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天上天下・美猴王伝説!  作者: 河童王子
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たまげたホイ!猿爆笑?じゃなくて猿爆誕!!


 第一章 転生記

 第二章 神を導きし救世主!

 第三章 唯我蓮華~破壊神と呼ばれた少年~


そして、更なる物語が幕を開ける!


第四章 天上天下・美猴王伝説!


開幕



これはこれは遠い昔に起きた物語。


東勝神洲の傲来国にある花果山と呼ばれる山頂にて、ここ数日奇妙な異変が起きていると聞き付け儂様は一人出向いたのじゃった。

雲が出ていないのに雨が降ったり?左右同時方向から強い風が拭いたり?地面から天に向かって雷が上がったり?煙りのない所から噂が出たりと…ありゃ?



ほぉ?


忘れておったのぉ?


儂様の挨拶がまだじゃったな?


儂様の名前は須菩提祖師。


立派な立派な神仙様ナンじゃよ。


儂様は杖先から煙り状の雲を出す。それは仙人が移動に使う雲なのじゃ!


儂様は雲に乗ってこの不可思議な山の山頂へと向かっておる所なんじゃ。



激しい雨と風が吹き荒れているだけでなく、四方八方から雷と炎が岩の隙間から噴き出して来ては儂様の進路を邪魔をするのじゃ…



じゃがじゃが!さすが神仙である儂様は難無く山頂にまで辿り着いたのじゃった…じゃった。



「ぜぇ…ぜぇ…し…死ぬかと思った…じゃ」


儂様はボロボロの姿で息を切らしていた。


ん?


余計な所は見んじゃないよ?


儂様はしばし休憩し落ち着いた後、辺りを探索し始める。すると山頂の中心に巨大な岩石が一つ置かれておったのじゃ。



「ふむふむ。あの岩石から異様な妖気が出ておるのぉ?おそらくはあれが元凶じゃのぉ?」


儂様がその岩石に近付こうとしたその時じゃった。


突然雷が儂に向かって来たのじゃ!驚きブザマにこけた儂様の頭上を通り過ぎた雷は、目の前にあった岩石に直撃した。



「ほぎゃあ~!驚いたじゃ!儂様、マジに驚いたじゃ!」


「ほっ??」



すると、岩石に亀裂が入り真っ二つに割れていく?


「ほありゃ~危なく儂様が真っ二つになる所じゃったじょえ~」



すると??


ん?何やら声が聞こえおるぞ?


儂様が耳を澄ますと、岩石の割れ砕けた場所辺りから聞こえるようじゃな?


こりゃ泣き声?


儂様は恐る恐る砕けた岩石の声がする所へと近付くと、そこには…!?



須菩提祖師「こりゃ~たまげたほい!」


砕け散った岩石の中には産まれたばかりの金色に輝く猿の赤子がおったのじゃ。


「おぎゃ~はぎ!おぎゃ~はぎ~」



お笑いを連想させるその泣き声も奇妙じゃったが、その猿の赤子は儂様に向かって中指を立ててガンを飛ばしておった。



「なんと奇っ怪な赤子よ」


儂様は放っておく事も出来ずに、仕方なくその奇っ怪な猿の赤子を自分の住む仙界の山へと連れていき育てる事にしたのじゃった。



転生記零第三章


天上天下・美猴王伝説!






それから月日が流れ…


須菩提「こりゃ!美猴!また悪戯したのかぁ?」



儂様は拾った猿の赤子に金色の美しい猿[猴]から、『美猴』と名付けたのじゃ。


と、それどころじゃないわい!


儂様が目覚め起きると儂様の社が燃えておったのじゃ!?儂様は慌てて杖から水を噴出させ、何とか火を食い止めたのじゃった。



須菩提「おい!」


美猴「ゴメンよ…じぃちゃん…俺様…俺様…」


須菩提「…………」



涙目に反省する美猴は言った。


美猴「俺様はただ…じぃちゃん燃やしてみたかっただけなんだよ!」


須菩提「はぁ~??」


美猴「いやね?じぃちゃんに火を点けようとしたら、手元が狂って部屋に火が点いてしまったんだよ~ごめんよ?ちょっとしたオチャメだよ~」



須菩提「儂様を殺す気かぁ!お・の・れ・は~!」



怒り心頭の儂様は美猴を縄で縛り上げ、木に吊したのじゃった。


この美猴は…


とにかく悪戯を繰り返すのじゃ。それも度が過ぎる程の悪戯を!!


しかも、たちの悪い事にこの美猴は生まれもっての怪力の持ち主なのじゃ…


この前も…


儂様がお勤めから戻って扉を開けた時じゃった。


上から何か影が?


儂様が天井を見上げると、天井から巨大な岩石が落下して来たのじゃ!


