友のために出来る適材適所?さらば、友よ!
封印術も失敗した美猴王
すでに体力も残っていない状態で勝ち目はあるのか?
俺様は美猴王!
やはり骨覇魅神、いや?錬体魔王との決着は俺様が決着を付けるぜ!
俺様は如意金剛棒を振り回して骨覇魅神に向かって行く!
対し骨覇魅神は掌から波動の衝撃波を放って来る。
『骨粗衝掌!』
あの技を食らったら六耳彌王の足みたいに消滅してしまう?
俺様は如意金剛棒を回転させて衝撃波を外に逃がし、骨覇魅神に殴る!粉々になる骨覇魅神は直ぐに再生して来て、
骨覇魅神「学習しない奴だな?何度攻撃しようと私には無駄だと理解出来ないのか?」
美猴王「学習しないのはお前の方だよ!」
骨覇魅神「何だと?」
美猴王「お前が生き返したい奴はもう存在しねぇ!いつまでも不死の研究に拘り無駄な殺生繰り返しては、お前と同じ境遇の連中を作り出してく…それが無意味だと何故理解出来ないんだよ?死んだ奴は二度と蘇ったりしねぇんだよ!」
俺様の中で死んでいった仲間達の顔が浮かぶ…
そして、蓮華の顔が…
美猴王「でっ?今度はそれが叶わないと知ったら他の連中皆殺してか?馬鹿か!お前のしている事は俺様以上の馬鹿者だ!」
骨覇魅神「お前に…何が解る?…お前ごときが知った気に…なるなぁあああ!」
美猴王「少なくとも…失う気持ちは…解る。締め付けられるような胸の苦しみ、虚無感…耐えられない気持ちは痛いほど知ったよ。でもよ?その連鎖を自分以外の連中に広げるなんてのは傲慢過ぎるだろ?そういうのはテメェの[心の]中で整理するもんだろが!」
骨覇魅神「私は…」
『今あるこの腐りきった世界から悲しみを無くすために…世界を一度ゼロにするのだ!そして、一から作り直すのだ!この私の下で!』
その瞬間、骨覇魅神が再び恐気を高める。それは今までよりも攻撃的で破壊的!
美猴王「まだ解らないのかよ?支配者?いや?神にでもなったつもりかよ!」
骨覇魅神「話にならん!ならお前を殺してどちらの言い分が正しいか教えてやろう!私こそが…」
『悲しみに終止符を!』
美猴王「だからお前が悲しみの連鎖を増やしてどうなるんだよ!」
俺様と骨覇魅神が激突する。拮抗する力!激しい猛攻!だが…
俺様の獣神変化には時間制限があるんだ…
一度解けてしまえば、暫く変化するまで妖気を溜めないとならない。
何とか手段を…
変化が解ける前に…
あっ!
解けたぁあああ??
俺様の獣神変化が解け、元の姿へと戻ってしまったのだ。これはマズイぞ??
俺様は如意棒を構える。
骨覇魅神「ふふ…ふはははは!潮時のようだな?もはやお前に私を止められはしない!」
美猴王「クッ!」
骨覇魅神が俺様に掌を向けて飛び掛かって来る!
うっ…躱せない?
六耳彌王「あぶなぁーい!美猴王兄貴!」
が、寸前の所で骨覇魅神は横から飛び込んで来た六耳彌王によって蹴り飛ばされる。
美猴王「六耳彌王!」
六耳彌王「俺ッチも戦いますッチ!」
六耳彌王は粉砕された足を石化させて固定させていた。だが、二人がかりでも倒せる……か?
同時に六耳彌王の獣神変化が解ける。
六耳彌王「あれ?」
あっ…万事休すか??
俺様と六耳彌王は骨覇魅神に殴り、蹴られる。
もはや戦力差が…
だが、こいつにだけは負けられねぇ!
互いの信念の戦いなんだ!
俺様は六耳彌王を見る。
六耳彌王…
お前になら俺様のあとを任せても良いかな?
美猴王「六耳彌王!後は頼むぞ?」
六耳彌王「えっ?」
それだけ言うと、俺様は骨覇魅神に向かって駆け出す。そして再び仙気を高め始める。
策がもう一つ…
ない訳ではないのだ!
それは、骨覇魅神の魂を俺様の中に閉じ込め、俺様事石化して封印する自滅策が!そして時間をかけて奴の邪念の魂を鎮めるのだ。
その為に、先ずは骨覇魅神の身体をもう一度木端微塵にしないといけない!
俺様は如意棒をしまうと再び力を籠める。
もう妖気が空で体力も残ってないみたいだ・・・
でも!
後先考えていられないな?破れかぶれ特攻だ!
骨覇魅神「何をするつもりか知らないが、今度は手加減はしないぞ!」
骨覇魅神の掌に恐気が集中していく。六耳彌王の足を吹っ飛ばした技だな?
俺様は眼に意識する。
奴の攻撃を良く見るんだ!
集中力を高めろ!
動体視力が俺様の武器なんだからよ!
俺様は骨覇魅神の伸ばした腕を躱し、潜り込み間合いに入り込んだ。そして骨覇魅神の腕を曲げて奴の放った衝撃破で自滅させてやったのだ!
