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天上天下・美猴王伝説!  作者: 河童王子
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目覚める咆哮!ギガノの脅威!!


美猴王と六耳彌王の危機に現れたのは?


頼れる馬鹿だった!!


俺様は美猴王!


砂塵魔王が俺様の身代わりとなった。


更に六耳彌王が妖恐ギガノによって命の危機に陥った時、突如現れ六耳彌王を救い、俺様達の前に現れた者がいた?そいつは!!



それは少し話を遡る。



ここは水廉洞闘賊団の本拠地。本拠地には戦場にて傷付いた仲間達が治療、休養を取っていた。


だが、この時も仲間達は中央の地に戦場に出ている。この場にいる者達は悔しく、力不足に己を嘆く仲間達。早く仲間達と一緒に戦いたいと願っていた。


だが、俺様が制した!


傷を癒すまでは戦場に出る事は許さない!もし背いた者は脱退を命じると!


そして、獅駝王もまたここにいた。


雷獣王・雷我との戦いの後、眠りから覚めないでいたのである。


原因は戻って来た蛟魔王にすら解らなかった。


恐らくは精神的な原因?



万が一、この状態の獅駝王が襲われたらひとたまりもない。なので、この場には三大仙と呼ばれる獅駝王直属の配下が守っていた。既に一度、忍び込んだ魔王を一体倒しているのだ。



鹿大仙「それにしても獅駝王様はいつ目覚めるのだろうか?」


虎大仙「俺達は信じるしかない!獅駝王様がこのまま終わるはずない!」


羊大仙「信じるしか…」


『!!』


と、その時!突然揺れ始め地震が起きたのだ?いや?地震ではない。この揺れは本拠地に強力な侵入者が外で蛟魔王と戦っているのだ!それは妖恐・トリケラ!


妖恐の恐気が大地を震わせ、力無い者達は意識を失っていく。まさに生きる破壊的な恐気だった。


その時!!


その恐気の強き匂いに誘われるかのように、僅かに動いたのだ?


眠っているはずの獅駝王の指が?



鹿大仙「今?微かに感じたぞ?」


虎大仙「俺もだ!」


羊大仙「ついに目覚めるぞ!ついに!!」



『我らが獅駝王様がぁ!』



その直後、三大仙の前で眠っいる獅駝王の身体が強烈な光を放ち、気付くとその姿が轟音と共に消えていたのだ!



そして、


「臭いする…近くにいる奴じゃない?離れている場所に、もっと!もっと!わくわくするような強い奴の力を感じるぞぉおおお!」



雷が大地を駆け抜ける!



そして、現れた場所が俺様と六耳彌王の前にいる妖恐のボス!ギガノのいる戦場だった。



美猴王「獅駝王なのか?」


獅駝王は言った。


獅駝王「美猴王兄貴?こいつ貰って良いよな?俺俺、久しぶりにウズウズしてるんだぞ?」



相変わらずの空気読めない奴だな?だが、良いぜ?



美猴王「獅駝王!起きて早々悪いが、ガツンといっちゃええ!」


獅駝王「おぅさぁああ!」


獅駝王がギガノに向かって襲い掛かる!


ギガノ「お前、何者だ?突然現れて挨拶ないのか?」


獅駝王「俺俺、最強だ!最強の獅駝王だぁー!」


ギガノ「最強だと?そうか、なら面白い。最強を自負するお前を倒して俺が最強になってやろう?」



獅駝王とギガノの拳が衝突した。互いに拳が当たってる状態で身動きしない?が、二人を中心に大地が気の暴発で陥没した!


