11限目 わたしは独り
「おかえり。また学校から連絡があったわよ」
19時に帰宅。初めてできた”友達”と遊んできた。今までこんなことしたことなかったけど、遊んだ後ってこんな気持ちになるんだ。
そんな中でババアが口出してきた。
「.....」
無視して部屋に篭ろっと。今日は将也と電話する日だから。昼のこともちゃんと謝りたいし。
「待ちなさい!」
いつものやつね。止められても止まらねぇっての。いつまでも懲りずに話しかけてきて、バカみたい。
「黒波話し合いをしなさい!」
「うっさいな!疲れてんだよ!話しかけんな」
「誰に向かって口きいてるの!いい加減学校に行って卒業して。卒業さえすれば絶対将来困らないから」
はいでた将来話。この話も100回目。耳にタコができるほど聞いてきた。
「どこで何をしてるの?」
「別になんも」
「学校に行かないでその辺ほっつき歩いて.....お姉ちゃんはあんなにできるのに、なんであなたはできないの?」
あ.....また、比べられた。なんで、いつもそうやって私とあいつを比べるの?
「私はお姉ちゃんみたいにはなれないんだよっ!」
「!?」
私は近くにあった花瓶を床に投げた。ぱりん、とガラスが割れる音がした。ババアは一歩下がった。私の視線はそのまま花瓶にあった。
「.....」
「.....」
私はそのままの足で自室に帰ってった。遠くからババアの泣く声が聞こえたけど、そんなもん耳障りでしかなかった。
あの花瓶は誰かが片付けてくれるっしょ。
部屋の扉を開けて大きな音を立てて閉めた。
「はぁ。イラつく」
制服のままベッドに飛び込んだ。手も洗ってないし、汚ったない体。
今日はもう、このまま寝ちゃおっかな———
「ちっ、もう誰だよ」
カバンの中からスマホの音が鳴った。正直めんどくさかったけど、最後の力を振り絞って相手を確認した。
「はい」
『黒波?今日電話していい日だよね?』
「うん」
『お前さ、なんか元気ない?』
「そんなことないよ」
『いやいや、なんかあったんだろ?』
「ほんとにないよ。眠いだけ」
『テンションつまんねー。俺もう寝るわ』
「…..なんで将也が怒ってんの」
『いや、別に怒ってねぇし』
「その声の感じ怒ってんじゃん…..」
『あぁ〜うざいうざい。だから女はうざいんだよなー』
なにその言い方。って言い返したかったけど、またそれ言うと逆ギレしてくるからなぁ。何にも言えないや。
「ほんとに寝るの?」
『うん、じゃあね』
「…..あ」
電話は将也の方から切られた。
静かになった部屋には、私だけが取り残されているよう。
結局わたしは、友達なんていない独りの人間なんだ…..




