第87話 冒険者ギルドとあの娘
主人公は、ラーカム町に到着し、ゲームだと仲間にしていた人を確認しました。
その後は、冒険者ギルドへ行くようです。
町を歩くと奇異の目で見られているのを感知スキルの察知や感覚強化で強化された触覚や聴覚で確認しながらの移動。
鳩とシマリスだからな。
でも、チモの方なんて最初から前世より少し大きかったのに、進化して更に大きくなった。
ポポもチモも、大きくなって侮られにくくなった気はするが、逆に可愛げが無くなった気もする。
まあ、見慣れて来て大き目の縫いぐるみみたいに可愛くも思えてきた感じも。
そんな事を考えていると見えてきた冒険者ギルド。
木造3階建てで、それなりに大きいか。
村と違って、兼業とかではない様だけど、一階には飲み食いが出来るスペースもある様だ。
その冒険者ギルドに入ると、結構な喧噪だ。
町は人口が1000人以上1万人以下か。
それなりに人が居る上に、市町村の人口の数割は冒険者らしいからな。
まあ、農家との兼業とかも含めるとだけど、専任も結構居る筈か。
王都まで行くと、様々な事で生活している人が増え、そこまでの割合じゃないらしいが。
そう思いつつ、先ずは依頼などが張ってある掲示板に向かうと、掲示板を睨んでいる女性が。
あれ?
あの娘だよね。
あ~。
王都に向かう道を進むと、次はムスカト市なんだけど、そことその隣の市町村に居るキャラだったか。
だから、ここに居ても不思議はないんだけど。
思わず声を掛けたくなるが、彼女を仲間に出来た時間は、朝の8時から10時までの時間。
一人で受けられる依頼が無くて、イライラしつつ落ち込んでいる時間だったか。
そう思いつつ、依頼を眺める。
う~ん。
碌な依頼無いね。
まあ、まだ冒険者として登録していないから、採取と言った常設依頼以外は受けられないんだけど。
そう思いつつ、冒険者ギルドの受付へと行く。
もう、依頼の報告はほぼ終わった時間なのか、待たずに受付嬢の処へ。
「御用は何でしょうか?」と奇麗で若いお姉ちゃんが。
うん。
犬人族か。
尻尾や耳に触りたいがセクハラだろうし、諦めよう。
「冒険者登録も未だなんですが、買い取りをお願いしたいんですけど」
「はい。買い取りならば登録無しでも可能です。
ただ、普通の商店より買い取り価格は安めですし、一度買い取った物の返却等は行えませんが」
「それでも、大丈夫です」
「では、何を買い取れば良いのでしょう?」
「格納箱内のコンテナに入っているんですけど」
「でしたら、こちらに」と案内されたのは、買い取り専門の建屋。
冒険者ギルドの建屋から出て、すぐ横と言うか後ろにある様だ。
その倉庫みたいな感じの建屋内のカウンターまで行き、「買い取りです」とそこに居る中年男性の職員に受付嬢が声をかけて帰って行く。
「ん。何の買い取りだ」と、買い取り専門であろう猪人族の中年って感じの人が聞いてくる。
「色々とあるんですけど、コンテナに入れてあるので、取り敢えず出しますね」
そう言って準備してあったコンテナを、チモの格納箱から取り出す。
裁縫により作った革鎧やローブ等と各種魔生薬だ。
鑑定スキルか限定鑑定スキルにより素早く鑑定していく冒険者ギルドの職員。
「ホーンラビットの毛皮1着で600GAZUが2着。
魔獣の革鎧がセットで900GAZUの軽装タイプが18セット、1500GAZUの通常タイプのセットが12セット、3000GAZUの重装タイプが9セット。
魔物糸のローブ1500GAZUが8着と魔物糸の外套1500GAZUが8着と魔物糸のインナーセット1500GAZUが8セットだ。