骨覇魅神「ぐうう!馬鹿め!いくら砕こうと、私は何度でも再生していくのだぁ!」
美猴王「再生出来る事に油断したな?もう二度と再生させねぇーよ!!」
骨覇魅神「な、何を??」
美猴王「自媒石封印術!」
※ジバイセキフウインジュツ
俺様から仙気が渦を巻いて粉々になった骨覇魅神の身体を一点に集める。
美猴王「後は…俺様の中に封じてしま…うだけ…」
六耳彌王が俺様の名を叫ぶ声がする。もしかしたら、もう二度と仲間達と会えなくなるかもしれない…
別れの挨拶くらい…もう一度、皆の顔を見たかったなぁ…
美猴王「だが、もう後戻り出来やしねぇ!これで終わりだ……!!」
『えっ?』
俺様が決意をしたその瞬間、俺様はその場から弾き飛ばされたのだ??
まさかの第三者の邪魔?
失敗?
このままでは、せっかくのチャンスが無駄に?もう同じ手段は通用しないだろう。
それに体力が残っていないぞ!
倒れた俺様に六耳彌王が駆け寄る。
俺様は転げながら、自分を弾き飛ばした犯人を見た!
あっ…あいつは?
俺様の張った封印術は発動したままだった?しかも俺様に代わり、封印術を続けている者がいたのだ!
ソイツは…
美猴王「砂塵魔王!!」
砂塵魔王は妖恐との戦いでダウンしていたはず?その砂塵魔王が俺様に代わり封印術を発動しているのだ。それはまさか?
美猴王「砂塵魔王!止めろぉー!それが何を意味しているか解ってるのかよ!?」
砂塵魔王「あぁ…知っているとも…友のために…身代わりになるって事だ…」
美猴王「馬鹿を言うな!それは俺様の役目だ!お前がやる必要はない!直ぐに俺様と代われぇー!」
砂塵魔王「嫌!」
えっ?
あいつは何を言って?
美猴王「その封印術がどんなもんか知っているのかよ!それは…」
俺様が言い終える前に砂塵魔王が言う。
砂塵魔王「よく解ってる。少なくとも封印術を忘れて失敗するような者よりは知っているつもりだよ?何せ俺は封印術のエキスパートだからな?それにお前がやっても失敗の可能性が高い。見てれば解る」
美猴王「んなっ?」
砂塵魔王「安心しろ?俺は幸せだよ?俺は一人じゃない。今まで一人だと思っていた俺に、初めて出来た友のために戦えるのだから…満足だ!」
美猴王「友…なら、俺様にとって友であるお前を見殺しには出来ねぇよ!」
砂塵魔王「お前はこの先に必要だ!失う訳にはいかない。それに!これから先の事、今出来る事、これは適材適所なんだ!これは俺の仕事なんだ!」
美猴王「!!」
砂塵魔王「安心しろ?俺はこういうの慣れてるから…」
その直後、封印術が勢いを増した。砂塵魔王の中に骨覇魅神の身体が吸い込まれていく!
骨覇魅神「ば…馬鹿な?こんな雑魚に…私を封じ…るなんて…出来るもの…かぁあああああああああ!」
砂塵魔王「俺は一桁の魔王の中で、結界のエキスパートだ…この俺直々に手を施してやるんだ…最高傑作に決めてやろう!」
砂塵魔王の中に骨覇魅神の魂が吸い込まれた。すると中から出ようと暴れ回り、砂塵魔王の身体がひび割れていく。
砂塵魔王「逃がさないよ…俺はしつこい、ストーカーだからね…一度手に入れたらもう二度と離さない…」
砂塵魔王の妖気が高まり、その周りに岩石が地上から盛り上がって来て砂塵魔王を埋めていったのだ。更に竜巻が覆って、妖気が完全に途絶えた後…竜巻は消えて目の前に封印墓石が出来上がっていた。
美猴王「あぁ…」
俺様の目から涙が流れ止まらなかった。
砂塵魔王…
お前にかけた『友』って言葉に、お前は俺様に命をかけてくれたのか?
金剛魔王の時も、救ってくれた。
俺様はお前に…
何か…してやれたのか?
何も…して…
ないじゃないか?
俺様は砂塵魔王の名を魂に刻んだ。お前は…
間違いなく、俺様の友だ!
が、その時?
六耳彌王の悲鳴が!?
俺様が声のした方向に振り向くと、
六耳彌王が顔面を掴まれた状態で吊るされていた!
美猴王「あっああ…」
そうだった…
まだ戦いは終わってはいなかった…
まだ、一番の厄介な野郎が残っていやがった!
そこには妖恐のボス…
ギガノが六耳彌王を吊るしたまま、俺様を見下ろしていたのだ!
ギガノ「もう良いか?十分、観察させて貰った。もう抑えて置くのも限界だ!そろそろ暴れさせてくれないか?」
くぅ…
美猴王「六耳彌王を離せ!さもないと!」
ギガノ「さもないとどうするんだ?面白そうだ…やってみせろよ?」
六耳彌王「ぐぅわわ!」
ギガノが爪に恐気を籠めると鋭い刃と化す。そして六耳彌王に向かって突き刺そうと振り上げたのだ!
美猴王「止めろぉお!」
俺様が止めるのも空しく、ギガノが突き刺した刃は…
空を切り?
突如、現れた者によりギガノが蹴り飛ばされたのだ?
落下して来る六耳彌王を俺様がキャッチし、その現れた者を見た…
お…お前…なのか?
その者は言った。
『俺俺、最強~!』
そいつは雷獣王・雷我との戦いから意識を失い、戦場離脱していた獅駝王だった!
次回予告
眠りから覚めた頼れる馬鹿が、妖恐ギガノと戦う!
最強バトルが始まる!