ギガノ「確かに喰いごたえありそうだ!」


獅駝王「俺俺も蜥蜴喰うの楽しみだぞ!」



互いに同時に蹴りを繰り出すと再び衝突し、大地が震え、空気が震撼する。


俺様は六耳彌王の腕を肩にかけ、その場から後方に飛び退いて距離を取る。



激しいぶつかり合いが繰り広げられる中、互いに退かない。俺様は二人の戦いを見ながら、


美猴王「六耳彌王?大丈夫か?」


六耳彌王「はい!それにしても、あの戦い…」


美猴王「だろ?あれ、本気じゃないんだぜ?」


六耳彌王「えっ?」


美猴王「雷我の時はもっと凄かった!よく見てろよ?いずれ俺様達もあの境地に追い付くぜ?」


六耳彌王「は…はい!」



激しい戦いは俺様に刺激を与えた。だが、まだまだだよな?次にするのは!



ギガノの身体から恐竜のオーラが抜け出て、再びギガノに吸収された時にギガノの身体から閃光が放たれて恐竜の鎧を纏ったギガノが姿を現したのだ!


同時に…


『獣神変化唯我独尊!』


獅駝王の身体からも金色の獅子のオーラが抜け出て、再び体内に吸収されると獅子の鎧を纏った獅駝王の姿があった。


あの野郎…


修行無しに獣神変化を修得してるんだもんな?


全く敵わんぜぇ…



獅駝王とギガノの戦いは更にスケールアップした!戦場は地上だけでなく上空でも激しくぶつかり合っている。


ギガノ「アハハ!こんな奴がいたのか?今まで出し惜しみとは嬉しいサプライズじゃないか?」


獅駝王「俺俺、お前みたいな奴と喧嘩出来て楽しいぞ?ぐぅ~もっと楽しもーぜ!」



両方とも戦闘馬鹿だ…


命のやり取りを楽しんでやがる…



だが、先のティラノと骨覇魅神との戦いで俺様は嫌な事を知った。奴らの恐竜神変化は時間制限ないのかもしれないのだ。俺様とティラノが変化したタイミングは同じくらいだったが、ティラノ…実際は骨覇魅神だが変化が解けていなかった。


それが錬体魔王が身体を奪ったための事なら良いが、もし制限ないなら…


俺様達の獣神変化には時間制限があるし、解けた後も暫く変化出来ない上、体力の消耗が激しいのだ。



俺様は六耳彌王を見る。


六耳彌王も頷いた。


万が一は俺様も六耳彌王も再び戦場に出る用意しとかないとな?ある意味、三人がかりなら何とかなるかもしれないし…不死の骨覇魅神よりは勝機がある!


俺様と六耳彌王は少しでも体力を戻そうと努める。



ギガノ「あ~疼くぜ?早くお前を喰らって、悦楽に浸りたいぞ!」


獅駝王「俺俺もお前を喰らいたくてヨダレが止まらねぇ~」



食欲?戦闘欲?我欲?



それはもう…


愛に近かった!


巡り会えた好敵手に互いにムラムラしていたのだ。



…もうお前ら、結婚しちゃえよ?


と、冗談はさて置き。



とにかく早いうちに決着を付けないと駄目だぞ?


獅駝王!



獅駝王「そろそろ俺俺の必殺技を見せる時が来たようだぞ…ふふふ」



何?獅駝王の必殺技?


あいつは殴る、蹴る、噛み付く、ボコる以外に何か出来るのか?


そもそも獅駝王の強さは持ち前の頑丈さと、単純攻撃の破壊力なのだぞ?


実は獅駝王は俺様や牛角、蛟魔王の戦いを見ながら必殺技に憧れていたみたいなのだ。


しかも、何なんだ?あの獅駝王の自信の笑みは?よほどの必殺技なのか?


しかし馬鹿の獅駝王の事だ…失敗するに違いない!


俺様がそれを言える義理じゃないが…経験談。



すると獅駝王の身体から妖気が異常に高まっていく。獅駝王は妖気を拳に集中させると叫んだのだ!



『俺俺ぱーんち!』



まんまやないけ!!


何てネーミングだ…


だが、あの破壊力は半端なさそうだぞ?もう技名は関係ない!その拳でギガノをやっつけちまぇ!



獅駝王がギガノに迫り妖気を籠めた拳を放つ!


