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2、人と出会う

お腹に何かがあたっている。


「んっ」


目を開けてみるとそれは枝だった。木の枝が寝ている私のお腹を叩いていた。目を開けていることに気がついたのか、枝は私のお腹から外れた。


今から何しよう。そうだ!


思いつくとすぐに準備を始めた。落ち葉を集めて、山盛りにし、一箇所に集める。これが結構大変。たくさん集めないと危ないから。あとは木に頼んで枝で上に上げてもらう。そして・・・


ピョーン


上から飛び降りると風を全身に感じ、とっても気持ちがいい。ドサッと落ちた体を落ち葉で受け止めてもらう。バラバラになった落ち葉を一箇所に集めてまた飛ぶ。何回もしているうちに、汗をかいてきた。


誰もいないしいいよね。


あつくなってきたので、昨日作った服を脱ぎ、裸になる。そしてまた何回も飛び降りる。そうそう、服を作る時に気がついたんだけど、体が小さくなっていた。最初は驚いたけど今はなれた。違和感も今はもう特にない。別にあの体に愛着があったわけでもないしね。


慣れは恐ろしい。大変だった落ち葉集めも慣れれば小さくなった体でもすぐにできる。


そろそろお腹がすいてきて、最後の1回にしようと思い、枝に上へ上げてもらったその時、


「えっ、君!どうしてそんなところにいるの?危ない!すぐに下りてきなさい!」


下を見ると、金髪さんが私を見て慌てている。下界へ降りて最初の人だ。私も突然のことで少し驚いたが、その人があまりにも慌てているので急いで飛び降りる。


「お、おい!」


風を全身で受け、落ち葉にダイブ・・・する直前で、急にスピードが落ちた。ゆっくりゆっくりと私の体が地面に近づく。そして空中で金髪さんが私を受け止めた。


「大丈夫!?怪我はない?」

「大丈夫です」


抱き抱えてまま、体のあちこちを見られる。

今思い出したけど私、裸!まぁ、小さくなってるから大丈夫かな。それより片手で抱いているのに力強すぎ。痛いです!


「君、名前は?」


一通り体を見て気が済んだのか、私の抱いた腕を少し緩めてくれる。しかし、下ろしてはくれない。下ろしてくれ、という意味を込めて腕を外そうとするが、かたくて全く外れない。


「君、名前は?」

「志乃です」

「シーノー」

「し・の、です」

「シーノ?」


この際、改名しよう。私は今までの私とは違う、新しい人生が始まるんだしね。私は今日からシーノだ。


「はい。私の名前はシーノです。それであなたは?」

「あっそうだった。俺はソラージェ。それで、君は人間で良いのかな?」

「そうですけど・・・」


流石に魔獣には見えないだろうし。どうしてそんなこと聞くのかな?


「まあ良い、とにかく私の家へ来なさい」


えっ?まさかの新展開。これからしばらくはここで過ごすつもりだったのに・・・なんでもう歩き始めてるんですか!?それは良いとして、


「ふく」


金髪さんの背中をポンポンと叩きながら呟いた。


「あぁ、服あるのかい。どこ?」

「んっ」


昨日編んだ服を指差し、ついでに抱っこから逃れようジタバタするが、金髪さ・・・ソラージェさんは気にしてないように抱っこしたままだ。


「これかい?」

「うん」


するとソラージェさんは、眉間にしわを寄せたまま、黙って服を見つめている。下手すぎて驚いているのかな?


「んっ」


手を伸ばし頂戴としても何も反応がない

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