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第37話 四大国総力戦 全容は知らなくてもいいのよ?

開会式が始まった。


「今回、この歴史に残るであろう第200回 ロマリア闘技大会が盛大に開催できる事を大変嬉しく……」


長いから略で。


開会式は1時間ほど国王の挨拶が続いたあとに注意やルールなどが発表されて言った。国王の話が余りにも長いので高校の朝礼の時の校長の話を思い出してしまった。


…………高校、楽しかったなぁ。


ま、今そんなことを思っても仕方がない。今はキッチリと俺の従魔かぞくを応援してやるか。


俺は四つの陣営に分かれていく闘技大会の参加者を見ながらそんなことを思ったのだった。




〜シロside〜


「マスター見てくれてるかなぁ?」


「見ててくれるよ。あ、ほら!」


「ほんとだ」


「「マスター!」」


僕たちが手を振ると上で見てくれていたマスターが手を振り返してくれた。嬉しいな。


「あなたたち、マスターの恥とならないように。分かってますね?」


「「分かってるよ。アンチ姉ちゃん」」


「それならいいのです」


アンチ姉ちゃんもこの試合には一緒に出る。他にもレイ兄ちゃんにゼロ姉ちゃん、ヴィアさんにアンチ姉ちゃん、ツヴァイ兄ちゃん、ドライ姉ちゃんも一緒に出るんだって。


「僕たちも頑張ろうね、ハク」


「そうね、私たちも頑張りましょうね、シロ」


『それでは四大国総力戦を開始致します!選手たちは開始線に並んでください!』


「行こうハク」


「行きましょシロ」


シュインッ


僕たちは開始線に立って腰から剣を抜いた。左手には黒い鬼の剣、右手には青い龍の剣。それぞれを持って僕たちは遊びをなくす(・・・・・・)


『それでは総力戦、開始ぃい!!!』


『うおおおおおおおおおあおおおあおおあおおあおおおあああおおっ!!!』


開始の合図と同時に正面、左右から他の国の人たちが飛び出してきた。正面の商国よりも左の帝国が多い。右の聖国は他の人に任せよう。


『『行こう』』


僕たちは信頼共鳴シンクロで考えを伝え合う。


「僕はロマリア王国勇者コウキ!行くぞ!」


マスターに文句を言ってた人が商国に突っ込んだ。剣が光ってるけどそんなに強くなさそう。踏み台にしちゃおうか。


「くたばれ餓鬼ぃ!」


「おじさんがね」


僕に斧を振り下ろしてきた帝国のおっさんの両手をカウンターで斬りとばす。少し跳んだから体勢が悪い。


『ハク』


『わかった』


ハクが僕の足を掴んで右に引っ張った。その勢いを利用して聖国の女性戦士の顎を蹴飛ばす。


『シロ』


『わかってるよ』


蹴った反動でバック転をして僕の下にいたハクが上に伸ばした手を掴む。そのまま僕はハクの後ろに迫っていた聖国の人に蹴りを入れる。


また出来た僕の隙を埋めるようにハクは周りの帝国の人の武器を逸らして彼らの仲間同士で当たるように調整。


『『まだまだ、行くよ?』』


僕たちはそのまま四つ巴の戦場に飛び込んだ。



〜アンチside〜


「さて、やりましょうか」


私はマスターに作って頂いた杖を片手で構えます。


「直径30cm、形状 球。火、温度4000C°、合成」


私は土魔法で金属の球を、火魔法で高温の炎を生成して炎を金属球内に移動させます。金属球が溶けて消し飛ぶ前に私は次のワードを実行します。


「水、50L 生成」


ズッ、ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!


閃光、そして爆発。


ニトログリセリンの閃光にも等しい温度の炎を中に入れられた金属球は熱に耐えることが出来ずに自壊。だが、それよりも早く金属球に触れた水は瞬時に蒸発し、爆発的にその体積を増やす。


