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第46話 vsSSランク

俺の目はSSランクの冒険者などではなく、そいつが持つ『黒い瘴気を吹き出す刀』に向けられた。


「見つけた」


魔力を全身に通して即座に踏み込む。銃弾に等しい速度でカムラと名乗った冒険者に迫った。


カムラは驚いたような顔を浮かべたが、手に持った刀で俺の斬撃を受け止めた。


「あああああああああっ‼︎」


「おいおい、いきなりかい?」


後ろに跳んで距離をとった俺は鑑定眼を使ってカムラを見る。俺はそのステータスに首をかしげることになった。



名前 カムラ ベルノット

種族 人間

性別 男

年齢 32

職業 剣匠(ソードマスター)

レベル215



スキル

剣術Lv8

身体強化Lv8

魔力操作Lv7

風魔法Lv7

並列思考Lv7


特殊スキル

全剣術


称号

突撃馬鹿

竜殺し

風来坊

剣匠

龍殺し

呪使い



レベルは高く、スキルレベルも高いが数が少ない。そもそも、思っていたよりもレベルが高くなかった。


俺は怠惰を右手で八相に構え、強欲を左手に逆手に構える。グローブからはグレイプニルを出し自身の周りで鎌をカムラに向けるよう動かす。


「シィッ‼︎」


「おっと」


ガキィィンッ‼︎


怠惰がカムラの持つ大剣に防がれる。が、強欲が胴体を断ち切らんと迫る。それをカムラは大太刀で受け止めた。


そして結果としてカムラの手にあった大太刀は消え、俺の左手の中にある。


強奪(シィーザー)


奪おうと思ったものを奪う能力。これを最初から大太刀にしておけば触れた瞬間に俺はその大太刀を奪うことができる。


「なっ⁉︎俺の武器が⁉︎」


「捕らえろ、グレイプニル」


武器が急に消えたことによって動きが止まったカムラに10本の鎖が拘束せんと迫る。


まさに捉えるその時、その場からカムラの姿は消え去った。そして背後に気配。


「らあっ!」


「シィッ!」


叩きつけられた大剣を怠惰で受け止め、突き出された細剣(レイピア)を大太刀で流す。


反撃にアイテムボックスからナイフを取り出して投げるが余裕で避けられた。


「はっ!流石に『疾風』と呼ばれる俺に追いつけるわけがn…ぷげらっ⁉︎」


調子に乗って俺の耳元に顔を寄せてきたので思いっきり裏拳を叩きつけた。


カムラはその勢いで8メートルほど宙を舞い、地面を3、4回バウンドして止まった。


サクっ


「ぐふっ……」


倒れたカムラの背中に怠惰を刺し、息の根を止めたところで俺は周りがやけに静かなことに気がついた。


「に…」


「に?」


『『逃げろーー!』』


「はあ?」


俺を見たアメシア帝国の兵士たちが逃げ、ロマリア王国の兵士たちが歓声を上げる中で俺はただ混乱するのだった。







「テツヤ大丈夫か⁉︎」


「ああ、何も問題はない」


それに、と俺は続ける。


「目的のモノも手に入ったしな」


俺は手に持つ大太刀を見つめ言った。


名称 第一妖刀 傲慢

等級 特別級(ユニーク)

効果 遥か昔に封じられた七柱の悪魔の一柱。一番目の大罪、傲慢。形状は大太刀で刀身の長さは五尺。


「くっくっく。あの男を簡単に倒すとは思わなかったぞ、人間よ」


「それはお褒めに与り恐悦至極、とでも言えばいいかな?」


傲慢(ルシファー)が俺に話しかけてくるのに俺は応える。傲慢(ルシファー)はそれに笑った。


「愉快愉快。では、ワレと契約するか?」


「勿論。させてもらうさ」


「ではここに契約は成立した」


その言葉と同時に改めて傲慢を鞘から抜く。煌めく黄金の刀身、黒と金糸の柄に黒塗りの鞘と鍔。少し魔力を込めるとどす黒い瘴気が噴き出す。


「ワレの能力を教えておこう。ワレの能力は【搾取(オブリージュ)】。使い手が格下と認めたもの全てを斬ったとき、それの魂を一部手に入れて自身を強化し続ける」


「ああ、俺が知っていたのと大体同じだな」


「ご主人は魂が弱っている。まずは寿命を延ばすことが必要なのではないか?」


「そうだな。レウス!」


「なんだ?」


「俺はこのまま狩に行ってくる。先に戻っていてくれ」


「分かった。王にはそう言っておく」


「じゃあ俺は行く。グレイ!」


そうしてテツヤはグレイに乗って従魔(かぞく)たちと森へと駆けて行った。



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