第9話 異変②
やっと、やっと本格的な戦闘回が書ける!
というわけで戦闘開始です、はい。
感想等お待ちしてます。挿絵もくれると嬉しいかもなんて?
次の日の朝。
「ご主人、起き…」
ブオンッ!
「あ、危ない危ない」
「チッ、避けたか」
「何気に酷いよねご主人」
「黙ってろ」
朝一番に懲りずに俺を起こしてきたベルフェゴール。蹴りを叩き込もうとしたが見事に避けられてしまった。
いつもの装備を身につけた俺は階段を降りて食堂へ向かう。そこには既に他の冒険者の姿も見えた。だが、冒険者達の雰囲気がいつもよりもピリピリして見える。俺は気になったので近くの冒険者に話しかけた。
「おはよう。なんか雰囲気が悪いけどなんでか知ってるか?」
「あ?そんなの昨日のことがあるからに決まってんだろ。今日はこの後ギルドで発表があるらしいぜ」
「そうか、わざわざ悪かったな。これはお礼だ」
そう言って大銅貨を置く。そのまま俺は女将さんに朝食を用意してもらって急いで食べて食器を返す。
「玩具の匂いだ。行くぞ怠惰」
「ふふっ、楽しそうだねご主人?」
「まあな。レッドオーガか……。今までの奴らは役不足だったからな。楽しめそうだ」
『主よ、油断大敵ですぞ』
「分かってるさグレイ」
俺は急いでギルドに向かった。すると丁度ギルドのカウンターの人だかりが出来ているところにギルド職員が紙を持ってやってきた。
「冒険者の皆さんにお知らせします!北の山の洞窟とその付近にいるであろうレッドオーガ、そしてジェネラルオーガの討伐を緊急依頼として発注します!参加ランクはE以上!受けない方は3番カウンターで違約金を払ってください!受ける方は1番、2番カウンターで受付をお願いします!出発は4時間後!」
「レッドオーガとジェネラルオーガか…」
「俺は受けるぞ!」
「まじかよ……。勝てるわけねえよ……」
周りの冒険者の反応は様々だ。俺はそれを横目で見ながら1番カウンターに並ぶ。受付をしていたのはレナさんだった。
「こんちわレナさん」
「テツヤ君ね。受けるのね?気をつけて」
「気をつけるまでもないさ」
俺は笑いながら受付を済ませた。そのままカウンターを離れる。必要な物を買いにギルドを出ようとした。すると
「おーうテツヤ。お前はちょっとこっちに来い」
レウスに呼び止められた。俺は少し不機嫌になりつつそっちに向かう。
「なんだおっさん。俺はこれから戦闘の準備をしに行きたいんだが?」
「そう言うなって。多分、お前にとってもいい話だぞ?」
レウスはそう言ってニカっと笑う。
「喜べ、お前は俺と一緒に最前線で戦えるんだ!」
「ほう…」
それを聞いて俺はまさに朗報だと思った。これで命令無視して突っ込む必要がなくなったわけだ。だが、
「どうしてそうなった?」
「何がだ?」
「何で俺が最前線に行けるのかってことを聞いてんだよ」
「そりゃ俺はこのギルドでは最高ランクだからな。俺に模擬戦でお前は勝ったから、としか言えねえな」
「ふーん。ま、いいか」
こいつがきっと何かを言ったんだろうと思ったが最前線で戦えるってのは本当だろうと考えたので他のことは置いとくことにした。
「分かった。それじゃあ4時間後にな」
「おう、また後でな」
俺は今度こそギルドを出て必要な物を買いに外へ出た。
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「ポーション3本、マナポーション1本、携帯食料2セット。これでいいな」
俺はポーションなどの必要な物を買い集めてきた。初心者用ポーションは使いきってしまってので多めに買ってきた。初心者用マナポーションはまだ2本あるので1本だけだ。
俺はアイテムボックスに荷物を詰めてしまう。そしてそのままギルドに向かった。ギルドに入るとレナさんに呼ばれた。
「テツヤさん。あなたはレウスさんと一緒に行動してください」
「はいはい。分かったよ」
「…気をつけてくださいね」
「大丈夫大丈夫」
俺は表情が硬いレナさんに苦笑しながらレウスに近づく。
「レウス」
「テツヤか。準備はいいのか?」
「ああ、完璧だ」
「ならいい。お前は俺と2人で最前線で戦うことになる。分かってるな?」
「大丈夫だって」
「参加者が集まったようなので作戦を発表させて頂きます!」
俺たちが話しているとギルド職員が話し始めた。
「これから片道3時間かけて北の山の洞窟付近に向かいます!着いたら小休止して先頭へと移ります!Eランクは荷物の運搬、負傷者の対処などを、CとDランクは戦闘をお願いします!なお、レウスさんとテツヤさんは遊撃による最前線での戦闘をお願いします!」
「おーう、わかったぜ」
レウスは返事をした。俺も返事をしておく。他の冒険者たちも準備はいいようで返事をしていた。
「それでは出発します!」
俺たちは出発した。戦いはこれからだ。
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「どりゃぁぁあ‼︎」
「シッ‼︎」
ブオンッ!
