第27話 戦闘開始
どうも、遅くなって申し訳ありません。
また短いですが勘弁してくださいm(_ _)m
それではどうぞ!
港都市アーネから出て今日で5日。俺たちはアーネの城壁の上にいた。
今日は新月で光がないため、城壁の上は真っ暗で誰も俺たちがここに居ることに気がつかない。
俺はポツポツと灯りが残っている街を見つめ、そしてその視線を海へと向けた。そこは何も変わったようなところは無い。
だが、常人ではおよそ捉えられないような変化、それも城壁の上というかなりの距離を置いたところから見つけるのは人間業ではない。
だが、それを成し遂げるだけの力が俺たちにはあった。海を見つめ始めて数十秒後。
「………来た」
俺たちは跳んだ。
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カンカンカンカンカンカンカンッ‼︎
その鐘の音は、街の住民に対する警告。その内容は様々だ。その内容によって街の衛兵が住民を避難させる。
どんな内容があるかというと、火事、無差別殺人、危険な事故、自然災害など。だが、今日の鐘の音が知らせたのはそんなことではない。
それはーーー魔物の襲撃だ。
「ぎゃああああっ!」
「うわぁぁあっ⁉︎」
「くそっ!騎士団は何をやってるんだ!」
海を見張っていた衛兵の1人が海から上がってきた魔物を突きながら言う。
最近は海の魔物からの襲撃が増え、警備の衛兵の数が増えていた為に多少住民に被害は出たが現在は何とか持ちこたえていた。
だが、衛兵程度では長くは持たない。騎士団か冒険者達が来るまでは攻勢に移れないのだ。
「ぐあっ‼︎」
「大丈夫か⁉︎このクソが!」
パイレーツスケルトンに1人の衛兵が切られ、駆けつけたもう1人の衛兵がパイレーツスケルトンを槍で払い、砕いた。
こんな光景がそこら中に転がっている。衛兵達も奮闘していたが、確実に押され始めてきていた。怪我人も増えて士気も落ちてきていた。
だが、
「【プラズマボム】」
バチバチバチバチィッ‼︎
背後から放たれた5つの電気球が魔物達の中に突っ込み、雷撃を伴って爆発した。
「なっ、何が?」
衛兵は魔物が減った喜びよりも急な攻撃によって混乱する心が勝った。
「こんばんわ、衛兵諸君。俺は元、Aランク冒険者のテツヤだ」
「な、Aランク⁉︎」
そこに来たのはテツヤ達だった。放たれた5つの電気球はテツヤの雷魔法によるものだった。
「ここは俺たちが防衛してやる。だからギルドに行って他の冒険者を呼んでこい」
「わ、分かった!」
そう言って衛兵達は走り出そうとした。だが、テツヤはそこに待ったをかけた。
「待て」
「なんだ?」
「一つ言い忘れていた。ここのギルド長を引きずってでも連れてこい」
「は?」
衛兵達は突然のその言葉に疑問符を浮かべたが、テツヤは直ぐに衝撃的なことを告げた。
「何故なら、そいつがこの魔物の襲撃を起こしている原因だからさ」
「!!!!!?」
今、この目の前にいるやつはなんと言った?ギルド長が襲撃を起こしている原因?しばらく固まった衛兵達は動き出すとその顔に困惑と怒りを浮かべてテツヤに頷くとギルドへ向かって走っていった。
その場に残ったのはテツヤ達3人と1機の自動人形。そして50体の従魔たちだった。
「いくぞ、【氷広場】、【氷槍】!」
「「【見えざる竜巻】!」」
「【魔力吸収】」
俺の魔法が地面を氷の地面にし、そこから大量の氷の槍が現れて魔物を串刺しにする。そこにシロとハクの見えない竜巻がまだ残っていた魔物を吹き飛ばす。
アンチが広範囲に放ったマナドレインが魔物の魔略を吸い、魔法の使用を出来なくする。
『ゆくぞ、主に続け‼︎』
『『『『『『ガァァァァァァァァァアッ‼︎』』』』』』
グレイの号令と共に俺の従魔が未だに海から上がってきている魔物に攻撃をしていく。
グレイは風を身に纏って加速して目で追えない速度を持って魔物を噛み砕き、切り裂き、押しつぶす。
クリアはブレスで遠距離を攻撃し、近づいた魔物はその牙で咬み殺す。
レブナントはハイ・レブナントに指揮をされ、まるで軍の兵士のような動きで魔物を囲み、確実に殺す。
ハイ・グールたちは魔物の中に突っ込んで手当たり次第に喰い殺していく。
ファントムアーマーは騎士のように滑らかな動きで魔物を切り飛ばしていく。
「起きろ怠惰、奪え強欲」
「仕方ないなぁ」
「ええ、喜んで!」
俺は腰から2柱の悪魔、そして武器である妖刀を抜く。2柱の悪魔は暗闇で怪しく光った。
そのまま魔物の中に切り込んでいく。シロとハクもショートソードを抜いて魔物に切りかかる。アンチはモーニングスターを振り回して吹き飛ばす。
そうして俺たちが戦い、魔物を殺し尽くして辺り一面が魔物の血で染まった頃。
何処からかこちらに近づいて来る大勢の足音が聞こえた。
さて、どういう反応をするのかね?
感想等、お待ちしてます!




