゥオオオオ!」



一角鯨の怒りと悲しみの叫びが戦場に響き渡る。


一角鯨「ゆ…許さんぞ…決して…許しはせん…ぞ」



血の涙を流す一角鯨は誓った…


復讐を!


氷術を使う化け物に!




その後、一角鯨は竜神界に戻らずに逃亡した。


一人で復讐を果たすため…



帰る場所を失った復讐鬼と化した一角鯨は、後に地上界の魔王となった万聖竜王と出会い、復讐の情報を見返りに仲間となったのだ。


そして、今!



一角鯨竜王「感じるぞ!奴の妖気を!奴が近くにいる!!」



それは新たな復讐劇の始まりだった。


次回予告


凍結魔人と一角鯨竜王!


互いの悲しみは負の連鎖により新たな因縁と戦いを生み出した。

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