シュィンッ!
ビートの街を出発してそろそろ3時間、俺たちは魔物の群れに襲われていた。レウスと俺、それと他の冒険者達で殲滅していく。最初は俺を見て不満そうだったCランク冒険者達も俺とレウスの戦闘を見て何も言わなくなった。
今俺たちに襲いかかっているのはクローチというFランクでゴ○ブリの魔物だ。レウスが大剣を振り回すと4匹は吹き飛び、俺が怠惰を振ると剣線上の敵が面白いように切れていく。
「チッ、多いな」
「こんくらいで弱音かテツヤ?」
「んなわけねえだろ、この筋肉ハゲ」
「まだ禿げてねえ!」
つまり、後でハゲるだな。ご愁傷様だ。なんてやりながら進んでいくとギルド職員がストップをかけた。ここで小休止して夜に奇襲をかけるらしい。俺は割り当てられたところで休む。
「ご主人、大丈夫?」
「怠惰か。ああ、問題ない。今回はお前の堕落が必要かもな」
「それはそれは嬉しいねえ。やっとご主人の精神を侵食出来るよ」
怠惰は刀のままカタカタと笑う。こいつの能力“堕落”この力を使うには俺の心を削らなくてはいけないらしい。まあ、俺はそのくらいで侵食されたりしないが。
そのままグレイも交えて休みながら談笑していた時だった。
ぶおおおおおおおおっ!
レッドオーガを警戒していた歩哨が持つ角笛な音が聞こえた。これが鳴らされたってことは……
俺は止められない笑みを無理やり抑えて音が聞こえた方へと走る。すると予想通りにこちらへと向かってくるレッドオーガの大群と少しずつ集まってきた冒険者の姿が見えた。
「おいおい、これは100じゃ効かねえだろうが……」
いつの間に来たのかレウスがレッドオーガを見ながら呟いた。ここから見えるだでも300近いレッドオーガが見える。一体何処に隠れてたんだか
「ククッ」
「……お前も限界か?」
レウスが苦笑しながらも獰猛な笑みを浮かべる。こいつ、分かってるじゃねえか。
「レウス、行くぞ」
「はっはっは。付き合ってやる」
「ついてこれたならな」
俺とレウスは地面を蹴った。奔る奔る奔る、ただ早くレッドオーガに向かう。
「ククッ、クヒャハハハハハハハハハッッ‼︎」
俺は嗤いながら怠惰を抜刀、一息で二体の首を刈り取る。返す刀でまた一体、そのまま横に半回転して周囲を斬る。今度はまた2体の腹を斬り裂いた。チンッ。一度怠惰を納刀する。オーガの斬られた腹から内臓が落ちるが気にせずに次の獲物を探す。
ーー発見。近くで1番数が多いレッドオーガの集団に突っ込む。オーガ達もやられっぱなしではない。手に持った棍棒で殴りかかってくる。が、大ぶりすぎるそれは簡単に避けられる。振り下ろされた棍棒を半歩横に避けて抜刀。右腕を肘から斬り飛ばす。このまま斬ろうとしたところへ拳が飛んできたので後ろに跳んで回避。
「なんだこいつ?」
俺に殴りかかってきたのは赤紫のオーガだった。武器は持っておらず、代わりなのか両手と両足に皮が巻いてあり簡易の手甲、脚甲のようになっている。鑑定してみると
種族 レッドオーガ亜種
性別 雄
レベル68
スキル
身体強化Lv6
武闘術Lv7
咆哮Lv4
と出た。
「へえ。なかなか骨がありそうなやつだな」
怠惰をレッドオーガ亜種に向ける。……以後亜種と呼ぶ……。亜種はそれを見て俺に対峙して
「グオオオオオオオオオオッ‼︎」
豪っ‼︎
「咆哮か、身体強化もあるみたいだし力くらべは部が悪いか?」
「オオオオオウッ!」
亜種の蹴りを身をかがめて避ける。そしてウィップグローブを起動してグレイプニルで縛る。そして
「武雷強化」
バチィッ‼︎
次の瞬間、そこには雷を身に纏った俺がいた。
「図体がでかいだけの雑魚が。俺だって強化は使えるんだぜ?」
戦闘、開始。
名前 テツヤ タニグチ
種族 人間
性別 男
年齢 17歳
職業 無職
レベル27
スキル
モンスターテイムLv5
剣術Lv5
鑑定Lv5
闇魔法Lv5
雷魔法Lv5
氷魔法Lv5
特殊スキル
SPシステム:残5pt
全言語理解
アイテムボックス∞
称号
世界神の加護
従魔
グレイLv30