ギガノ「ぐぅ…ははは!痺れるねぇ…良いだろう!受けてやろう!」



無謀にも受け止めるつもりのギガノに獅駝王の必殺技が炸裂した!



馬鹿め!ギガノの野郎!


余裕かまして諸に受けやがった!例え倒せなくとも、只じゃすまねぇはずだ!



が??


ギガノは怪我一つなくピンピンしていた。


美猴王「へっ?」


六耳彌王「あっ~!」


六耳彌王が指差した方向を見ると、獅駝王の獣神変化が解けているじゃないか?


ちょっ?ちょっ?ちょっ?


まだ時間制限じゃないはずだろ?早すぎだろ?


どうなって?



獅駝王「ハレ?」


獅駝王は元の姿でギガノを殴った状態で固まっていた。本人も不思議そうだ?



あっ…


解ったぁああああ!



それは獅駝王が俺様達と違い、獣神変化の鍛練をしていないために時間制限の幅が不規則である事。そして大技発動で余計に変化の持続を下げてしまった事。



つまり…


超ヤバくないですかぁ~?



獅駝王は拍子抜けしたギガノにより、地面に向かって叩き付けられ轟音を立てて埋もれた。


美猴王「やべぇ!」


六耳彌王「行くッチ!」


俺様達が助太刀に入ろうとするが、


ギガノ「弱者は失せよ!」


ギガノの恐気が俺様と六耳彌王の足下の大地を削り取り、道を塞いだ。


ギガノ「そこから先に入ったら即刻処刑する!」


あっそう?


俺様と六耳彌王はその線を飛び越えたのだ。


ギガノ「馬鹿め!」


ギガノが忠告を完全に無視した俺様と六耳彌王に怒りこちらに向かって来る!



美猴王「忠告は却下だ!俺様は逃げも隠れもしねぇーよ!」


六耳彌王「俺ッチも戦うッチ!」



が、そこに割って入って来たのは獅駝王だった。


獅駝王「お前の相手は俺俺だぁぞ!」


ギガノ「邪魔だ!お前にはもう興味は失せた!そこの虫けら二匹を喰らった後に、お前も喰らってやるから待っていろ?」


獅駝王「俺俺がお前を喰らうんだぞ!」


しぶとくギガノに向かって行く獅駝王だったが、赤子を捻るようにギガノによって顔面を掴まれる。


離れようとする獅駝王にギガノが拳を繰り出す。その衝撃で獅駝王の全身の骨が砕ける音が響いた。



俺様と六耳彌王も救助に出るが、ギガノに凪ぎ払うが如く吹き飛ばされたのだ。


くそぉ…


獣神変化が出来れば何とかなると思うのだが…


まだ妖気が戻らねぇ!


だが、力を合わせて戦うしかない!獅駝王を助けないと!


もう俺様を庇って誰も消えて欲しくない…


俺様のために…


俺様はギガノに飛び掛かると、獅駝王の顔面を掴むギガノの腕を殴る。


獅駝王の身体がぐったりと落下し、その目は白目を向いていた。



美猴王「うりゃあ!」


俺様はそのまま回転しギガノの顔面に蹴りを食らわしたのだ。よろめくギガノに追撃をするかのように上空から六耳彌王が拳を組んで後頭部を殴り付ける。



ギガノ「虫けら二匹が鬱陶しい!今直ぐに消し去ってやる!」


俺様と六耳彌王がギガノに攻撃を仕掛けている時、倒れている獅駝王にも変化があった。


それは何者かの声?





「戦いたいか?まだ疼くか?その血がまだ熱く煮えたぎっているか?」


「まだその魂に戦いを求める力があるなら、オレを使うが良い…」


「お前は、オレを使うに相応しいと認めた唯一の…」



すると獅駝王の瞼が開き、拳を挙げて叫んだのだ!



『聖獣変化唯我独尊!』



その瞬間、突如強烈な妖気を纏った雷が獅駝王の身体に落ちたのだ。


次回予告


獅駝王の叫びし聖獣変化??


それは新たな馬鹿力!!

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