儂様は咄嗟に前方にジャンプして躱すと、轟音とともに岩石が床に減り込んでおったのじゃ…


(また、あの悪猿かぁ!)


『ありゃ?』


突然視界が消えたかと思ったら、油断していた儂様は仕掛けていた落とし穴に落下したのじゃ~



たかが落とし穴?


『ノォーーーーー!!』



その深さたるや、およそ山一つ!


有り得んじゃろー!?



数時間後…


儂様は命からがら美猴の作った落とし穴から、はい上がって来たのじゃった。


儂様が神仙じゃなかったら、絶対死んでおった…


いや、死んでもおかしくなかったわい!


儂様は隠れて覗いて笑っておった美猴を取っ捕まえると、美猴は言った。



美猴「俺様…ジィチャンのために張り切って穴作ったんだぞ?でも、まだまだだったな?チッ!」


須菩提「チッ!って?何が張り切って穴作ってしまったぞじゃ!お前は何をしたいのじゃ?一体!」



美猴「えっ?何をしたいかって?ただの嫌がらせ的な暇潰しじゃね?やっぱし?」



須菩提「…………」



全く手の施しようがない悪猿じゃった。


儂様の所には美猴の悪戯によって被害にあった同僚の仙人達から、数々の被害届けと請求書が毎日のように届いておった。



トホホ~


と、こんな生活が毎日毎日続いておった。


しかし、いくら悪戯好きで手に負えない悪ガキと言えど、一度は育てると決めた以上放置は出来ぬ…



儂様は決めたのじゃ!


この出来損ないの馬鹿猿を、儂様の手で立派な仙猿に育て上げると!



ん?


美猴「あ、燃えた…」


須菩提「はい?」



見ると縄から自力で抜け出した美猴が、妄想にふけていた儂様の仙衣に火を点けていたのじゃ…


あっ?あっ?あっ?


「アッチイ~のじゃ~!」


儂様が床を転げ回り火を消している姿を、同じく笑い転げる美猴。



儂様…


先に殺されてしまうかも…


それからと言うもの、儂様は美猴を再教育する事に決めたのじゃ!


美猴の奴は極度の好奇心旺盛で、興味が持てる事に関して[だけ]は素直になるのじゃ…


儂様が何かを教える時は目を輝かせながら儂の言葉を聞いておった。



さて?何から始めようかのぉ?


先ずは今住む世界の事から教える事が優先じゃな?


儂様達が今いるのは仙人界である。仙人界とは地上界と神の世界の狭間[仙境]にある幻想山。俗界を離れた清浄な地で神仙が住まう地じゃ。


ちなみに神仙[仙人]とは仙道[仙術]を極めし不老長寿の者達。

(と、言っても殺せば死ぬのじゃよ?じゃから無茶させないでおくれ?)


この山で仙人達は更なる高見を目指し、修行する場所なのじゃ…


後は他の世界に神の住まう天界[須弥山]と人間達が住む地上界。死者達が住む地獄界に精霊達のおる精霊界[龍神達含む]等があるのじゃよ?



ただ、今は何処もかしこも戦乱が続いておってのぉ~


天界では十二神同士が須弥山での勢力争い。破壊神シヴァと雷帝インドラ[帝釈天]が須弥山を光と闇の世界へと二分させる戦乱を起こしておった。


神々の争いはとんでもないのぉ~


と言っても地上界でも同じく戦乱が続き、人間達の政治的な戦争だけでなく、妖怪と呼ばれる妖術を使う者達が人間世界を支配し始めておるのじゃ。



妖怪の中には凄まじい力を持つ者達もおってな?


己を『魔王』と名乗っては部下達を率いて勢力を伸ばしては、他の魔王と勢力争いしておると言う。


地上界も大変じゃのぅ…



戦争…


争いが新たな争いを呼び、尽きぬ事のない悲しみの連鎖や悲劇をうむのじゃ…



全く、愚かな話じゃ…



まぁ~この仙人界だけが唯一平和な世界と言えるじゃろうな。



須菩提「ここまでは理解出来たかのう?」


美猴「興味ないっす!早く仙術教えろよ!」


須菩提「先ずはお前には道徳と年配者を敬う事から先に教えんといかんな…」



そんなこんなで、儂様の新たな目標に向かって?この金色の猿[美猿]を立派な仙猿にすべく生活が始まったのじゃ!



しかし…


この美猴が後に世界を揺るがす程の新たな火種になろうとは、この時の儂様には想像も出来…いや…



考える事は止めようか…


面倒臭いからのぉ~?



フォッフォッフォッ!

次回予告


須菩提の弟子として修行に励む美猴。


ついに仙術を学ぶ修行が始まるのだが?


はてさて・・・

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