閑話2 『小夏日和その2』
※ヒロイン、小夏視点
「あぅあぅあぅぅ~……」
悶えている。
私はベッドの中で悶えている。
それもこれも、ぜんぶぜーんぶ……せんぱいのせい。
「あぅあぅあぅぅ~……!」
自分の枕に顔を埋めても、せんぱいの匂いはしない。
さっきまでずっと一緒にいたのに、お風呂場で抱きしめられちゃったのに、お部屋では覆い被さられちゃったのに、もういない。
寂しさと恥ずかしさと嬉しさがぐちゃぐちゃになるみたいに息が出来なかったの。
せんぱいの顔、お兄ちゃんの顔。
同じなのに違う二つの顔を見て、私の胸の奥が熱くなっていく。
「おにいちゃん……おにいちゃん……」
お風呂場での、裸の抱擁。
突然でビックリしちゃったけど、おにいちゃんの身体は大きくて、硬くて、逞しくて、男の人の身体だった。
そんな大きな身体でぎゅってされちゃって、出そうになった声をその手でガバッて押さえられちゃって……すごかった。
いけないのに、駄目なのに、すごく、ドキドキしたの……。
「おにいちゃん……おにいちゃん……」
さっきの部屋でも、そう。
最近のおにいちゃんは、よく土下座をする。
真っ直ぐなのに情けない、だけどカッコいいその姿に、私はどうしても目が離せなくなっちゃう。
だから近くでジッと見てたら、急に顔を上げるからビックリしちゃった。
何かを決意したみたいな、カッコいい、《《せんぱい》》の顔。
「せんぱい……せんぱい……」
私が好きになった……あの時のせんぱいの顔。
そんな顔で背中を抱かれて覆い被さられちゃったら、どんな顔して良いか分からなくなっちゃった。
「……私の、ばか」
ビックリしちゃって、ドキドキしすぎて、それしかいえなかった。
せんぱいは……お兄ちゃんはすぐにハッとして謝ってくれたけれど、私は……。
「せんぱい……おにいちゃん……」
大好きなせんぱい。
大好きなおにいちゃん。
カッコよくて憧れる真っ直ぐなせんぱいと。
情けないけど頼りになって優しいおにいちゃん。
「あぅぅ……」
そんな鷹臣せんぱいが、そんな鷹臣おにいちゃんが、好き。
出会った時から、高校で再会した時から、一緒に暮らすようになってから、恋人になってから、ずっと、大好き。
「あぅあぅあぅぅ~……!」
もっともっと一緒にいたい。
溢れそうになる好きをお返ししたい。
だから私も、もっと頑張らないと……。
佳穂ちゃん先輩や、くるみ先輩みたいに、もっと、もっと……!
第二章 初々しい義妹の暴走 完
次回
第三章 たどたどしい義兄の決断