傷治療薬70GAZUが90錠、毒治療薬70GAZUが90錠、魔回薬7000GAZUが30錠、傷治療薬Ⅰ(グレード1)が500GAUZで3個、毒治療薬Ⅰが500GAZUで3個、魔回薬Ⅰが8000GAZUで3個。
魔樹のローブⅠ(グレード1)4000GAZUが80着、魔樹の外套Ⅰが4000GAZUで80着、魔樹のインナーセットⅠが4000GAZUで80セット。
まあ、ひと財産だな」
そう商業学スキルでアッサリ計算した感じの冒険者ギルドの職員は言ってくれるが。
「安物ばかりですけどね」
「だが、装備品はキッチリ魔素収集刻印が最大値になっている。
大したものだ。
だから、全部で1,308,000GAZUだ。
これだけ売れば、物資調達の依頼達成にもなるが」
1300万円相当か。
ちょっと売りすぎかもしれない。
Eランクの魔物素材のグレード1で魔素収集刻印が最大の4個を240セットも売ったからか。
これを加工せず、魔物素材として売ったら幾らだったんだろう。
そう考えたら補佐さんが【約24万GAZUくらいでしょうか】と教えてくれる。
『やっぱり、魔物素材のまま売ると安いね』
【魔物素材を加工せず売ると安いのではなく、MPを使った加工をした事により高くなると言う認識を持っていた方が良いでしょう】
『ああ。そうだったか』
【はい。魔力源泉を持っていない、魔力回復・魔力操作スキルを高ランクで持ってない、MPステータスが高くない一般の人にとって、MPは限りある資源。
一部の例外を除き、どう使い生活を豊かにするか、と言う事を考えて、多くの人が生活しています】
『その辺は、気を付けないとね』と言ったやり取りを一瞬で行い、待ってくれている受付の人への対応を行う。
「まだ、冒険者登録をしていないんですよ」
「そっか。勿体ない気もするが、このくらい、直ぐに稼げそうだな」
「いえ。造り貯めていた物を一気に売っただけですから。
またコツコツ、造っておかないと。
お金は何に必要になるか分からない、と最近思ったので、ある程度一気に売る事にしたんですが。
今後は造り貯めないでコツコツ売った方が良さそうですよね」
「まあ、その辺は好きなように。
冒険者ギルドに一度に大量に売る奴や高額の物を売る奴もそれなりに居るから、防犯対策をしてそれなりのお金がおいてはあるからな。
買い取れないとなると、それは冒険者ギルドにとって損となるケースが多いから」
「ああ。商人より、安めに買い取っていると言う話ですもんね」
「買い叩いていると言う奴も居るが、魔物の戦利品を可能な限り買い取ると言うのもリスクがあるんだよ。
魔物の戦利品を必ず捌けるだけの人員確保と言ったように、コストが掛かるからな」
「そうなんですか。まあ、良く分からないですけど」
「なら、一つ一つの戦利品を自分で商人に売ってみればいい。
高く売れればいいが、馬鹿みたいに手間と時間が掛かって安くしか売れなかった、と言った事すらあるから」
「あ~。それはありそうですね。
商業学スキルは持っていますが、あれはありふれたスキルだから、余程スキルレベルに差がない限り、結構なやり取りになるのか。
納得です。
という事で、また売りに来るかもしれませんが、今日はこれで」
「冒険者登録は隣のムカスト市で出来るから、そこでしてくればいい」
「ええ。そうさせてもらいます。
まあ、そのまま王都方面へ行くつもりですけどね」
そう言って職員と別れ、冒険者ギルドの建屋に戻る。
彼女はもう居ないか。
まあ、まだ声はかけられないし。
そう思いつつ、受付に行きお勧めの宿を教わり、そこに向かう事にした。
主人公は、またゲームで仲間にした人と出会った様です。
どちらかでも、仲間に出来ると良いのか。
それとも一人と従魔達だけで生きて行くべきなのか。




