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第1話 林の中で

俺は林の中で目を覚ました。横にしていた体を起こし、軽く準備運動をする。


「うし、問題はなさそうだな。ステータスを見てみるか」


いつの間にかこの世界の基本的な知識と特典についての知識は頭に入っていた。デュオルがもたせてくれたのだろう。


「ありがとな」


呟きながら俺はステータスと念じ、ステータスを開いた。


名前 テツヤ タニグチ

種族 人間

性別 男

年齢 17歳

職業 無職

レベル1


スキル


特殊スキル

SPスキルポイントシステム:残50pt

全言語理解


称号

世界神の加護



こんな感じのことが表示された。ていうか、職業無職っておい。これでも学生やってたんだけどなぁ。そんなことを思いながらSPスキルポイントシステムと全言語理解、世界神の加護をタップする。



SPスキルポイントシステム

強力な魔物などを倒したり、レベルが上がるとポイントを取得する。ポイントを使うことによって様々なスキルの取得が可能。また、既存のスキルの強化も出来る。


全言語理解

この世界の全ての言語を理解し、使用することが出来る。その効果は既に失われた言葉にも作用する。


世界神の加護

世界神デュオルの加護。全能力が超大幅に上がる。レベルアップのたびに能力値も超大幅に上がる。



こんな感じだ。俺はSPシステムを使ってスキルを得ることにした。結果、ゲットしたスキルはこちら。


アイテムボックス∞:30pt

命有るもの以外をなんでも仕舞うことが出来る。容量限界はない。


モンスターテイムLv2:5+10pt

魔物をテイムすることが出来るようになる。レベルが上がる毎にテイム成功率は上がる。


剣術Lv1:5pt

刀剣類の扱いが上手くなる。レベルが上がる毎に扱いも上手くなる。


こうして50pt全てを使い切った。モンスターテイムに関しては取得に5pt、レベルアップに10ptかかった。スキルの取得も終わった俺は身支度を整えて林を抜けるため、歩き始めた。


三十分後、見事に俺は迷っていた。何処から出れるかなど全くわからず、ずっとウロウロとしている。そろそろ日も傾き始めた頃、視線の先で草がガサガサっと揺れた。俺は警戒を強め、茂みを睨みつけた。


「ヴオオオッ!」


灰色の狼が三匹、俺の前にやってきた。狼を俺の周りを唸りながらグルグルと回って様子を見ている。


(三匹もいると分が悪いな。取り敢えず二匹は沈めるか)


俺は拳を握りしめ、一挙一動を見逃さないように睨みつける。狼も俺を睨んでいたが、しびれを切らし、飛びかかってきた。


「ヴオオオッ!」


はじめに飛びかかってきた狼を全力で殴り飛ばした。後に続いて飛びかかってきた二匹目の狼は身体を半回転させ、回し蹴りを叩き込む。


ここまでは良かった。俺は三匹目の狼に体当たりをくらい、そのまま地面に押し倒された。噛み付こうと牙を剥く口に右腕を突っ込み、喉を噛まれるのはなんとか防ぐ。


(マズイマズイマズイ)


「ガウウッガウッ!」


「ふざけんなこの野郎おおおおっ‼︎」


咄嗟に左手で狼の顔面を掴み、モンスターテイムを発動させる。ピカッと一瞬光り、俺は意識を失った。













「……うっ」


「ヴォウ」


「はっ⁉︎」


俺が目を覚ますと俺に襲いかかってきていた狼がいた。そのまま後ろに飛び退き拳を構えるが、襲ってこない。不思議に思って見ていたが何もしてこないので近づいてみた。狼は大人しいままで頭を撫でると尻尾を振って喜んだ。ふと気になってステータスを確認すると



名前 テツヤ タニグチ

種族 人間

性別 男

年齢 17歳

職業 無職

レベル3


スキル

モンスターテイムLv2

剣術Lv1


特殊スキル

SPスキルポイントシステム:残20pt

全言語理解

アイテムボックス∞


称号

世界神の加護


従魔

グレーウルフ(仮)Lv8



と表示された。従魔の欄のグレーウルフと言うのがこの狼なのだろう。(仮)というのが気になってタップすると情報が表示された。



名前 グレーウルフ(仮)

種族 グレーウルフ

性別 雄

年齢 3歳

レベル8


スキル

索敵Lv3

隠密Lv1

集団戦闘Lv2

嗅覚上昇Lv5


特殊スキル


称号

テツヤの従魔


となっていた。そりゃ負けるわけだ。レベル8だものな。俺はよしよしと頭を撫でながら溜息をついた。


「お前の名前を考えなきゃな」


そう言うとすごくキラキラした目で俺を見つめる狼。尻尾もちぎれそうなほどブンブンと振っている。その様子に苦笑しながらも名前を考え。


「よし、お前の名前はグレイだ」


「ヴォウッ!」


我ながら安直だとは思うが気に入ったようなのでグレイを連れて俺は林を抜けようと立ち上がり、激痛で顔を顰めた。右腕を見ると血は止まっていたが、噛み付かれた跡が残っている。


「いてて。くそ、アイテムボックスにアイテムでも入っていればいいけど……」


そう思い、アイテムボックスのメニューを開くと持ち物に初心者セットなるものが入っていた。取り出す前にタップをして内容を見て俺は膝をついてうな垂れた。何故なら入っている内容が


初心者セット

異世界に転移した君の為のセット。

ショートソード、レザーアーマー、レザーコート、初級ポーション×3、初級マナポーション×3、ロマリア金貨1枚、ロマリア銀貨10枚、ロマリア大銅貨10枚、ロマリア銅貨100枚、が入ってるよ。よっ、神様太っ腹!


だったからだ。確認しとけば良かったと心から反省した。俺は初級ポーションを一本取り出し、右腕にかける。すると傷は直ぐに塞がった。無理をしなければ大丈夫だと判断し、ショートソード、レザーアーマー、レザーコートを取り出して装備する。一瞬で身体に装備され、これは便利だと驚いた。


俺は準備を終えてグレイを撫でると林を抜けるため、走り出した。そして一時間後、街が見えてきた。


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