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ゆめうつつ  作者: 秋花
10/14

2016/7

 最初に友人が言った。太くなったね。私の足首は膝と同じほどの太さを持っている。私の足は鈍くなった。私は歩けなくなる。友人は私を笑っている。私の足は膨らんでいく。体は変わらないまま、足だけが膨らみ私を足だけの生物に変える。どこかへ行こうよと誰かが言った。私はどこへも行けないと答えた。


 部屋の隅に神と名乗る男がいる。辺りの囚人は、その男を罵り蔑む。ある日、私はその男に問いかけた。「私は救われるだろうか」神は言った。「救われる」男は神ではなかった。救ってくれるはずの神は、囚人たちになぶり殺されたであろう亡骸を晒していた。

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