水蒸気爆発。現代でそう呼ばれている危険現象が闘技場内に巻き起こった。


「ぐっ、」


私も魔力の多くを今ので失ったようです。ですがまだ私の周りには敵がいる。倒さなくては、マスターのために。


それにしても爆発に指向性を持たせたのがいけなかったのでしょうか?結構な数が残ってしまいました。あ、でも聖国は殆ど全滅したみたいですね。よかったです。


海龍核の仕込み杖シードラゴ・コア・マシナリー、起動。誘導砲撃モードへ移行」


私の持った海龍核の仕込み杖シードラゴ・コア・マシナリーの一部が剥離して杖の周りをクルクルと浮遊します。その数は8。


つまりそれは魔法属性と同じ数がある訳です。


火、水、風、土、雷、氷、光、闇。それぞれの属性を持つ8つの破片は回転数を上げていき、猛烈に光りだします。


なお、異常に気付いた方が私に魔法を撃ったり、武器で襲いかかってきていますが魔法は殆どが辿り着く前に私の反魔結界で消え去り、物理攻撃も反物結界でかなり軽減されているので簡単に避けることが出来ます。


おっと、準備が出来たようですね。この方向だと他の従魔たちがいますが、まあ大丈夫でしょう。これくらいでやられるような子達ではありません。


「8属性収束開始、充填。………充填完了、誘導砲撃モード開始します。発射(fire)


焼き尽くす火炎が、吞み込む水流が、荒れ狂う暴風が、地を震わす岩石が、場を切り裂く雷鳴が、凍てつく吹雪が、太陽のような閃光が、全てを塗りつぶす暗闇が。


会場を蹂躙し尽くした。


「作戦完了、ですね。少し、休みますか」


私の前に広がった更地のような広い空間を確認し、魔力を全て使い切った私は活動を停止した。




〜勇者コウキside〜


「うおおおおお!」


「やるな坊主!だが甘い!」


「ぐっ、僕は、勇者は、こんなところで負けられないんだぁぁあ!」


「うっ!おおおお!?」


「よし!つぎだ!」


僕はまた1人帝国の選手を倒した。今、この会場は乱戦状態になっている。王国の仲間たちはみんなが奮戦してくれている。僕も勇者として頑張らなくては。


「光よ、癒しの力よ、その力で我が身を癒したまえ。【体力回復(キュア)】」


僕は光魔法に属する回復魔法を使って体力を回復した。体力が戻ってよし、行くぞ!と気合を込めたところで何かがすごい勢いで僕の方へ跳んできた。


「「お兄さん、邪魔!」」


「え?ぶがっ⁉︎」


テツヤ君と言った子が連れていた奴隷の子供たちが僕を踏み台にして反転し、追いかけてきていた人たちを返り討ちにしている。踏み台にされた顔が痛い。


それにしてもあの子たちはすごく強い。それなのにテツヤ君に従っているとは、なんて可哀想な子達なんだ。


「はっ⁉︎はやくあの子たちの加勢に向かわなくちゃ!」


そう口に出してあの子たちの方に向かおうと剣を構えて一歩踏み出そうとした時だった。


ズッ、ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!


「ブボオッ!!!?」


ものすごい爆発があって僕は周りの敵味方関係なく壁に叩きつけられた。


爆発があったところを見るとテツヤ君の横にずっといた美人な女性が杖を構えていた。あんな女性まで戦わせるなんてテツヤ君は何て奴だ。


「何なんだよ!ちくしょうっ!」


「くっ⁉︎」


僕の隙をついて別の人が槍で突いてきた。反射的に僕は剣で応戦する。この人も強いな。でも、負けられないんだ!


「はあああああっ!」


突かれた槍の穂先を剣で弾いてそのまま身体を右側に半回転させて胴に剣を叩きつける。よし!勝った!


「まだまだ!僕は負けなっ⁉︎」


ズッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッッッ!!!!!!!


「べらぶっ!?」


今度は8色の光線が飛んできて僕たちもろとも会場の結界を一部吹き飛ばした。


そのあまりの威力に僕は地面に倒れてしまう。鎧はボロボロ、剣もガタガタ。でも僕は勇者としてまだ諦めることはできない!


僕は根性で立ち上がって辺りを見渡し


「モゴビブァッ!!!!?」


僕に向かって飛んできた敵の選手たち数十人とレウスさんに激突して一緒に飛ばされて、また壁に叩きつけられ、今度こそ意識を失った。


なお、この試合が終了した後に選手たちに埋もれるように倒れていたボロ雑巾のような勇者とSランク冒険者のオッサンが居たとか居ないとか。



勇者ー⁉︎

そして活躍の場すら用意されなかったレウスよ哀れ。


ちなみに2人が弱い訳ではないです。テツヤとその仲間たちが規格外なだけですので。



感想等いただいて励みになっております。これからも頑張ります。

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