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俺に懐いていた日焼けボーイッシュな後輩が、健気でしおらしい義理の妹になってしまった  作者: ゆめいげつ
第一章 不器用な義兄妹の日常

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閑話1 『小夏日和その1』

※ヒロイン、小夏視点。

「じゃあね小夏ちゃ~ん! 鷹臣くんとはこれからが大事だよぉ~!」

「佳穂ちゃん先輩! ありがとうございましたっス~!!」


 私は校門で大きく手を振る佳穂ちゃん先輩に負けないように手を振って別れる。

 大通りじゃなくてすぐに左の小路へ、足取りがどんどん軽くなっていって、気がつけば駆け足になっていた。

 私の家は学校からすぐそこだから、走れば二分とかからない。

 ユニフォームと同じ色の赤い屋根。

 その見慣れ過ぎた自分の家の屋根を見つけて、私は自然と走りから歩きに変えていく。


「……ただいま」


 そしてゆっくり玄関を開けた。

 まだお母さんが帰って来る時間じゃないけれど、染みついた癖みたいになってるから仕方ない。


「……せんぱい、まだ帰ってないんだ」


 お母さんの靴だけじゃなく、せんぱいの靴も無かった。

 まだ学校にいるんだと思う。

 練習してるのかな、それとも私と同じようにお友達や先輩と話しているのかな。

 早く、会いたいな


「えへへへ……」


 頬が緩む。

 だって昨日、せんぱいに好きって言ってもらえたから。

 本当に夢みたいで、今も信じられない時がある。

 大好きなせんぱいが恋人になって、一緒の家に住んで、お義兄ちゃんになって……。


「おにいちゃん……」


 階段を上がって二階へ。

 廊下一番手前にある私の部屋に入って、真っ先にコンタクトを外した。

 本当ならまず手を洗いたいけれど、メガネが無いと何も見えないから仕方ない。


「はふぅ……」


 誰に見せる訳じゃないけれど、お義兄ちゃんに見てもらえるようになったお気に入りのフチなしメガネをかけて一息つく。

 うん、今日も一日頑張った。

 学校ではちゃんと出来てたし、友達や部活のみんなにもおにいちゃん……じゃなくてせんぱいとお付き合い出来たってしっかり言えたもん。


「えへへへぇ……」


 もう、笑っても良いよね?

 自分の部屋だし、他に誰もいないし。

 手を洗わないといけないけれど、それより嬉しくなってベッドに倒れちゃう。

 枕に顔を埋めて、バタバタとベッドの上でバタ足までしちゃうんだ。


「鷹臣、おにいちゃん……」


 おにいちゃん、おにいちゃん、おにいちゃん。

 せんぱいなのに、おにいちゃん。

 まだ慣れない、まだ不思議、だけど嬉しい嬉しいすごく嬉しい。

 せんぱいが、おにいちゃんが、私を好きって言ってくれた。

 大好きって、抱きしめて、言ってくれた。


 本当に本当に夢みたいで、頑張って本当に良かった……。


「おにいちゃんと、せんぱい、どっちが好き、なのかな……?」


 学校の私と、お家の私。

 どっちも好きって言ってくれたけど、それは私の話。

 呼ばれるならどっちが好き……って、聞いても良いよね? 

 だ、だって私は、恋人、だし……!

 か、彼女なら、もっと喜ぶ事、したいもん!


「えへ、へへへぇ……」


 おにいちゃん、早く帰ってこないかなぁ……?


第一章 不器用な義兄妹の日常 完


次回


第二章 初々しい義妹の暴走

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